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分析力と選手層の厚さを見せつけてフランス相手に4‐0で大勝

 東京オリンピック、グループリーグ最終戦
 日本代表はフランス代表と対戦し、4-0で大勝となりました。

 フランスはメキシコと同じ4-1-2-3のシステムでしたが、日本はメキシコ戦からプレスのかけ方を変えてきました。
 メキシコ戦での日本は相手アンカーを厳しくマークし、トップ下の久保などがそこでボールを奪っていきましたが、フランス戦ではトップ下が前へプレスに出ていき、1トップと共に相手CBへ寄せていきました。
 さらに、状況によっては、左SHに入った旗手が前へプレスに行き、3枚で追いかける展開も見られました。

 これは、相手のビルドアップの違いを、分析してのことでしょう。
 メキシコはアンカーを使ったビルドアップも多かったですが、フランスはアンカーのトゥサールを経由することが少なかった。
 その分、右インサイドのサバニエが最後尾まで下がって2CBと3枚でパスを繋ごうとしていましたが、その3枚に対して日本も3人でプレスに行ったということになります。


 このプレスによって簡単に縦にパスを出させず、立ち上がりから組織的な守備を展開していきました。
 一方のフランスも過去2試合で失点が多かったこともあってか、試合序盤はコンパクトな守備を集中してやってきたと思います。
 これによって途中までは、どちらも守備が堅く締まりのある流れになりまりた。

 攻撃においては、日本が積極的に裏を突く仕掛けをしてきました。
 サイドの裏を取って相手を押し下げておいてバイタルエリアを狙ったり、逆に中央で縦に走り出して相手を引き付けサイドを取ったりと、中と外をうまく使えていたと思います。
 久保は足元の技術だけでなく、ボールを引き出す動きも質が高いんですね。


 日本が一部スタメンを変えた理由は、選手を休ませる意図や累積警告を気にしたのかなと思いましたし、実際そういった意図もあったのだろうと思います。
 しかし、旗手は前へのプレスと裏抜け、上田も裏抜けとシュートのうまさを期待されての起用で、決してただ単純に主力を休ませただけではなかったように思えます。
 どちらもその起用の意図がハマっていたと思いますし、怪我から復帰した冨安や途中起用の選手も含めて、メンバーを変えても大きく力が下がることはなく、逆にプレーのバリエーションを見せており選手層の幅も感じました。

 プレスのかけ方や裏抜けからの攻撃が決まったのも、日本の分析力が出たのかなと思います。
 ロシアW杯でも日本代表は相手を分析して相手の弱点を突き、自分たちの良さを出して結果を残していった印象です。
 スカウティングも含めてチームとして戦えているのかなと思いますし、日本人スタッフとの連携を見せられることが、日本人監督を起用するメリットにもつながるのかもしれません。


 とはいえ、それが実行できるのも、日本の選手たちのレベルが上がったからこそ。
 あのフランス代表やメキシコ代表を相手に本気の舞台でしっかりと戦って勝てるわけですから、すごい時代になったなぁと思います。
 もちろんフランス代表はメンバー選考も含めて本気ではないと言われていますが、それでもピッチ上では全力で戦ってきたはずです。

 2001年に日本代表がフランス代表に敗れたサンドニの悲劇は、0-5での敗戦でした。
 あの時は親善試合でしたし、フル代表で、やり返したというには1点足りません。
 さらに一方的な試合展開でもあったわけですが、それでも今回の4‐0はフランスフル代表候補たちに十分なインパクトは与えたのではないでしょうか。


 ちょうど解説の森岡サンドニの悲劇に出場しており、森岡は一度もフランスに勝てなかったと話していました。
 それほど大きな差があったわけですから、やはり当時を知っている身としては感慨深いものがありますね。
 日本代表を指揮したオシムさんも喜んでいるでしょうか。

 この試合でも後半途中の日本は、相手に押し込まれ厳しい時間帯がありました。
 相手が攻め込んできた時の守備には不安がありますが、このチームは押し込まれた状況でもカウンターが狙える。
 メキシコ戦の序盤もそうでしたし、そこの強さも感じた試合だったかなと思います。


