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三木社長が辞任 後任は島田氏

【クラブ】役員人事の内定について(ジェフ公式サイト)


 突然のことで驚きましたが、11月30日付で三木社長の辞任が決定し、島田取締役が社長に就任することが決まったそうです。
 三木社長の任期は来年の4月までだったわけで、本来ならば役員人事には親会社の人事異動が絡んでくるためその時期に行われるわけですが、内部昇格をすることでこの時期の社長交代が実施できたということでしょうか。



 三木社長に関して振り返るのは簡単ではないですけど、まず経営面に関してJR系のスポンサーを増やしたという評価をされる方も多いように感じます。
 ただ、その分外部からのスポンサーが減り、クラブが目指している1つの自主自立の経営からは離れた印象があります。
 また、三木氏が社長に就任したのが08年4月ですが、広告料収入の総額も07年度13億4700万円、08年度13億2300万円、09年度14億3200万円、10年度13億7300億円と印象ほど大幅な収入増がされているわけではありません(09年に関しては赤字補填ではないか…とも感じます)。
 その一方で監督交代を多く実施したため、違約金を支払わなければいけないケースが多く、多額の特別損失が発生していました。
 最終損益では07年度まで約1億円ほどの黒字が2年間続いていたわけですが、08年度から特損4億円の1100万円の赤字、09年度は特損2億7900万円の6億3800万円の大赤字で、10年度は特損なしで3億1200万円の赤字となっています。
 違約金を差し引いても2年連続で3億円の赤字が出ていますので、このままのペースでいけば債務超過の可能性あり、13年からのクラブライセンス制導入によって、JFLへの降格も起りうる状態となっています。
 三木社長は先の監督交代会見でジェフリザを含む「不良債権」の整理によって、経営面を好転させたと説明していたので(ただ、黒字化したとは言っていないので、赤字は残っているのではないかと予想できますが)、気になるのは今年度の決算でした。
 ジェフリザだけでは予算を浮かせても数千から1億円ほどにしかならないとは思いますので、詳細が気になるところではあったのですが…。


 三木社長は自身の評価に関して問われると、ことあることに経営面をもっと見てほしいとおっしゃるわけですが、上記のように数字だけ見ればむしろ三木社長が就任してから経営面が悪化しております。
 ただし、それまでのジェフは選手を売却することで黒字化していた面もありましたので、そこをどう評価するか…というか、三木社長就任時には売るにしても売れる選手がいないという問題もあったと思います。
(逆に考えると少しずつ選手を売却していく…という発想は、改めて間違いとは言えないようにも感じます。今オフG大阪や広島が監督交代により、選手が一気に流出する可能性があるという報道を見ても。)
 とはいえ、経営面が厳しいにもかかわらず監督交代を頻繁に行って特損を出し、ベテランで年俸も安くないであろうカンテーラ組などを補強許可するなどの経営判断が正しかったのかどうか…という点は疑問が残るところではないかと思います。
 そこは強化面との兼ね合いも出てくるわけですが。



 一方、チームの成績面に関しても残念な結果にはなっていると思います。
 現在のジェフの成績は右肩下がりで下がっている状況で、結果だけ見れば散々な状況だと思います。
 今回の発表にもあるように、これまでの三木社長の発言を見てもJ2を…というか、サッカーを甘く見ているような印象も受けます。
 ただ、これに関してはサポーターも甘く見ているところがある印象を受けたこともありますし、もしかしたら選手もそういった部分があったのかもしれない。
 社長だけにその責任を問うとうのは、違うように思います。


 経営面同様に、07年オフに選手が大量に流出した直後に三木社長が就任したため、三木社長は苦しい状況でのスタートだったと思います。
 ただ、では前任の社長が全ての元凶かと言うとそれも疑問で、アマル監督の解雇と言うのが大量流出の直接的な原因だと思うわけですが、サポーターも明確にアマル監督には不信任を突きつけていたわけですからね。
 ようするに、クラブ全体に問題があったと私は思います。


 経営面、チームの成績面は、結果だけ見れば残念ですが、考慮しなければいけない部分も多いとは思います。
 ただし、それにしても4年もの年月の中で、長いトンネルから抜け出せなかった…という点は、さすがに残念だと思いますが。



