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オナイウの同点ゴールで1-1の引き分け

 先週末から熊本を中心に九州地方で大きな地震があり、甚大な被害が出ています。
 私も母方が福岡出身で、九州には何かと縁があります。
 また熊本といえば巻も含む熊本の選手たちも心配でしたが、選手たちの無事が確認されたそうです。


 日刊によると巻は避難者を誘導するなど、自身も被害を受けながら周囲のサポートもしているようです。
 こういった有事にこそ、その人の性格が出るのかもしれませんね。
 避難先に巻のような人がいたら、頼もしいのではないでしょうか。
 現在熊本のホームスタジアムが物資輸送の拠点となっているようで、今後チームがどうなるかはわかりませんが、まずは震災の影響が少しでも早く落ち着いてくれることを願います。
 改めて、被害にあわれた方たちに心よりお見舞い申し上げます。
■スムーズなサイドの崩しから町田が先制
 先週1-0で金沢に勝利したジェフは、前節と同じ11人。
 ベンチからは小池が外れ、北爪が入りました。
 小池はアクシデントでもあったのでしょうか。


 町田も前節山形戦と、同じメンバー。
 ジェフからレンタル中の谷澤も、スタメンに名を連ねました。
 町田は連勝中ということもあって、戸島が負傷して以降はスタメンが変わっていません。
 また右SB星野、CB深津なども負傷中のようです。



 この日は風が強く、ボールが落ち着かない状況。
 その中でもジェフは長いボールを前線にけって、船山をポイントにして仕掛けようという形。
 町田は中盤で前を向く選手を作り、そこから縦にグラウンダーのパスで攻撃を作ろうという形でした。


 中盤でのせめぎあいが増える中、10分に町田が先制。
 左サイドでパスをつないでいって、ジェフの守備陣を完全に崩し、土岐田がペナルティエリア脇を縦に侵入してグラウンダーのボールを蹴りこみます。
 このボールを、中央で鈴木孝司がコースを変えてゴール。



 町田のサイドからの崩しでしたが、人とボールの動かし方が非常にスムーズでした。
 まず左サイド後方の谷澤から前方の土岐田にパスをつなぐと、土岐田がカットイン。
 これによってジェフの左サイドが中央につられて、サイドのスペースに侵入した谷澤にボールが入ると、今度は中から外に出て行った中島にパス。


 谷澤が再びサイドで受けなおすと、森村が中央からサポートしてボールを受けます。
 中島、谷澤、森村のパス交換によって、今度はジェフの守備陣がサイドに釣り出されます。
 これによってカットインの流れからペナルティエリア脇にいた土岐田が完全にフリーになって、仕掛けることができた。
 ジェフとしては左サイドで中へ、外へと釣り出されて、そこからやられてしまったことになります。



 スコアが動いた後も、両チームの狙いは大きく変わらず。
 ジェフは町田のプレスを警戒してか、後方から長いボールといった展開が多かった印象です。
 特に船山の動き出しから、攻撃を作るパターンが多かったと思います。


 19分には、ジェフの決定機。
 町田のセットプレーからの展開で、ジェフが跳ね返し田ボールを相手DFが後方でクリアミス。
 これを井出が拾って中央でドリブルで持ち込んでためを作り、船山へ展開。
 船山がシュートを放ちますが、ゴール左隅を逸れます。



 失点してからの時間帯は、若干ジェフペースだったのではないかと思います。
 町田は船山の動き出しに苦労してか、前節までのような前からのプレスがうまくはまらなかった。
 後方のラインを下げられた状況で前へチェックに行こうとすることで、その後ろにスペースができてしまう。
 しかし、30分あたりからは、落ち着いて対応できるようになっていった印象です。


 34分にはジェフのチャンス。
 大外の阿部から長い距離のクロス。
 これを吉田が受けますが、シュートは大きく枠を逸れます。



 37分には町田のチャンス。
 セットプレーの展開から、最後は左サイドの谷澤がシュート。
 しかし、シュートは力なくGK佐藤の正面。


 41分にも谷澤がゴールを狙います。
 鈴木孝司が左サイドからのクロスに谷澤が飛び込むも、間に合わず。
 しかし、FWが流れて谷澤が飛び込むという展開は、町田の狙いの1つだと思います。


 44分も町田の攻撃。
 李から鈴木崇文に縦パス。
 そこから鈴木孝司が裏を取って、シュートを放つも大きく枠を逸れます。
■土壇場でオナイウがゴール
 0-1で迎えた後半。
 50分、ジェフがゴール前で得たFKを阿部が直接狙いますが、バー直撃で相手がクリア。
 そのプレーで得たCK、富澤が頭で狙いますが、決めきれずCKへ。
 そのCKも船山が足元で狙いますが、相手選手にブロックされて終わります。


 松本は58分、早くも選手交代。
 三鬼に代わって松本怜大を投入。
 土岐田が右SBに入って、松本が左SBに移ったようです。



 60分、ジェフの攻撃。
 町田のCKをしのいだ展開から、阿部がダイレクトで縦パス。
 左サイドで船山が裏を走って中央の井出につなぎますが、相手がブロック。
 

 65分には、町田の攻撃。
 中島がバイタルエリアでキープして、森村が裏に飛び出します。
 ゴール前で鈴木崇文鈴木孝司がゴールを狙いますが、合わせきれず。



 ジェフは69分。
 吉田に代えて、エウトンを投入。
 72分には多々良に代えて、北爪を起用します。


 後半立ち上がりはジェフが勢いを増していこうといった印象でしたが、それを町田がしのぐと70分あたりから試合は膠着状態に。
 77分には、船山に代えてオナイウを投入。
 79分、町田は谷澤を下げて重松を投入します。