 次の試合は、グループBを2位で抜けたニュージーランドとなりました。
 そして、そこを勝てれば準決勝で、スペインとコートジボワールの勝者と戦うことになります。
 決してメダルまでは楽な道のりではないですが、グループリーグ3戦全勝を遂げたのは日本だけですし、自信を持って頑張ってほしいですね。

 ニュージーランド戦は7月31日(土)。
 鹿島スタジアムでの試合となります。
 今度は18時キックオフということで暑い気候が予想されますが、良い結果を期待したいところです。

川崎戦で船山の落としを受けた見木がゴール

 東京オリンピックも始まって、天皇杯川崎戦もだいぶ前の試合だったように思えてしまいます。
 しかし、せっかく川崎と戦えた試合ですし、オリンピック中断明けの試合まで時間もあるので、少しずつ振り返っていきたいと思います。
 川崎戦では、53分に見木が先制ゴールを決めています。

 ゴールシーンを振り返ると、左サイドに流れていたサウダーニャが縦に走り込み、サイド奥までボールを持ち込みます。
 そこで相手に囲まれてしまいますが、何とか粘って後方の見木へとつなぎます。
 見木はゴール前にいた船山にパスを繋ぐと、船山が相手を背負ってキープ。


 そこからパスを出して走り込んでいった、見木が船山の落としを受けてシュートを放ち、ゴールとなっています。
 試合を中継をしていたスポーツライブ+の計測によると、ジェフはこれが3本目のシュート。
 川崎はそこまでシュート8本を打つ展開だっただけに、ジェフとしてはチャンス一発を見事にものにした形と言えるでしょう。

 角度のないエリアからのシュートでしたが、相手DFの股を抜く形でゴールを決めています。
 この際に相手選手にボールが当たって、シュートの軌道が変わったことも大きかったのではないでしょうか。
 運も味方につけたとも言えるのかもしれませんが、見木が冷静に決めたゴールだったと思います。


 見木は秋田戦、金沢戦とゴールを決めていますので、これでリーグ戦から続けて公式戦3試合連続でゴールをマークしています。
 ただ、4試合連続ゴールを決めた5月の頃に比べると、見木の動きはそこまで好調ではないのかなとも思います。
 ゴール以外の絡みは少ないですし、川崎戦でもボールロストしているシーンがありました。

 ただ、むしろ好調ではない時期にどれだけチームに貢献できるかが、その選手の価値を見定める上で大事なのではないかとも思います。
 レギュラー選手が絶好調時に活躍できるのは当たり前ですし、そうではない時こそ真価を問われるのではないでしょうか。
 そういった点で、この3試合連続ゴールは、見木にとって大きいものなのかもしれませんね。


 また、見木のゴールに繋がった船山の落としも、素晴らしかったと思います。
 うまくゴール前で動き出して見木からのパスを引き出した上で、相手との壁を作ってボールをキープ。
 そこから冷静に落としたことによって、相手選手1人を引き付け見木の前のスペースを空けたことになります。

 ここ最近の船山はこういったボールの引き出しと、ポストプレーで大きく貢献しているように思います。
 さらに裏への飛び出しなどもあり、シャドーの位置からFWに近いタスクをこなすことで、前線から離れがちなサウダーニャの穴をうまく埋めている印象です。
 見木も前線でプレーしていくのであれば、こういった船山の動きも盗んでいきたいところかもしれませんね。


 また、このプレーはサウダーニャが流れてゴール前が空いたところで、サウダーニャや見木などがサイドから中央へ走り込んでいます。
 これは0トップ的な攻撃の展開と言えるでしょうし、サウダーニャを1トップで使っていくのであれば、もっとこういった形が作っていくことが理想なのかもしれませんね。
 そのためにはよりパスワークからの攻撃を確実に作っていきたいところではないかと思いますので、チームとしてはそこが課題ということになるのでしょうか。

 見木としては川崎相手に活躍したということで、よりJ1への個人昇格が見えてきた状況と言えるのでしょうか。
 もともと強化指定選手の頃から光るものがある選手でしたし、J2クラブでのプレーはステップの段階と言えるのかもしれません。
 ただ、J1でプレーするためにはゴールという結果はもちろんですが、先ほど話したFW的な動きか、中盤でのボールさばきや守備などでももっとコンスタントに貢献できるようになりたいところではないかと思いますし、シーズン後半にどこまで成長していくのか楽しみですね。