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斎藤大輔「GMや社長という仕事にも興味を持っている」

 選手構成や移籍動向も気になりますが、その前に年末年始にジェフ公式サイトが掲載したインタビュー記事を取り上げたいと思います。
 なかでも斎藤大輔アカデミーマネージャーの話は、ぜひこの機会に触れておきたい興味深い内容でした。

 まず、鈴木健仁GMのインタビューが、昨年12月23日にアップされています。

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 有料サイトUNITED ONLINEに掲載されている4ページ中1ページ目が、無料公開となっています。
 正直、立場的には齊藤大輔ではなく鈴木GMのインタビューをすべて公開するか、今回の記事でなくても鈴木GMのまとまった考えを明らかにすべきではないかと思います。
 現状だと鈴木GMがヴィジョンを語る機会は少ない印象ですが、公の場で明らかにすることで1人でも多くのファン・サポーターと共有することが重要なのではないでしょうか。

 1ページだけだと文章量は少ないですが、昨年は尹監督と突っ込んだ熱い議論を積み重ねた1年だったとのことです。
 昨年のジェフは左サイドに人数を集めたパスワークを展開したり、3バックに変更したりと、尹監督1年目以上に変化の多い年だったと思いますが、そこも鈴木GMが関わっている部分が大きいのでしょうか。
 当然鈴木GMが直接的な指導をしたわけではないでしょうが、鈴木GMの意向によって昨年招聘した小林コーチの意見が強く出た年だった可能性もあるのかなと感じます。


 なお、今さらの話ですが、鈴木GMは2004年から2014年まで新潟で強化部で働いた後、福岡でチーム統括部長に。
 小林コーチは2010年から2012年まで新潟でプレーし、2014年夏から仙台のコーチに就任。
 両名は新潟で繋がりがあったことになりますね。

 いずれにしても、GMが監督にもしっかりとモノを言えるというのは、大事なことだと思います。
 鈴木GMは50歳で尹監督は48歳ということで、年齢が上なのも大きいのでしょうか。
 昨年終盤、チームは好調だったにもかかわらず、イ・ソンジェコーチと山崎フィジカルコーチが退任になったのも、過去の尹体制ではなく小林コーチなどが手腕を発揮したからなのでしょうか。

 監督のやりやすい環境を作るのもGMの役目でしょうが、それだけではうまくいかない時もあるでしょう。
 時には喧嘩をすることで状況が改善することもあるでしょうし、仲がいい、雰囲気がいいだけでは勝てないのがプロスポーツの世界でもあると思います。
 今年もいい意味で内部でやり合って議論を詰めて、強いチームを作り上げて欲しいと思います。


 続いて、斎藤大輔のインタビュー記事について。
 こちらは4ページすべてが、無料公開されてます。
 
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 インタビュー序盤にある、アカデミーからトップに昇格する選手を増やしたい。
 トップチームにおけるアカデミー出身選手の割合を増やしたいという意向は、過去10年間何度もジェフのアカデミートップから聞こえてきた内容です。
 その理想は共通していても、現実としてはうまくいっていないということになりますね。

 しかし、トップに選手を送り出すため、ジェフのフィロソフィーからアカデミーのプレーモデルを明確にして明文化したという話は、興味深いところですね。
 ただ、私があまりアカデミーの情報を追えていないから知らないだけかもしれませんが、そのフィロソフィーやプレーモデルなどが具体的にどういったものなのかはわからず、ネットで調べても出てきませんでした。
 ジェフは外注の結果かサイトやSNSがおしゃれにはなりましたが、内向的で大事な情報をうまく発信できない傾向は変わらないですね。


 また、それ以上に驚いたのが、斎藤大輔が「ジェフで一生を終えるつもりで、GMや社長という仕事にも興味を持っている」と話していること。
 斎藤大輔 はJ2初期にジェフを離れたという噂も出回っており、強化部以外の役職もやらされている印象が強かっただけに、そこまで強い思いでいてくれているとは思っていませんでした。
 当時から現在にかけて、気持ちが変わった部分もあったのでしょうか。

 斎藤大輔と言えば、オシム監督時代の名ストッパーであり、ナビスコ杯2連覇の立役者でもあります。
 温厚な性格である一方、試合中の激しいコーチングなどにも長けており、J2降格直前の練習では「斎藤大輔の声しか聞こえなかった」と言われることもあったほど、リーダーシップも期待できる選手でした。
 若い選手の多かったジェフ黄金期において、兄貴的な存在だったと言えるでしょう。


