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4-1-4-1の課題と4-2-3-1の有用性と

 昨日行われた日本代表対オーストラリア代表。
 日本代表が2-1で勝利という結果になりました。
 試合序盤は日本代表が岡崎、武藤などのスピードを活かして、積極的に相手DFラインの裏を付けていました。
 前半9分には最終ラインから本田に縦パスを当てて本田、遠藤、高徳とワンタッチでパスをつなぎ、右サイドをえぐる形も出来ており、ポストプレーを絡めた攻撃も出来ていた。


 しかし、前半途中から、相手に攻め込まれて厳しい状況になってしまいました。
 相手のウイングが中央に入ってくる動きによって、1ボランチの脇のスペースを使われてしまうこと。
 そして、その動きにSBがつられて、サイドが空いてしまい、そこにSBなどが攻め込んでくること。
 長谷部の1ボランチが相手の高さに苦しみセカンドボールなどを拾えないこと…などによって、最終ラインが押し下げられてしまった印象です。
 最終ラインが押し下げられてしまったから、前のプレスもかからず1ボランチ脇もますます空いてしまい…といった悪循環に陥って行った印象です。


 これによって、攻撃面でも課題が出てしまった。
 本田にボールを集める日本ですが、なかなか良い状況が作れない。
 本田へのサポートが少ないだけでなく、他選手の前への意識が強すぎて、中盤がいなくなってしまう状況に。
 後方でも長谷部が最終ラインまで下がってボールを受ける形をとっていたわけですが、最終ラインが下がってしまい、その分他選手との距離感が空いてしまった。
 そのため序盤のように、縦への良いボールが最終ラインから出せなくなってしまいました。 



 そこで前半途中から遠藤を1列下げて、4-2-3-1のフォーメーションに変更。
 守備では1ボランチ脇を使われることもなくなり、攻撃ではDFラインからボールを引き出し、縦にパスを出せる形が作れるようになっていきます。
 さらに後半からは遠藤に変えて今野を投入。
 中盤でボールを奪える選手が入ったことで、より守備が安定しました。
 後半からは長谷部がボランチの位置でサイドチェンジを積極的に行うことにより、相手を揺さぶることが出来ましたね。
 

 そして、CKから今野がフリーでゴールを決め、それ以降は日本代表のペースだったと思います。
 高さはあるのにああいった場面で相手をぽかっとフリーにして失点してしまうのは、オーストラリアらしいミスですよね‥‥(笑)
 オーストラリアは前半かなり中盤で激しく戦ってきましたが、後半に失速。
 前半から飛ばし過ぎて持たないというのも、オーストラリアらしいのかもしれません。



 4-1-4-1で修正しきれなかったことは残念だと思います。
 4-1-4-1に無理にこだわる必要もないと思いますし、それだけがこのチームの可能性とも言えないはずですが、今後もこれをメインでやっていくのではないでしょうか。
 うまく使い分けられればいいのでしょうが、そこまで器用にできるかどうか。
 それも見越してのインサイドハーフ細貝だったのであれば凄いとも思いますが、ゲームメーカー枠も欲しいところとなりますし、難しいところですね。
 日本代表としてはオーストラリア代表がこのタイミングでしっかりと日本代表を研究してきて、1ボランチ脇を突いてきたことはとってすごく良い機会になったとも言えるのかもしれません。
 勝ったとはいえ、特に前半は本番でよかったと思える内容だったかなといった印象です。


 結果的に4-1-4-1から4-2-3-1に移したことで、トップ下香川を試せたこと。
 そして、本田が比較的守備の負担が少ないとも考えられる4-1-4-1の右ウイングから4-2-3-1の右SHにナチュラルに移行できたことは、今後において意外とプラスになるのかもしれません。
 ただ、最後に本田がつめきれずにフリーでクロスをあげられ、ケーヒルにやられてしまいましたが。
 ああいった守備が多いのであれば、本田の右SHも不安が出てしまいますが、それは4-1-4-1でも言えることだろうと思います。
 ミランでもサイドをやっているのですから、ここは本田本人が修正していかないといけない部分ではないでしょうか。
 


 一方で後半は総じて内容は悪くなかったと思います。
 4-2-3-1でもプレスをかけられていたし、攻撃においても縦に出して落として、オーバーラップした選手を使うという連動した動きが出来ていた。
 この辺りがアギーレ監督の特徴ではないかと思います。
 また、香川はやはりトップ下で周りにスペースを与えたほうが機能すること、オーストラリアのような強さのある相手には今野のような存在が必要であることも再確認できたように思います。
 遠藤を変えて今野にしたのは、今野の守備に期待したのはもちろんのこと、遠藤のボランチでは守備面に不安があるという部分も大きかったのではないでしょうか。


 しかし、守備においては、試合全体を通してやはり押し込まれると弱いことは変わらないのかなと。
 サイドの守備とクロスへの対応は、長らく日本代表の課題となってしまっていますね。
 ここを改善できるかどうかが、今後の目標ということになってくるのではないでしょうか。



 4-1-4-1の課題と4-2-3-1の有用性と、トップ下香川や今野の守備など、様々な課題と収穫が見えた試合だったと思います。
 テストマッチらしいテストマッチになったと思いますし、オーストラリアのマッチメイクは予想以上に成功だったと言えるのかもしれません。
 日本代表と同レベルに近い相手で、かつアジアカップ前だったために相手も本気で来てくれたからこそ、見つかった部分も多かったのではないでしょうか。


 ただ、問題はそれらの課題と収穫を、1つの形にまとめあげられるかどうかということになるのではないでしょうか。
 それに関しては正直まだまだ不安というか、今まで多くの選手をテストしてきたアギーレ監督なだけに、見えてこない部分もあると思います。
 しかし、ここにきて一段の完成形には近づきつつあるのかなとは思いますし、アジアカップで一つの形が見られるかどうかが注目ということになるのではないでしょうか。