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4-1-4-1の穴を突いて3-0で勝利

 W杯アジア予選、日本代表はシンガポール相手に3-0で勝利しました。
 前回対戦した際はスコアレスドローに終わりましたから、リベンジを果たしたともいえるのでしょうか。
 やはり単純な力の差は、はっきりしていたと思いますが。



 シンガポールは4-1-4-1のフォーメーションで、日本が後方でボールを持っている状況でのバランスは悪くなかったと思います。
 インサイドハーフ2人が日本のボランチについて、アンカーがその後ろをカバーをしつつトップ下の選手を見る。
 スペースを与えないために全体が後方に構えがちではありましたが、相手との実力差を考えれば仕方のないところなのでしょう。
 ポジショニング調整も細かく行われており、綺麗な4-1-4-1だったと思います。
 この辺りは前回対戦時にも感じたたところ。


 しかし、一度後方にボールを運ばれると、弱さがあった。
 日本側も前回対戦で悔しい思いをしていることもあって、かなり研究してきたのではないでしょうか。
 特に左サイド後方から右サイド前方の本田へのボールが多く、そこから相手を押し下げていった。


 シンガポールはサイドの奥を攻め込まれると、インサイドハーフもサイドに出て行ってしまい、アンカー脇に大きなスペースが出来てしまう。
 その動きに対してアンカーが穴を埋める動きも出来ておらず、特に長谷部のマークが空いてしまった。
 サイドを攻めて、長谷部に一度戻して、そこからゴール前へチャンスメイク。
 これがうまく出来たのが、2点目のシーンだったと思います。



 これまで「ともかく前へ」という意識を強く感じることが多かった日本代表でしたが、このシーンでも一度戻して中盤を作って攻略するなど、この日はパスの意識も強いサッカーが出来ていたと思います。
 柏木や清武などを使ったこともあって、そういったサッカーになった部分もあるのかもしれません。
 こちらの方が結果的にストレスも少なく、日本のサッカーにあった戦い方をしている印象があります。


 しかし、例えばウイングがポストプレーをした時に、誰が受けるのかはっきりしないシーンが多かったり。
 前半上手くいったせいか後半はサイドチェンジのボールばかりになってしまったりと、パスワークの細部には課題を感じました。
 やはりハリルホジッチ監督は、本来パスサッカーの監督ではないということなのかもしれません。
 そうなってくると、今後その方向で行けばザッケローニ監督と同じような悩みや壁にぶつかる可能性もあるのかなと感じてしまいます。



 チームとして新しい何かに挑戦するのか、それとも良さを伸ばしていく形にするのかといった点で、ザッケローニ監督は前者だったのかもしれません。
 けれども、守備の強化も出来ずに苦み、結果的に中途半端になってしまった。
 それもあって後者を狙ってアギーレ監督だったのではないかと思いますが、今後ハリルホジッチ監督には何を期待するのか。
 決して悪いチーム状況ではないようには思いますが、ここからどこまでとチームを引き延ばせるかが気になる状況となってきたのではないでしょうか。