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開幕戦を0-3で落とした愛媛 ジェフはベテランの奮起に期待

 開幕戦前に伝え忘れていましたが、今年も試合後のブログはなるべく早くアップしようと思っているものの、出来ない場合は月曜夜までに更新する形にしたいと思います。
 特に最近はコロナの影響でウェブ会議・研修などが気軽にできることがわかってしまい、平日夜や土日にも当たり前のように会議が入るようになってしまいました。
 便利になり過ぎるのも困りものだな…と思うところで、次の日曜もウェブ会議が入っており時間が読めないので、試合後の更新は不定期ということでよろしくお願いします。

 さて、その日曜日に、ジェフは愛媛とアウェイで戦います。
 愛媛はオフに川井監督に代わって和泉監督が就任し、秋元、近藤、浦田など復帰組を中心に補強。
 しかし、戦力的に厳しい印象は変わらず、私も最下位に予想してしまいましたが、他メディアも下位に予想することが多い状況です。


 愛媛は先週の開幕戦で、東京Vと対戦。
 東京Vは北九州から加入した加藤がCBに入って、攻撃時にはボランチに上がるなど、今年も変則的なシステムでパスワークを展開。
 それに対して今年の愛媛は4‐4‐2で、かなりプレッシングの意識の高いサッカーを実施していきました。

 愛媛の攻撃はそのプレスから、高い位置で奪ってカウンターがメイン。
 また、サイドに人数をかけて少ないタッチでパスを繋ぎ、他選手がサイド裏を走って、そこへスルーパスを出す攻撃も狙っていきます。
 前線からサイド裏へ飛び出す動きも多く、サイドの裏でも出来る限り中央寄りを突きたい意図が見えました。


 しかし、タイトな守備を見せようという意思は感じましたが、東京Vのパスワークを止めることはできず。
 プレスを掻い潜られた後の守備の甘さも露呈し、ジェフでもプレーした元愛媛の小池に2ゴールを浴び3失点。
 17歳でスタメンとなった阿野や、15歳でJ2最年少出場を果たした橋本などのスピードにも苦労していた印象です。

 また、攻撃においても、サイド攻撃ばかりで窮屈になることが多い状況でした。
 東京Vは守備も良く、ビルドアップも苦戦。
 高い位置で東京Vがミスをすればチャンスは作れますが、攻守に苦戦し0‐3での敗北となってしまいました。


 昨年の愛媛は21位で終わり、得点もJ2最少、失点もJ2で2番目に多いかなり厳しい状況でした。
 今年は4チームもJ3に降格することを考えれば、まずは守備組織からというチーム作りは理解できる部分もあると思います。
 しかし、それにしては2CBの浦田と大谷は器用なタイプといったイメージですし、ボランチに山瀬を起用していることからも、堅守を徹底といった印象ではなく、昨年のテクニカルなチームを引きずっているのかなと感じるところもありました。

 もっとも愛媛は資金力も豊富ではなく、そこまでの選択肢はなかったのかもしれません。
 ただ、例年J2で降格争いに巻き込まれるチームの多くは、シーズン後半からなりふり構わず戦ってくる印象があるので、いつ徹底した戦い方にシフトするのか。
 特に今年は4チームも降格するということで、気付いた時には間に合わないとなる可能性も大きく、ダメなら早期に方針を変えるという必要も出てくるのかもしれません。


 これは当然対戦相手にも影響が出てくるでしょうし、ジェフはまだやりやすいタイミングで愛媛と対戦できるのかもしれません。
 ただ、ジェフも開幕戦となった甲府戦では、ホームで1‐1の引き分け。
 最終的な公式記録ではシュート3本に終わっており、決して良い幕開けとは言えませんでした。

 途中投入から初ゴールを決めたブワニカが注目を集めましたが、一方で気になるのはベテラン勢。
 米倉、鈴木大輔、船山、福満などは期待されたパフォーマンスを見せられず、ミスも多かったと思います。
 若手の活躍は前向きに捉えたいところですが、本来は彼らが頑張って軸となった上で、若手が自由にプレーできる状況を作りたいところです。


 単純に一部選手はコンディションが整っていなかった印象もあり、愛媛戦ではスタメンの変更もあるのかもしれません。
 ただ、新井章太、田口など怪我と思われる選手も出ていますし、チーム全体として調整がうまくいっていないところもあるのでしょうか。
 やはり怪我も含めたコンディション問題はベテランに出やすいのかなと思いますし、今年も開幕スタメンの平均年齢が29.45歳と高かったジェフはそういった難しさを抱えているのかもしれません。

 ジェフとしては開幕戦同様に、守備的なチーム同士の対戦になると思われます。
 そうなると、どちらが守備でミスをしないのかが、問われるところとなるのかもしれません。
 ジェフが前線に放り込んで圧力をかけ、相手守備陣のミスを待つという展開もあり得るのかもしれませんね。


