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週替わり右SH 水戸戦は茶島がスタメン

 毎週のように、スタメンが入れ替わっている印象のあるジェフの右SH。
 先週末の水戸戦では、茶島が右SHとしてスタメン出場しました。

 ジェフは7月7日の徳島戦から、4バックに変更しました。
 そこから頻繁に右SHが変わっている印象があるので、右SHでスタメン出場した選手をまとめてみました。

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 堀米が6試合で最も多く、茶島が2試合、見木、矢田、船山は1試合ずつとなっています。
 堀米の出場数が多い結果となってはいますが、その堀米も3試合連続のスタメン出場はなく、8月4日に行われた鹿児島戦からの7試合は毎回右SHが変わっていることになります。


 それぞれの選手に特徴がありつつも課題もあるため、右SHが固定化されていないということでしょうか。
 堀米は左サイドまで流れる動きが特徴的で、左サイドで密集する展開においては適した選手と言えるでしょう。
 しかし、7月当初はチームとして目指していたその展開も、現在ではそこまで極端に狙っていないようにも思えます。

 また、堀米はラストパスやプレースキックなどの精度にも秀でた選手ですが、一方で細かなつなぎや守備などにおいて継続的にプレーに関与するのが苦手なところがある印象です。
 また堀米はスタミナ面でも課題が残り、堀米が確固たる主軸として信頼しきれなかったからこそ、左サイドに密集する展開も確立しきれなかったとも考えられるのかもしれません。
 ただ、それでも一度決めたチームのスタイルなのであれば、多少は我慢して実行すべきだと思うのですが、そこが江尻監督の課題ということになるのでしょうか。


 関東学院大学に在籍し6月から特別指定選手となった見木は、鋭い仕掛けや飛び出しなど積極的なプレーを見せていましたが、守備などには課題がある印象も受けました。
 なお、見木は徳島戦で初出場初スタメンとなり、今後積極的に起用していくのかなと思われましたが、これ以降のスタメンはありません。
 矢田は堀米同様に左効きで左サイドに流れる動きも期待しやすい上に、相手が好調な横浜FCだったこともあって守備面も考慮して起用されたのかもしれませんが、そこまで目立った活躍は出来なかったようにも思います。

 工藤は右SB米倉とセットで起用された印象があり、実際にうまく米倉を活かす展開を作っていました。
 昨日も話した通り引いて守る守備などには課題があったようにも思いますが、パスワークを作り上げる選手という点においてジェフでは数少ない存在でしたし、もう少し我慢して見てあげても良いのではないかとも感じていました。
 船山は大宮対策もあり4-1-4-1でスタートした際の右SHで起用されましたが、4-1-4-1が機能せずに1試合で終わっています。
 ただ、コンディションさえよければ、引いて守る守備に関しては意外と船山が一番期待できるのではないかとも思わなくもありません。

 茶島は町田対策として起用したという話もありましたので、縦にアップダウンする動きを期待されたのではないでしょうか。
 水戸戦では「“走る”をテーマにトレーニングをした」と江尻監督が話していますので、運動量を評価されての起用だったのかもしれません。
 確かに走力は期待できる選手だと思いますしヘディングシュートなどゴール前にもうまく顔を出していましたが、一方で相手対策などで起用されることが多いだけに今後の立場も気になる状況ということになりますね。


 堀米にせよ工藤にせよ、あるいは見木などに関してもそうですが、それぞれに良さはあったと思います。
 一方で各々に課題もあるためレギュラーが確立しないというのも事実なのでしょうが、少なくともある程度活躍した選手に関しては、もう少し我慢して一定期間見てあげるべきなのではないのかと思うことが多々あります。
 これは選手の起用法だけでなく、左サイドに密集する展開も4-1-4-1なども同じで、相手対策と言えば聞こえがいいですが、その場凌ぎで終わっているところもあるように思います。

 やはりまずはやるべきことを明確にした上でチームを作れていないから、選手も戦い方もバタバタしてしまうのではないでしょうか。
 選手が入れ替わっても戦い方のベースがはっきりしているのならスムーズに戦えると思うのですが、現状だと選手が入れ替わるたびに大きな変化が生まれ細かな連携が固まっていな印象も受けます。
 選手の変更によってあえて変化を与えているというのであればいいのでしょうが、現状だと戦い方が固まっていないため選手が固定化されていないように感じてしまいます。


 それぞれの選手にも明確な課題があるだけに、チームの問題だけでもないのでしょう。
 今のジェフは明確な武器がある選手が多い一方で、課題のある選手も多い印象で、それがチーム作りを難しくしているところもあると思います。
 ただ、チームのベースを固めきれず、選手も戦い方も頻繁に入れ替わってバタバタとするところは、前回の江尻監督にも感じたところがあるだけに、選手だけの問題でもないのでしょう。

 選手を頻繁に入れ替えるにしても、基本的な守備の形やビルドアップの作り方などは、明確にしていかなければいけないと思います。
 現状だとその場その場における選手の判断で対応している部分が大きすぎる印象で、それではなかなかチームとしての成長は期待できないでしょう
 水戸戦で久々に勝利したとはいえ、その辺りの問題はあまり変わっていない印象を受けますし、大きな課題となっていると思います。

工藤が水戸戦でトップ下としてスタメン出場

 工藤が水戸戦で、トップ下としてスタメン出場しました。
 ここ数戦、出場機会を得られていなかったので、突然のスタメン出場には驚きもありました。
 江尻監督はスタメンの選手を急にベンチからも外したり、ベンチ外の選手をいきなりスタメンで起用することが多いので、意外と読めないところがありますね。

