毎回恒例になってしまっていますが、湘南戦後の木山監督のコメントを取り上げます。
すんごく今更ですけど、基本、コメントや他の方の感想などは何も見ずにブログを書いて自分の考えをまとめてから、選手や監督のコメントやら他の方の分析を読んで、納得してみたり自分にはない見方で勉強になったり…というのが自然と流れになっていますので、ご理解いただければ。
先に他の方の意見を読んでから書くと、ついつい流されたり細かなニュアンスが似てしまったり、逆に違う意見のところだけ強く反応してみたりするので…。
ということで、今回も引用させていただきます。
木山隆之監督「ゲーム開始から、けっして悪いゲームではなかったと思うが、ボールは持てていたし、ただ前半はボールは持ってるんだけどなかなか相手の組織のなかにうまく入って行く回数が少なかった。」(J's GOAL)
わりと追い回されてそこから逃げる形でパスをつないでいた印象が強かったんですけど、一般的に見てそういう状況でも「持てていた」と言えるんですかね。
加えて、湘南は基本的にプレスからのショートカウンターで攻撃するサッカーですから、必然的にボールを持つサッカーにはならないことが多いんじゃないかと思います。
ですから、ボールを持つ持たないに関しては、土俵が違うというか。
サッカーの狙いが違うので、ジェフがボールを持つサッカーをするのであれば、そこから崩すとかリズムを突くとか、「ボールを持つ」ことでいかに自分たちに有利な展開に試合を運べるかが重要になってきますね。
そのあたりの話に関連して。
前半攻めあぐねた原因は。
「ボールを動かすテンポがちょっと遅かった。あと、外から見ていると間のパスを入れていけるんじゃないかと思って見ているが、やはりプレーしている選手からするとカウンターも鋭いしそこで引っかけられたくないという意識が強く働き、ワンテンポプレーが遅れてしまう。そのあいだにまた相手にしっかりとスライドされてしまうということだったと思う。もうちょっと勇気をもって入れていってもよかったのかなと」
ボールを持っても攻めきれなかった原因として、上記のようなお話をされています。
「テンポが遅かった」ことと「勇気を持って(ボールを相手の間などに)入れきれなかったこと」の2点に問題があったというように考えられているようですね。
ボールを持つサッカーをしつつも、なかなか相手の守備が安定している状況ではカウンター以外で点が取れないジェフにとって、このあたりの発言は気になるところです。
ただ、ではなぜボールを動かすテンポが遅かったのか。
そもそもテンポの速いパスワークというのが、出来ていた試合があったっけ?という疑問もあります。
テンポの速いパスワークをするためには、それなりに選手間の約束事や連携などが必要になってくるのではないかと思います。
例えばCBがボールを持ったときに、どうやってボランチが絡んでくるのか。
この試合でもサイドからのパスが繋げなかったため、ボランチが下りてきてSBを前にあげよという動きをしていましたけど、相手が3トップということもあってCB2枚とボランチ1人では同数になってしまっていましたし…。
あるいはサイドでパスを回しているときに、ボランチがどうサポートするのか。
近づいていって数的優位を作るのか、それともサイドチェンジへの動きをフォローするのか。
パスサッカーを本気で極めていくのなら、そのあたりのサポートや細かなポジショニングの修正が重要だと思うのですけど、そこまで徹底している印象もなく…。
CB2人がくさびのパスを出せるので、ショートパスでの展開ということになると、そこに頼ってCBから縦に出して落として拾うというパターンばかりになっているような気がします。
結果的に攻撃の軸としては考えているのであろう兵働が、うまくパスワークに絡めていないことも多いですからね。
もちろん一発のスルーパスなどは、決めてくれることもありますけど、それもチームにおいての自発的なパスワークの流れからというよりは、偶発的なモノが多い気がしますし。
パスをつなぐけれども、アタッキングサードを見ると縦に速い攻撃を目指している印象のある今期のジェフ。
その結果、中盤の構造というものが、なかなか定まらないような印象もあります。
最終的な落としどころはカウンターなのかな?と夏場などは感じていましたけど、選手たちが動けるようになってまたパスサッカーの色気が出てしまっていたりもするんでしょうか。
現状だとどっちつかずな印象があり、その結果攻撃においての強みというのがなかなか感じられない印象もあります。
最後に勝負にこだわるためにも、はっきりと攻撃のパターンというのが出来てきて欲しいところですね。