北朝鮮代表に選出されたジェフFW安が、日本代表相手に戦う試合を楽しみにしていましたが、残念ながらベンチ外でした。
どうも怪我という情報もあるようで、その影響ではないかと思われます。
スロベニア代表に選出されたFWペチュニクを見てペチュニクのプレースタイルがわかった部分もあったように、他チームで戦う選手を見ると新たに得られる情報もあると思います。
特に安も新加入の選手ですから代表でどういったプレーを見せてくれるのか期待していたのですが、怪我ということなら仕方がないですね。
ちなみに、EURO2016予選は9月上旬に実施されますので、またペチュニクが離脱となる可能性もあるでしょうね。
北朝鮮戦の日本代表に関しては、前線に川又、永井、武藤、宇佐美、ボランチに山口、谷口を起用しているところからも、前へに強い、速いというコンセプトが基本となることを改めて感じました。
もちろん今回はベストメンバーではなくテスト的な意味合いが強かったという部分はあったとしても、チームとしての方向性は見えてくる部分があると思います。
かなりアタッカーが多く、ボランチもパサーよりも前に行ける選手や潰せる選手を重視する。
CBも高さよりスピードを、チョイスしているように思います。
その結果、攻撃では前への勢いがある状況ならいいのですけど、一度止められてしまうとそこからの形が作れなかった。
具体的には前に持ち込めて止められて、バックパスの後にどう展開するのか…といったところに課題を感じました。
また、無理な縦パスも多く、そこからボールを失いカウンターを受けることも非常に多かったですね。
そこは選手の判断能力の問題というのも大きいとは思いますが、戻した後にどう展開するかに関してはチームとして作らなければいけない部分もあると思います。
守備においてもこれだけアタッカーが多くなったこともあって、前半から前へのプレスやサイドの守備に課題を感じました。
試合途中から北朝鮮が長いボールを使うことが増えて行って、CBに高さのない日本代表はさらに押し込まれる展開に。
結局、北朝鮮の高さにやられて、1-2の逆転負けとなってしまいました。
CBにも高さよりスピードを求めるのであればもっとコンパクトに戦わなければいけなかったと思いますし、そのためにはパスの出所を抑えなければいけなかったはずです。
暑さなどもあって動けなかったという部分もあるのでしょうが、前線のあのメンバーではプレスやサイドの守備に関して無理があったのではないでしょうか。
相手後方からのボールの出所もサイドからのクロスの出所も抑えきれていないことが多かったと思いますし、そのあたりから守備で後手になる時間が増えていったように思います。
高さのあるCBを起用したとしても、日本代表は世界的に見れば空中戦に強い選手は少ないと思いますし、いかに出所を抑える守備を構築していくかというのは極めて重要なところではないでしょうか。
これはハリルホジッチ監督就任前からの課題になっている印象で、日本代表は守備に穴のあるチームになっているのでしょうか…。
元ジェフでは米倉、倉田、水本が選出されました。
米倉に関しては、あのお喋り好きなハリルホジッチ監督が「まだよく知らない選手」といっていましたから、協会スタッフなどの推薦だったのではないでしょうか。
特徴あるSBである米倉のプレーをしっかりと見て、「よく知らない」とは言わないのではないかと思いますし。
そして、この試合では湘南の遠藤が本来のポジションではないSBでプレーしたことを考えても、SBには守備能力を要求する監督なのかもしれません。
遠藤は長いボールの精度も高く一対一にも強くて前への攻撃参加も鋭いということで、元ジェフでいえば阿部と水本を足して二で割って器用にしたような選手ではないかと思います。
この試合でも先制点をアシストしただけでなく、対人守備でも粘り強く対応し、ビルドアップにも貢献できていたのではないでしょうか。
CB、ボランチなどでは十分期待できる選手ではあったと思うのですが、SBでもこれだけできたということはこの試合での大きな収穫と言えるのではないかと思います。
個人的にはとても好きな選手というか、将来に期待したい日本人選手の1人ではないかと思います。
育成年代がうまくいっていないという話もありながら、こういった選手が出てくるのだから、まだまだ日本も捨てたものではないですよね(笑)
過密日程の中まだ2試合あるわけで米倉にもチャンスはあるかもしれませんが、大きなライバルと言えるのでしょう。
日本代表全体においては、そこまで大きな心配はしていません。
決して甘く見ているわけではないですが、今のアジア枠の数などを考えると大きくチーム作りに失敗しなければW杯出場は可能だと思いますし、若い選手たちも決していないわけではない。
ただ、日本代表には日本を引っ張っていくチームになっていってほしいと思いますし、そういった意味で現チームがどこまで国内のチームの指標となるようなサッカーができるかどうか。
そういった意味で、まだもう少し様子を見ていきたいところではないかなと思います。