 ここからジェフは、さらに攻撃の手立てがなくなります。
 船山が交代したことで、前線でボールを引き出す選手がいなくなってしまった。
 1点ビハインドで試合を動かしたい状況だったはずのジェフですが、攻撃面で膠着状態に。


 逆に84分にはひやっとする場面も。
 町田の左サイドからのクロスが流れて、GK佐藤が対応するためペナルティエリア外まで出て行きますが、相手に奪われます。
 そのまま中央に持ち込まれますが、最後は何とかジェフの選手がブロック。


 このまま試合終了かと思われた、後半アディショナルタイム
 ジェフ後方からのロングボールのこぼれ球を、中盤で拾って左サイドの阿部へ。
 阿部がセンタイングを上げると、オナイウが頭で合わせて1-1に。
 そのまま試合終了となりました。
■攻撃のギアを上げられない問題
 船山に代えてオナイウを投入した交代策は、失敗ではないかと思っていました。
 それもあって、後半途中からは動きの少ない試合となった印象です。


 この試合はジェフが序盤から町田の裏を突くことで攻撃を作り、相手の最終ラインを押し下げていた。
 そこでポイントとなっていたのが、ボールを引き出すのが得意な船山でした。
 町田は船山の動きに、てこずっていた印象です。



 ジェフとしては、後半からサイド攻撃を狙っていたのでしょう。
 だから、北爪を投入してサイドを活性化を狙い、エウトン、オナイウを起用してクロスのターゲットを増やした。
 意図ははっきりしていたと思います。


 町田は全体のラインが下がっていたこともあって、サイドの守備が後手になっていた。
 町田はSHが相手SBを、SBが相手SHを追う形ですが、ラインが下がっていたことでSHが追う距離が長くなり、そこから守備で苦戦することが多かった印象でした。
 そこで前半途中からあまり無理をすることがなくなり、ジェフのサイドにボールを持たせる状況になっていったように思います。


 それによって後半から、特に阿部を自由にさせすぎていて、そこから攻撃を組み立てられていました。
 それを見たジェフは、サイド攻撃に移行。
 SPの北爪、クロスのターゲットとなるエウトン、オナイウと投入していったのでしょう。



 しかし、元をただせば相手のラインが下がってサイドが空いたのも、前線で船山が相手の守備を混乱させたからこそ。
 阿部からのボールを引き出せていたのも船山だったことが多かったわけで、その船山を下げたことでビルドアップの起点が失われてしまった印象でした。
 最後は結果的に良い方向に結びついたので良かったものの、船山を下してからのジェフの攻撃は苦しいものがあったと思います。


 一方で町田はラインを下げさせられたことによって、ここまでの試合のように高い位置でボールを奪う展開が少なかったように思います。
 また、攻撃のサポートの距離も広がった結果、カウンターの人数も少なかった。
 そのあたりがジェフが一失点で済んだ要因ともいえるでしょうし、コンパクトなサッカーを目指す町田相手だったからこそ、相手のラインを下げることに成功した利点というのは大きかったと思います。


 町田は得点シーンのようにうまく人数をかけられたときの攻撃は、鋭さがあり連携も整っていたと思います。
 しかし、その回数をあまり作れなかったことが、この試合が引き分けで終わった要因ではないでしょうか。
 ここ数試合、町田対策も明確になっている印象ですし、今後はこういった試合が増えていくのかもしれませんね。



 ジェフに関しては、やはり攻撃の迫力が足りない。
 この試合でもボールを持つ時間は多かったものの、チャンスはあまり多くなかった印象です。
 船山や井出、小池など縦に鋭い選手はいる。
 けれども、昨年に比べて選手のバリエーションは豊富ではない印象も受けなくもありません。


 昨年はタメの作れる谷澤、パワーのあるペチュニク、サイドを仕掛けてクロスの上げられる水野。
 シーズン途中からは空中戦に強いアンや、ゴールに走りこめる松田もいました。
 それだけ選手のバリエーションは、多かったように思います。



 今年は関塚監督の意向もあってか、縦に速い選手が多い印象に。
 その結果、よく言えばまとまりのあるチームに。
 しかし、悪く言えばチーム構成上は幅の少ないチームになり、攻撃が一辺倒になりがちな印象もあります。


 そのため、攻撃に爆発力を感じないというか、ギアを上げられず淡々と攻撃しているように感じる試合が多くなっているように思います。
 特に関塚監督は組織的に攻撃を作るというよりも、選手の並びでどうにかするタイプなだけに、なおさら選手構成がそのまま試合に出る傾向にあるようにも思います。
 今回はオナイウがゴールを決めましたが、オナイウもまだチームにはまり切れてはいない印象です。



 今後オナイウなどを使って、攻撃のギアを上げる策を作れるのかどうか。
 ロースコアな試合が続くだけに、選手交代も含めて点を取れる形を持てるかどうかは極めて重要になってくるのではないでしょうか。
 まだ早段階ではありますが、今後も得点の手立てが少ない状況が続けば、夏の補強への期待も高まっていってしまうかもしれないですね。