当ブログはプロモーションを含みます

琉球戦で見せた攻撃を京都戦でも展開できるか

 今週末は、アウェイで京都とズッ友対決。
 まだ開幕戦から5試合を経過した段階とはいえ、京都は2勝1分2敗の9位で、ジェフは1勝2分2敗の16位。
 どちらもスタートダッシュとはいかず、ここからの展開が今季の分かれ目となっていくのかもしれません。

 ジェフの京都戦での注目ポイントは、なんといっても琉球戦で見せたようなパスワークが展開できるかどうかでしょう。
 琉球戦では見木、福満、岩崎といった2列目の選手たちが、良いリズムでパスを繋いでいきましたが、それを安定して実施できなければチームの成長とまでは言い難い。
 昨年までのジェフも環境さえ整えば良い攻撃は作れたわけで、相手チーム次第といったところも大きかったと思います。


 琉球戦でもビルドアップの課題は変わっていなかったと思いますし、琉球は攻撃的なチームだからこそ、スペースもあったしロングボールからも攻撃が作れたところがあると思います。
 守備がしっかりしているチームは簡単にはスペースを与えてくれないでしょうし、後方に高さのある選手がいればロングボールからのビルドアップも作れないかもしれない。
 そうなった状況でも、攻撃が作れるかが重要だと思います。

 守備においても、中盤中央のスペースは消していましたが、外からの展開で失点。
 偶発的にやられたのではなく中央を絞めた分、外が甘くなって突かれた形でしたし、SHの負担も心配です。
 古巣対決になる岩崎は攻守に健闘していますが、現状だと90分間持つのか懸念もあります。


 対する京都はキジェ監督が就任し、攻守に非常にアグレッシブなサッカーとなっています。
 当初は4‐1‐4‐1なのかなとも思ったのですが、前方3人は攻撃時も高い位置取りするシステムで、完全な4‐1‐2‐3といった印象。
 左右SBも高い位置を取り、全体的に前に人数をかけるスタイルとなっているようです。

 後方からバイスを中心にパスを繋いでいき、ウイングやインサイドも積極的に仕掛けていく。
 アタッキングサードではワンタッチでのパスワークも多く、スピーディな攻撃を狙っているように思います。
 運動量をベースにしたアグレッシブな仕掛けと、スピーディなパスワークがキジェ監督の特色で、以前にも取り上げたようにオシム監督とも似通った部分を感じるところがあると思います。


 1トップには昨年J2得点王のウタカが起用されており、攻撃の起点となっています。
 2列目に運動量豊富な選手が入ることで、攻守にウタカをサポート。
 さらに1タッチでのパスワークを狙っていくことで、ウタカがボールを持ちすぎる問題も緩和しているように見えます。

 守備時にも積極的に3トップでプレスに行き、その裏をインサイドがカバーする。
 インサイドが外に出ていくと、19歳のアンカー川崎がそこフォローする形になっているのだと思います。
 攻撃時には2バック気味になりバイスも前掛かりになることがあるため、司令塔の庄司ではなく守備で貢献できる川崎が選ばれているのではないかと思いますし、川崎の成長がこのチームのカギを握っているのかなとも思います。


 カウンターにも迫力があり、非常に積極的で面白いサッカーを実施している印象ですが、まだ安定した結果にはつながっていません。
 アグレッシブな姿勢は感じるのですが、細かな部分でそこに対応しきれていないところがあり、後方での致命的なミスなども多い模様です。
 また、ワンタッチでのパスワークや前への姿勢は感じるものの、最後の部分での決定的な打開には至っておらず、ゴールを奪うにはもう1つ先まで侵入していく必要があるのではないでしょうか。

 ジェフとしては琉球に続いて攻撃的なチームとの対戦とも言えますが、テクニックがベースの琉球とはまたタイプの違うサッカーだと思いますし、京都を相手にどのようなプランを立てていくのか。
 シンプルに考えると守備を重視しつつ、相手のミスを待ってカウンターを狙う展開となるのかもしれません。
 そうなるのであれば、守備で京都の勢いを止められるか、隙を付いてカウンターまで持ち込めるかがポイントでしょうか。


 京都は現状だとまだ粗が多い印象ですから、そこを取り除くことが当面の目標となるのかなと思います。
 ただ、攻守に方向性は、はっきりとしている。
 それだけに粗がなくなりカチッとはまれば、一気に浮上する可能性も秘めているのではないでしょうか。

 一方のジェフは前節琉球戦で一時的にパスワークなどが展開出来たものの、チーム全体で見るとまだ不明瞭な部分が多い印象です。
 堅守速攻というにはカウンターが狙えないし、パスサッカーを狙うにはビルドアップがおぼつかない。
 守備重視にしては失点も多いですし、まだ軌道に乗れる兆しまでは見えていない段階ではないでしょうか。

 ズッ友対決とは言いましたが、ここ数年は京都が一歩も二歩も前にいる状況だと思います。
 現状でのリードも昨年までの流れもあるのでしょうが、一方で福岡のように1年で変われるチームは変われるわけで。
 まずはチーム作りに一本筋を通して、方向性を明確にすることがスタートではないかと思うのですが、そういった不明瞭が部分が試合を通じて晴れていくのか注目ですね。