 しかし、そうなると前線に長身FWが欲しくなるところですが、個人的にはブワニカをスタメンで起用するのはまだ早いのではないかなとも思わなくもありません。
 チームがうまくいっていない段階で、高卒新人に頼っては選手を"消耗"させかねない。
 まずは川又や大槻に期待して、ブワニカが戦いやすいタイミングで投入してあげたいところではないかと思います。

 そのためにも、ベテランや中堅がしっかりとチームのベースを作ってほしいところ。
 今後はベテランも状態が上がってくると信じたいですが、もしこれからも開幕戦と同じようなパフォーマンスであればチーム全体も大きく崩れかねないと思います。
 今年は4チーム降格もあり、プレーオフもないわけで、例年以上にシーズン序盤が大事になってくるのではないかとも思いますから、早い段階から気を引き締めて頑張ってほしいですね。

甲府戦、プレスを掻い潜られ斜めのパスから失点

 開幕戦の45分。
 ジェフのプレスが甲府のパスワークに掻い潜られ、斜めのパスワークから失点してしまいました。

 甲府は右サイドからのパスを受けた山本が、外に開いていた小柳につなぐと、ワンタッチで前方の関口とワンツー。
 小柳が岩崎の前に出て、素早く前方中央の有田へ。
 ジェフは小島が戻りますが、有田が粘って逆サイドの荒木につなぐと、荒木も素早く中央へクロスを上げ、最後は中村が決めています。

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 試合後にも話したように、4‐4‐2の守備は等間隔に守るのが基本なので、縦横への対応には強いけれど斜めには弱いと言われている。
 このシーンでも岩崎の裏を取られたところから、斜め中央の有田にパスを出され、斜め左の荒木に展開されています。
 この前に決定機を作った野津田の飛び出しも、右WB関口の斜めのパスからでしたし、ジェフはこういった斜めのパスに対する対応に不安を感じる部分があったように思います。

 伊藤監督は以下のようにコメントしています。
www.jleague.jp

伊藤彰監督「速いサイドチェンジとクロスは狙っていたので、それができたことは良かった。」

 ただのサイドチェンジではなく、速い展開が大事という発想のようですね。
 確かに素早いサイドチェンジからの攻撃を仕掛けられたことで、ジェフの守備は整わないうちにシュートまで持ち込まれたシーンだったように思います。


 また、この失点シーンでは、前方のプレスが交わされたことも大きな問題でしょう。
 甲府は図のシーンの前に、山本が前に持ち上がって、ボランチ2人とトライアングルを作り、パスを繋いできました。
 この時点で、ジェフの守備は相手のパスワークを止められず、後手に回っていた印象でした。

 甲府によるボランチ付近でのパスワークによって、ジェフの2トップは相手ボランチ付近に食い付かなければいけなくなった。
 その後、甲府は右サイドでパスを回し、そこへ岩崎と大槻が守備に行くわけですが、山本に戻されると船山のプレスが遅れてしまった。
 それが図の黄色い矢印で示したところですが、この遅れによって楽にサイドへと展開されてしまっています。


 船山としてはさぼったわけではなく、その前にパスを繋がれていたからこそ、ボランチの中村が気になって、引いていたところがあったのでしょう。
 しかし、結果的に船山は引いて守り、岩崎と大槻は前に出ていってしまったため、プレスが統一せずハマり切らなかった。
 かといって、全体で引く意識をもってパスコースを消すことも出来ず、中途半端な状況になってしまった。

 結果的に前に出た岩崎と大槻が交わされる格好となったため、熊谷や小島も外や前に出てカバーするしかなかった。
 しかし、ボランチ2人が出ていった結果、バイタルエリアも空いて有田に起点を作られ、全体のバランスも悪化し逆サイドから攻略されてしまった。
 そうやって、プレスをかわされたところから、後手後手になってやれたのだと思います。


 やはり気になるのはプレスのかけ方と、プレスに行くタイミングではないでしょうか。
 甲府のプレスは5-2-3で3トップがバランスを取りなら様子を伺いつつ、前線の1人がプレスに行けると判断したら、それに連動して残りのも前に行くのが基本。
 そこまでは我慢してスペースとコースを消すことで、リスクマネジメントをしながらプレスをかけられる体制が整っています。

 しかし、ジェフの場合は、プレスに行く判断が曖昧な印象がある。
 そのため、後半のように相手に走り勝てている時はいいけれど、そうではないとプレスがハマり切らずにバラバラになってしまう。
 これは昨年から同じような傾向があったと思います。

 うまくパスコースやスペースをケアしながら、行ける時は行くという形が作れないと、堅守の実現は難しいのではないでしょうか。
 闇雲にプレスをかけていっては交わされる回数が増えるし、スタミナにも問題が出かねない。
 今年は前からプレスをかけて行くというのであれば、なおさらそういったプレスの整備が重要となってくると思います。