熊本戦でスタメンに復帰した指宿が、3点目の得点を決めています。
これで指宿は今季8ゴールを上げたことになり、チームでは3番目の成績となります。
ラリベイの10ゴールに、これで近づいたことになりますね。
ちなみに、熊本戦の1点目を決めた船山は、今季18ゴール目を決めたことになります。
2014年に記録した、キャリアハイの19ゴールも目前となりました。
また、CKから2得点目を決めた近藤は、今季2ゴール目となっています。
昨年ジェフに加入した指宿ですが、長らくラリベイが前線の軸としてプレーしていました。
2人で2トップを組む時期などもあったものの、1トップの試合では基本的にはラリベイがレギュラー。
怪我など一時的にラリベイが問題があるときには、指宿を使うといった状況だったと思います。
しかし、今年の第29節の水戸戦で指宿が1トップのスタメンを張ると、そこから第34節の横浜FC戦までスタメンの座を維持していました。
ただ、横浜FC戦で0-1で敗れると、愛媛戦ではメンバー外に。
そして、翌戦となる熊本戦で復帰して、ゴールを決めています。
愛媛戦で改めて感じたのは、やはりラリベイがいるとボールが収まるということ。
シンプルな縦パスでもキープして落としてくれるだけでなく、楔のパスの引き出し方もうまいので、パスコースを増やすことが出来る。
指宿も状況によってはキープが出来るものの、狭いエリアではボールを失ってしまうことが多く、細かい繋ぎから周りを活かすようなプレーは得意ではない。
ただ、ラリベイも今年で34歳ということで、衰えからなのか去年ほどの動きのキレはないように感じます。
テクニックや動きでカバーしている印象はありますが、プレスにも行けなくなってしまったし、縦へ抜ける動きも活発ではない。
そして、何よりもポストプレーが出来ても、それを活かせるようなチーム戦術が出来ていない印象です。
一方の指宿は細かなプレーは上手いとはいえないけれど、豪快な一発と個人での打開力がある。
熊本戦でのゴールも小谷がクリアボールの処理を失敗したところから指宿が拾って放ったシュートではありましたが、角度のないところから距離のあるミドルシュートを見事に決めています。
簡単に決まるようなシュートではないと思います。
指宿の起用理由の1つとして、そういった個人技での一発に期待しているところもあるのかなと思います。
チームとして組織的な崩しが出来ないからこそ、指宿のように1人でゴールを決めてしまう可能性を持ったFWの方が良いという判断なのかもしれません。
また、熊本戦では為田が不在だっただけに、余計に指宿の個人技が必要だったということでしょうか。
個人技での打開力は魅力があるものの、ポストプレーなど細かなプレーは苦手な指宿。
得意不得意がハッキリしているだけに、チームの状況や監督によっては起用しにくい面もある選手なのではないでしょうか。
その点で組織的に動けるラリベイの方が使い勝手が良いようにも思うのですが、今はラリベイの状態も上がらず上記のようなチーム事情もあって指宿の方が選ばれることが多いのかなと思います。
来年チームがどうなるのかはまったくわかりませんが、指宿としては「ラリベイが衰えたから出場できるようになった」ではなく、ラリベイを乗り越えてポジションを確立してほしいところではないかと思います。
そのためには、やはり雑なプレーを減らして細かなプレーにも継続的に絡めるようになることが必要なのではないでしょうか。
細かな仕事が出来なくても安定して驚異的な得点力を見せられるのであればそれが武器になるとも思いますが、そこまでではない選手だと思います。
状況によっては、来年の前線の軸として期待される選手になるのかもしれませんが、そのためにはもう一皮むけてほしいところではないでしょうか。
残り試合で更なる成長を見せられるのか。
それが見せられなければ他のFW補強という話にも繋がってくるかもしれませんので、指宿にとっては大事なアピール期間となってくるのではないかと思います。
細かなプレーの改善はもちろん、ラリベイの10ゴールに並び、追い越すことが出来るのかにも注目ですね。