開幕戦バーレーンGP、角田はレースマネジメントのうまさを見せ9位

 今年は角田のデビューにホンダのF1撤退にと、日本のF1挑戦においてターニングポイントになりそうなシーズンですので、角田・ホンダの結果に関わらずGPごとに取り上げていこうかなと思っていました。
 しかし、望外に良いレースだったのではないでしょうか。
 特に角田にとっては。

 開幕前にも話した通り、F1は自由競争が基本でマシンごとの差が大きいため、目下のライバルはチームメイトのガスリーとなります。
 開幕戦バーレーンGPでは、FP1でガスリーが1:32.195で7番手、角田が1:33.329で14番手で、FP2では角田が1:31.294で7番手で、ガスリーが1:31.483の9番手。
 FP3ではガスリーが1:31.583で3番手、角田が1:32.709で13番手と一進一退でした。

 もちろんフリー走行ではテスト内容が異なる可能性があり、そこまで厳密なタイムは重要ではありません。
 しかし、毎セッション同程度のギャップをつけられ、そのまま予選・決勝でも後れを取るケースも少なくないので、FP2の1度でも相手を上回ったのは大きかったと思います。
 なお、個人的には0.3秒差程度なら接戦、0.5秒差程度なら負け、1秒差では完敗で、それ以上は差がつき過ぎといったイメージです。


 どちらに転ぶかわからない状況でしたが、驚いたのは角田のQ1のタイム。
 ガスリーの1:30.848を上回った1:30.607を出し、全体で2番手タイムをマーク。
 現在のF1予選はQ1、Q2と遅いドライバーを足切りしていき、Q3のタイムで上位10名の順位を決める形式なので、Q1を本気で走らなかった上位勢も多かったとは思いますが、それでもインパクトは見せつけました。

 けれども、Q2ではミディアムタイヤを履いて13番手に終わり、Q3進出はならず。
 ルール上、Q3進出ドライバーはQ2でタイムを出した時のタイヤでスタートするため、決勝で使いにくいソフトではなく一発は出ないけれどレースでは持つミディアムを選択したのでしょう。
 それだけチームが角田とガスリーを信用したのではないかともいわれていますが、新人には厳しい要求だったようにも思います。


 ガスリーはQ2で0.7秒ほど角田を上回り、Q3でも5位と素晴らしい結果を残します。
 角田もソフトならQ3進出が望めたと思いますが、それよりもガスリーに大きな差をつけられてしまったことが残念。
 角田本人も予選は悔いが残るとコメントしています。

 それでも金曜からマシンの状態が良いことがわかっていたことは、大きなプラス。
 決勝でも粘りの走行が見せられれば、結果が残せるという状況。
 実際、角田はそれを見事にやってのけました。


 決勝では1週目やスタート直後の赤旗中断後の再リスタートで順位を落としてしまいましたが、その後は冷静にレースマネジメントをしていきました。
 中団でライコネンアロンソベッテルといった元チャンピオンが激しく争う中、その後方につけてジッと様子を伺う。
 そして、その争いでタイヤを消耗した相手を、角田がどんどんと抜いていきました。

 レース終盤にも9位ストロールとのポイント圏内を競い、最終ラップでストロールをパス。
 接戦の中、一度は引き離されましたが、一度距離を取ってタイヤを休ませてから最後に仕留めたのではないでしょうか。
 こういった冷静なレースマネジメントはF2から見せていましたが、それがF1でも通用したというのは大きな収穫で、本人も自信になったのではないでしょうか。


 開幕戦での角田の活躍は日本だけでなく欧州でも高く評価されており、現在はF1のマネージメントディレクターを務めるロス・ブラウン海外メディアも称賛。
 F1公式アカウントが主催している5人の審査員で決めるドライバーの評価ランキングでも、開幕戦で5位につけました。

 ただ、まだ1レースだけですし、評価が固まったわけではないでしょう。
 良いものは良い、悪いものは悪いとはっきりしている印象もある欧州メディアですから、今後のレース次第ではどうなるかわかりません。

 レースマネジメントやQ1で見せた速さなどは収穫ですが、全体的に見るとガスリーに遅れることも多かった。
 本人も述べているように、特に予選は悔しさの残るものでもあったと思います。
 また、スタート直後の対応も反省点でしょう。

 予選での速さやスタート直後の対応は、F2でも課題の見られた部分。
 それだけに、今回だけの問題ではないかもしれませんし、今後どれだけ改善できるかが注目だと思います。
 予選5番手だったガスリーが序盤の接触により下位を走り続けることになったように、1つのミスで大きく沈むのがレースの怖さですから、1つ1つ丁寧に克服していかなければいけないと思います。

 2週間空いて次のレースは18日に決勝が行われるイモラ。
 アルファタウリの母国レースでもありますし、ここで活躍することはチーム内の評価を高める上で非常に重要です。
 ライバルチームもこの2週間で修正してくるでしょうし甘くはないと思いますが、次も良いレースを続けてほしいですね。