 結果以外の面で、個人的に気になっていたのは、以下の3点です。
 まず第一に、サポーターとの関係。
 サポコミでも先の会見でも「戦力は整えました」という話や「怪我人がでて…」という言い訳ばかりをして、巻の会見でもピントの合わない話をしたり、ジェフリザを不良債権と言いきりそれを整理したことを自慢げに話してみたり(このあたりは以前まとめたものを)。
 今年初めのサポコミでも、どうにもサポと空気が違うというか、話の論点が噛み合っていない印象を受けました。
 淀川前社長の評判が悪かったたため、三木社長に期待されていたのはサポとの関係性の改善でした。
 その追い風に乗って、初年度などはやたらと評判が良かった印象も受けましたが、その後の距離感はむしろ離れていってしまったような印象を受けました。
 長年ジェフを追っていたサポの方に聞いても、「三木社長は自分を避けているのかな?」とおっしゃっていましたし、サポからの信頼を得られなかったですね。
 成績が落ち込む中での難しさはあったとはいえ、昼田さん退団時も「退団発表をしなかったのは昼田氏の意向である」と(その後HPで訂正)嘘の発表をするなど、成績以外にも信頼を得られなかった理由はたくさんあると思います。


 それに関連して、2つ目が現場介入に関して。
 ゴールをとった選手に社長賞の授与、FWを育てたいからという理由でユースにシューター専門コーチの導入(サポコミでは昼田氏があわててFW専門と訂正し、後日記者が現場で聞くと普通のコーチですよ…と答えていたなど噛み合っていなかった)、レディースチームのベンチ入り…などなど、三木社長は度々現場に直接的な関与していた印象を受けます。
 サポコミなどで話を聞いていてもご自身が独自でピッチ上の問題点を分析しているようにも感じましたし、かなり現場に直接かかわっているのかな…という印象を受けていました。
 サッカーに関して素人である社長が現場に関して直接モノを言えば、現場が混乱する部分も出てくるはずで。
 表に出ているだけでもいろんな話があるわけですから、内情ではもっと…という不信感もありました。


 そして、最後にチームの方向性の問題や、監督人事に関して。
 スポニチにも「3年半で監督5人交代」と書かれていてあ改めて文字にされると異常な人数だと感じましたが、特に疑問に感じたのはミラー監督から江尻監督への移行でしょう。
 この監督交代は三木社長主導であったという記事があります。
 この記事を鵜呑みにすることはできませんが、江尻監督が就任直後に昼田氏が退団し、神戸氏が正式にTDに就任する前に江尻監督の続投と「1年でJ1復帰」というノルマを決めてしまったことを考えても、三木社長が主導で様々なことを決めてしまっていたのではないかと(それこそJ2を舐めていた?)。
 昼田氏がGMから強化SDに役職を変えられ、神戸氏がテクニカルディレクターとなり監督人事に関しても「最終決定はクラブが行う」という話や「外国人補強に自分の権限はない」という話をしていたことからも、社長がある程度強化面も率先して決めていたのではないかと推測できるのではないかと思います。
 その結果が、方向性のブレと成績低迷、現在の混乱に繋がっているのであれば、非常に残念でなりません。



 三木社長のジェフでの実績を考えると、JRとの関係を深めたこと(ただ、その分古河や他のスポンサーとは疎遠になっている印象はあり、古河から主導権が変わっただけとも捉えられるのかもしれません)、ユナパへの移行を成功させたこと(ただ、ユナパ建設決定などに関しては前社長が尽力を注いだという話もあり、あくまでも三木社長は移行を担当されたのかもしれませんが)などが言えるかもしれません。
 ただ、それにしても失うものが多すぎた4年間だったように思います。


 しかし、このタイミングで辞任されたことによって、次期社長の島田氏は来期の準備はしやすくなったと言えるのではないでしょうか
 島田氏はこれまで「トップチーム、ホームタウン、マネジメント担当」の取締役で、営業本部長も務められていました。
 経営、営業面を任されていた印象で、サッカー経験もないはずですから、島田氏が経営面に専念してくれれば、現場としてもやりやすい状況になるのかもしれません。
 岡社長と祖母井GMがそうであったように。
 島田氏はサポコミなどでも真面目そうな印象を受け、木山氏というこれまでの監督人事からは少し考えにくい堅実な監督が候補にあがっていることからも、島田社長体制になって何かしらが変わる可能性はあるのではないかと思います。
 今はそれが良い方向に進むことを祈るばかりですね。
 最後になりましたが、三木社長、お疲れ様でした。