 メンタル的にも安定していて、クレバーな選手でもあったと思います。
 同じくジェフの社長を目指すと発言している勇人は、正直SNSでも危なっかしい発言が多いので、現状だと社長としてはどうなのかなと思います。
 特にジェフの場合は大企業に利害関係者も多いわけで、クリーンなイメージというのは極めて重要でしょう。

 その点で斎藤大輔なら可能ではないかと思うのですが、まずはGMというのもいつかは見てみたいですね。
 オシム監督のサッカーや強かった頃のジェフを十分に理解しているというだけでも期待が高まりますし、純粋に選手時代を知っているファンやサポは斎藤大輔という人物に安心感というか、信頼感を持てるところがあると思います。
 斎藤大輔は引退後もコーチとして成功するのではないかと思っていただけに、強化部に入った時点で驚きでもあったのですが、こういった形であっても成功を遂げて、ゆくゆくはジェフを引っ張っていってほしいですね。

DAZN30周年ジェフ特集 オシム監督「勝者のメンタリティが足りない」

 今回は、現在DAZNで配信されているジェフ30周年特集のでご紹介を。
 Jリーグ初期のジェフだけでなく、古河時代も振り返る、内容の濃いものとなっています。
 当時の関係者や試合の映像などもふんだんに使われており、中には日本サッカーリーグの動画もながれるなど、かなり貴重なものとなっているのではないかと思います。

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 4話構成で、1話ではJリーグスタート当初の話を、リトバルスキー氏や江尻氏、中西氏や城氏の話を中心に取り上げています。
 リティがプロ意識の欠けた当時の選手たちを怒ったという話は以前にも耳にしましたが、インタビューを通すことでよりリアルに聞こえてきます。
 城の開幕から4試合連続ゴールだけでなく、中西の復活ゴールなども取り上げられており、私も意外と当時の映像を覚えているものだなぁと妙に感心してしまいました。

 2話では、古河時代の話に遡っています。
 川淵氏、奥寺氏、永井氏、小倉氏、岡田氏、清雲氏などが出演し、強豪古河について語っています。
 なぜ古河が日本サッカー協会に多くの人材を輩出したのか、奥寺氏の海外移籍のエピソードなども取り上げられ、歴史的な資料としても重要なコンテンツになっていると思います。


 3話目はオシム監督時代のジェフを、祖母井氏、勇人、巻、阿部勇樹などが話しています。
 ここまでくると今でもよく聞こえてくる話題が増えてきますが、当人たちが語っているというのが重要ですね。
 今回撮影された勇人とオシム監督によるビデオ通話が目玉となっていますが、あの頃の選手は今でもオシム監督の前に立つと子供ような表情になってしまいますね(笑)

 最後がJ2降格から現在を取り上げた4話目で巻、勇人に加え、見木、新井章太、鈴木大輔、岡野、ソロモン、高橋、米倉など現役選手も少しずつコメントしています。
 レディースやアカデミーに関しても取り上げられており、現在はアカデミー選手も利用しているという寮の映像も出ています。
 巻の海外移籍に関する話も、興味深かったです。


 改めて振り返って見てみると、ジェフはJリーグ創設直後からどこか甘さ、緩さがあるチームと言われていたことを思い出しました。 
 強かったオシム監督時代ですらも、リーグ優勝間近の試合やフクアリこけら落としなど、大事なところで気の抜けたミスから勝ちきれなかった映像が使われていますが、そこが悪い意味でのジェフの特色なのかもしれません。
 そこを一時はオシム監督などがグッと締めていたところがあったのでしょうが、その前後は今も昔も変わらずどこかメンタル的に弱いところがあるのかなと感じます。

 今回の特集でもオシム監督は「勝者のメンタリティが足りない」と話していたことが取り上げられていますし、岡田氏も古河でアジア王者になった時は「言い合いも凄かったし、要求もするし、今のような仲良しって感じではなかった」と語っています。
 オシム監督は「一歩一歩進んでいくしかない」とも話していますし、そういったクラブのメンタリティを変えていくためにも、常日頃から強い意識を持ってサッカーに臨まなければいけないのかもしれません。
 まずはその一歩を踏み出せるように、今年こそは明確に変化の可能性を見いだせるようなシーズンになってほしいと思いますし、緩みがちなオフに気の引き締まるDAZNのジェフ特集だったのではないかと思います。