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現在2位、谷澤擁する"走る町田"

 サッカーとは関係のない話ですが、先月末『ファイナルファンタジー15』の発売日が9月30日となったことが発表になりました。
 今回の作品で「FFを挑戦者に戻す」ということで、強い決意を感じました。


 『FF』のナンバリングタイトルは『ドラクエ』とは異なり基本的に一作品完結となっているため、各作品でストーリーや世界観が異なります。
 また、多くの作品が制作されているため、製作スタッフも入れ替わっています。
 そのため「FFらしさとはなんなのか」といった議論が、ファンの中でも良くされていました。
 それに対して、今回ディレクターに抜擢された田畑氏は「考える人によって違う」と前置きしつつ、「FFらしさとは挑戦者であること、規格外であること、最先端であること」と答えています。



 ジェフもクラブとしての方向性が定まらない結果、迷走している印象があります。
 強かった頃のジェフは、チャレンジャー精神があって、育成面で長けており、東欧路線が成功していたクラブだったと思います。
 しかし、現在は"ジェフらしさ"といったものがぼやけていて、何が特徴なのか、どこがクラブとしての武器なのか曖昧になっているように思います。


 では、なぜそういった、"らしさ"や"方向性"が失われてしまったのか。
 田畑氏は「もともとFFはドラクエに対しての挑戦者だった」と話しています。
 そもそも『FF』は『ドラクエ』の成功もあって開発されたゲームであり、当時のスクウェアが倒産寸前だったため『ファイナルファンタジー』という名前を付けたという噂もありました。
 しかし、現在は『FF』のスクウェアと『ドラクエ』のエニックスが合併し、『FF』も大ヒット作品となってどこかにおごりもあったのかもしれません。


 近年は海外メーカーが力をつけてきており、欧米はおろか国内でも日本メーカーは苦戦しる印象です。
 『FF13』は評価の面でも芳しくないものが多く、FFブランドにも陰りを感じるところがあります。
 それだけに今回は世界レベルで『FF』が「挑戦者」となり、再びトップクラスの作品であることを証明したいという意気込みなのでしょう。



 ようするに、環境の変化が"らしさ"や"方向性"を失わせてしまっていたと。
 ジェフも以前は予算がなく、スタジアムや施設も厳しいものだった。
 だからこそ、挑戦者として戦い、若手を育て、東欧から名将を招聘してチームを育成してもらおうという工夫あるチーム作りが出来ていたのだと思います。


 しかし、JR主導になって予算も増え、フクアリやユナパなど立派な施設も手に入れた。
 それによって、"ジェフらしさ"の前提だったものが結果的に失われてしまった。
 「チームは生き物」と言われるほどですから変化があるのは当然のことですが、新たな"ジェフらしさ"を確立できずにここまで来てしまったように多います。


 ジェフに関しては何度か話してきたことなので深くは述べませんが、個人的に『FF15』に期待できているのはそういった強い決意があったからこそなのかもしれません。
 「挑戦者」として世界で通用する『FF』を、再び見せてほしいですね。



 さて、今週末ジェフと対戦する町田も、今季ここまで挑戦者という立場で成功しているチームです。
 今年J2に昇格し、5勝1敗1分で2位。
 現在5連勝と勢いに乗っています。


 町田の特徴はともかくコンパクトなサッカー。
 4-4-2で前線から積極的にプレスをかけ、最終ラインも高く維持。
 運動量豊富なチームで寄せも早く、選手1人1人が走れている印象です。


 攻撃ではともかく縦に速く展開する。
 縦パスが出ればそこに2人、3人とオーバーラップを仕掛けていき、素早くシュートまで持ち込む。
 特にサイドからの攻撃が、狙いの1つなのかなと思います。



 選手たちがさぼらず懸命にプレーする姿が印象的で、遅攻などはあまり考えず自分たちのできるサッカーをする。
 あくまでも「挑戦者」といった印象で、そこが今はうまくいっているのではないでしょうか。
 昨年の金沢も思い出す快進撃ですね。


 ただ、戦術的には昨年の金沢の方が、興味深く感じていました。
 サイドに追い込んで若干SHとSBが前に出ることで、後方でボランチやCBがパスコースを消しながらカバーをする守備組織。
 それと比較すると、町田の方が運動量をベースにしたシンプルなサッカーになっているのではないでしょうか。


 それだけに、夏場は心配な部分もあるのではないかと思います。
 また、ここ2試合は相手チームがロングボールを使ってプレスを回避し、コンパクトな町田を左右に揺さぶる狙いも見せてきました。
 それに対してどのように対応していくかが、今後の注目点ではないでしょうか。



 このチームで何よりも一番の驚きは、谷澤がしっかり走っていることではないかと思います。
 相手SBにプレスに行くために長い距離を走るだけでなく、戻っての守備もして、守備のための細かなポジション修正もしている。
 十分に"走る町田"の一員となっている印象です。


 昨年は特に動きが重そうに見え、走力が足りず序盤のハイプレスにもついていけず、守備をさぼることも多かった印象だっただけに、大きな変化を感じます。
 ここまで全試合スタメン出場しているものの、フル出場はなし。
 しかし、それだけしっかりと、最後まで走れているということなのかもしれません。
 相馬監督が良い仕事をしている、ということなんでしょうね。



 ジェフからはレンタル移籍ということなので、ジェフ戦に出場できるかどうかはわかりません。
 あくまでも契約上はジェフ所属選手ということになるはずですから、そこは仕方のないところもあるとは思います。
 ただ、出来れば町田で活躍する谷澤のプレーを、この目で見たいところですね。


 なお、元ジェフの戸島はここまで5試合に出場し、第3節からの3試合はスタメン出場を果たしていました。
 しかし、ここ2試合は残念ながら負傷欠場となっています。
 戸島も怪我に悩まされることの多い選手ですね…。



 ジェフとしては相手のプレスをかわしつつ、裏を狙う展開となるのでしょうか。
 町田は高い位置で奪ってのハーフカウンターに怖さがあるチームだと思うので、そこも警戒しなければいけません。
 前節スタメン復帰した井出や吉田、富澤などを、どのように起用するのかも気になるところですね。


 ジェフはホーム2連戦となりますし、その分有利に戦える可能性があると思います。
 逆に町田はアウェイ2連戦。
 前節はアウェイで最下位山形と対戦し、1-0で勝利をあげています。



 ジェフはここまで、相手の順位が結果に左右されている状況になっています。
 まとめるとこんな感じに。


勝利:徳島(19位)、横浜FC(11位)、松本(14位)、金沢(21位)
引分:群馬(16位)
敗戦:岡山(7位)、C大阪(1位)
 横浜FCや松本がここにきて勝点を伸ばし順位も上げてきていますが、ほぼ相手の順位に合わせた勝敗に。
 特に一桁台のチーム相手には2戦2敗となっています。
 今年は昨年以上にリアクションサッカーといった印象が強いので、相手の出来によって成績が左右されるところがあるのではないでしょうか。
 しかし、順位を上げていくためには上位チームにも結果を残したいところですし、2位につける町田相手に結果を残すことは重要となってくるのではないでしょうか。


 最終的には自分たちのスタイルを確立して、相手の状態に関わらず結果を残せるチームになることが理想だと思います。
 前節は金沢対策がうまくはまって勝利をあげた試合だったようにも思いますが、町田戦もそのような試合になるのか。
 相手チームに対して徹底した対策を取ってリアクションサッカーで勝利を狙うというのも1つのスタイルではあると思いますし、今後もその方向で行くのかどうかも今後の注目点の1つになるのではないかと思います。