 4-4-2にも近いトップ下での出場で、守備時は船山と同じ役割だったと言っていいのでしょう。
 今季の工藤は3-6-1のシャドーで一時レギュラーとしてプレーし、8月18日の大宮戦では4-1-4-1のインサイドでもスタメン出場しました。
 しかし、純粋なトップ下としてのスタメン出場は、これが初めてだったと思います。


 水戸戦での工藤は、攻守に良いプレーを見せていたのではないでしょうか。
 守備時には広範囲を走り回って、相手にプレッシャーをかけていました。
 試合序盤はクレーベと対面になったCB宮から楽に縦パスが通る状況でしたが、試合途中からクレーベと工藤が左右を入れ替えたことで、ある程度改善したところもあったと思います。

 一方で前半終盤には工藤があっさりとボランチの前にかわされて、そこから縦パスを通され小川が抜け出し決定機を作られています。
 この場面に限らず、工藤が無理に追いかけまわしすぎて、スペースが出来てしまう場面も目立ちました。
 また、工藤が追いかけてもクレーベなど周りの選手がついて来ないため、無駄追いになってしまっていたところもあったと思います。


 ただ、ジェフはリトリートの守備が構築できておらず、2トップが深追いしなくともパスコースなどを消せていないことが多い。
 セットして守る状態が構築できていないだけに、無駄でも追いかけた方がまだ効果は感じられる状況であると言えると思います。
 特にクレーベが守備をしない分、工藤がその周りで汗かき役を果たした意味は大きかったのではないでしょうか。

 さらに前節ほどではないにせよ、勇人も前に出ようとしすぎて、スペースが出来てしまったところがあった印象です。
 ただ、勇人も同様にセットしてパスコースを消す守備が出来てないからこそ、前に刈りに行かなければどうしようもないと判断していたのかもしれません。
 いずれにせよ、リトリートした状況でパスコースや中盤のスペースを完全に埋めきれない課題は、非常に大きな問題だと思います。


 また、工藤は攻撃時にもよく動いてボールを触って、うまく潤滑油になっていたと思います。
 特にここ数戦のジェフは米倉が起用されているにもかかわらず、攻撃が左サイドに偏りがちだった印象です。
 左サイドでなまじ勝ててしまうので、そこを使いたいという発想が生まれてしまうのかもしれません。

 しかし、いくら左サイドが強力であっても、そこばかりでは相手の守備が慣れてきてしまう。
 新潟戦の終盤も、そういたところがあったと思います。
 水戸戦でも左サイドに攻撃が偏りかけていたと思うのですが、40分過ぎに工藤が間で受けて米倉へとつないだあたりから、右サイドも使えるようになっていった印象があります。


 工藤がスタメン出場したことによって、ここまでレギュラーの座を維持してきた船山が控えに回ったことになります。
 チームとして為田などを活かす展開が増えたこともあって、船山が目立たなくなってしまっていたところもある印象です。
 しかし、それでも囮になる動きや守備など、地味なプレーでは貢献できていたのではないでしょうか。

 ただ、ここ最近の船山は運動量も少なく、コンディションも下降気味なのかなと感じました。
 あるいは、メンタル的な部分にも問題があるのでしょうか。
 思い切りのよいプレーも影を潜めていた印象で、船山の不調もあって工藤を起用したのかなとも思います。


 また、サイド攻撃が多いジェフですが、そこからトップ下などが飛び込んでゴールを狙うイメージはあまりないように思います。
 クレーベという強力なファーストターゲットがいる分、2列目の選手を使わなくてもいいということなのか。
 もう少しクレーベを見せつつ2列目の選手を活かしたい気もしますが、いずれにせよクレーベがいるためトップ下が飛び込む展開は少なくなっている印象もあります。

 それもあって、船山ではなく工藤を使っても違和感なくやれたのかもしれません。
 言い方を変えれば、クレーベという明確なCFがいるからこそ、トップ下はゴール前に侵入するタイプではなく、小柄でパスを繋ぐタイプでも成立したとも言えるのではないでしょうか。
 ただ、クレーベは守備に不安があり町田戦、新潟戦に続いて、水戸戦でもクレーベのところから相手CBが縦パスを展開する形を作られていますので、そこをどうにか周りがフォローする状況を作りたいところですが。


 一方の工藤にも課題はあって、小柄な選手ということもあって、引いた状態での守備はあまり計算できない選手だと思います。
 だから、一度右SHで起用されたものの、その後が続かなかったのでしょうか。
 それでも米倉を活かす形は工藤が最も期待できたのではないかと感じますし、もう少し試してもいいのではないかと思っていたのですが、冒頭で話した通り江尻監督は頻繁に選手を変える傾向のもあるため、あっさりと終わってしまいましたね。

 大宮戦の前半だけで終わった4-1-4-1もその時のみの採用でしたし、そもそも取って付けたかのようなシステムで、準備が十分ではなかったように思います。
 見切りが速いと言えば聞こえは良いのかもしれませんが、短期間で終わるくらいならば練習の段階で判断すればよいのではとも思ってしまいます。
 こういった傾向も前回監督時に感じていたことの1つですし、やはり監督としての根本の部分は変わっていないイメージがあります。


 工藤は江尻監督が前回監督時にもジェフでプレーし、2010年には背番号10を背負いキャプテンとしてプレーしています。
 しかし、勇人や茶野の復帰もあり、チームを牽引するとまでは至らなかった印象で、チームのJ1昇格もならず。
 翌年には京都に移籍してしまいました。

 今年も要所要所でよいプレーは見せていると思うのですが、レギュラーに確定することはなく、江尻監督からの信頼を取得しきれてはいないということでしょうか。
 江尻監督もまた、工藤を使い切れていない印象もあります。
 それでも工藤としては水戸戦での活躍によってシーズン終盤に向けて良いアピールになったのではないかと思いますし、江尻監督がどのように判断するのか注目ですね。