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右肩下がりが続くジェフ ここからの挽回は

 水戸戦にも敗れて、2連敗となってしまったジェフ。
 これで順位も12位まで下がってしまいました。
 試合内容に関しても、迷走している印象を受けます。


 今年も開幕からの数戦は好調だったものの、4月に入って失速と昨年と同じパターンになってしまいました。
 2月3月は5試合で3勝1分1敗。
 しかし、4月の成績は1勝1分3敗と、大きく落ち込んでいます。
 開幕前から飛ばしていましたし、今年も早期に失速するのではないかといった不安は、あの頃からあったように思います。



 ここで、関塚監督が就任してからの月別平均勝点を見てみたいと思います。
 以前にも紹介したものを、一部修正したものになります。



 見ての通り、毎年スタート当初は成績が良い。
 あるいは戦い方を変えた直後は、成績が上がっていると言えると思います。
 しかし、その好調が短期間しか持たず、右肩下がりに低迷していくといった傾向が見て取れます。


 ここまではっきりと毎回右肩下がりのグラフが出るのも、珍しいことではないかと思います。
 まだ今年は開幕から約2か月しか経過しておらずデータとしては不十分ですが、それでも同じ兆候が出始めていると言えるのではないでしょうか。
 約2か月とは言え10節を消化し、シーズンで言えばもう約4分の1が経過していることになりますしね。



 就任当初の2014年7月は縦に速いサッカーへの変化だけでなく、カンフル剤的な効果も強かったのではないでしょうか。
 しかし、9月10月には大きく失速すると、10月には山口慶や幸野、勇人や町田といった走れてカバーリングが出来る選手を後方に並べて、引いて守るスタイルに変更。
 そこからケンペスなどを途中投入してのパワープレーで勝点を伸ばしましたが、11月にはすでに勢いに陰りが見えています。


 2015年初旬はハイプレス期で結果を伸ばしましたが、4月から失速するとそこから長らく低迷。
 8月には松田などが加入して、引いてカウンターに変更し一時的に成績が回復します。
 しかし、9月にはまた成績を下げていることがわかります。



 このグラフからわかるのは、チームに大きな変化を加えるなどして、一時の好調を生み出すことは出来る。
 それも1つの手腕と言えなくはないかもしれませんが、結局その時の勢いだけですぐに失速してしまう。
 ようするに短期間は成績が上がっていても、真の意味でチームの力を付けられているわけではない。
 チームに変化を加えることによって一時的なショック治療は出来ても、根本的な課題の解決やチームの成長は促せていないということだと思います。


 今でも2014年の評価は高いことがあるようですが、就任から9月末までの成績は決して良くなく平均すると鈴木監督が指揮した前半と平均勝点はほぼ一緒でした。
 確かに10月に成績を伸ばしたことは評価されるべきとは思いますが、11月に失速していることからしてもチームの地力が増したわけではなかった。
 実際の試合内容も勢い先行で、決して良いものではなかったと思います。


 あの頃の方がパスがつなげていたので、江尻コーチが良く小倉コーチに問題があるのではないかという意見もいまだにあるようです。
 しかし、あの頃のパスワークは、鈴木監督時代のものをベースとした左サイドを起点としたもの。
 実際2014年も徐々にパスワークは失われていましたし、鈴木監督の遺産が大きかったのでしょう。
 もちろん鈴木監督を継続すれば成功していたとは言いませんが、出来たことと出来ないことの評価ははっきりとすべきだと思います。
 結果的に鈴木監督とパスワークと関塚監督の勢いがうまく混ざり合って、成績が伸びた時期だったのではないかと私は思います。



 関塚監督の場合、短期的に勢いをつけるのは得意な監督なのかもしれません。
 ただし、2014年もプレーオフ時には息切れしていたように思いますし、決して特定の試合や時期に狙いを定めて勢いを付けられるわけではない。
 むしろ川崎時代から勝負弱い監督であることは何度も言われてきていましたし、勝負師タイプではないのでしょう。


 もう1つの問題は現在のジェフには、ベースがないということ。
 今年の選手入れ替えは顕著ですが、それまでもジェフはベテランが多く、チームとしての地盤を固められていない印象です。
 そうなってくると結果ももちろん大事ではあるものの、結果を継続的に出すためにもチームを成長させることができ、ベースが作れる監督が必要ではないかと思うわけですが、右肩下がりのグラフを見ても関塚監督は全く逆のタイプかもしれないということになります。



 ついつい関塚監督のまとめのような話になってしまいましたが、今年も4月の失速を受けて「またか…」と感じる方は多いのではないでしょうか。
 成績も厳しくなってきていますが、内容も含めて根本的な問題は昨年と大きく変わっていない印象で。
 そうなってくると、なかなか期待も持ちづらくなってくるように思います。


 今季は選手が大きく入れ替わって、新チームをどういった基準で見ていいのかわからないところがありました。
 ただ、どんなチームにせよ、チームの成長が期待できない、右肩下がりで状態が悪くなる…となれば、希望が持ちにくくなるのは自然な流れではないかと思います。
 しかも、それが今年に限ったことっではない…ということになれば、なおさらですね。



 まぁ、こうなる可能性は考えられたと思うので、その分大きな落胆はなく済んでいるところもあるかもしれません。
 個人的には今季はあまり監督に多くを期待しないことを前提として、チームを見ているところがあります。
 とはいえ、このまま停滞していけば、見ている方としてもさすがに辛いものが出てくるかもしれません。


 かといって、一部では監督交代の意見に出ているようですが、監督を変えれば劇的に状況が改善するというものでもないように思います。
 チームには流れと言うものがあり一度関塚監督でスタートしてしまった事実は変えられないわけで、チーム状態が劣悪な状況でバトンタッチしても後が辛いだけかもしれない。
 いくら良い監督に目星がついたとしても、今の状況が悪ければ水の泡となってしまいます。


 大きな決断をするのであれば成功する可能性を考えて実施すべきだと思いますし、タイミングや状況といったものもしっかりと考えた上で判断していくべきだと思います。
 そして、何よりもクラブとしてチームに何を求めるのか、クラブ首脳がどういったビジョンを描いているのか。
 その上でチームがあるべきだと私は思います。



 話は戻って現在のチームに関してですが、チームの熟成が難しいのであれば、ここからの一発逆転を期待して再び大きな変化にかけるのか。
 しかし、今季は昨年ほど選手のバリエーションも豊富ではないように思うので、変化を与えるのも簡単ではないようにも感じます。
 水戸戦でも大きな変化を期待してのスタメン変更だったのかもしれませんが、それにしても準備不足で博打的な要素が多すぎた。
 結果的にチームの崩壊を早めてしまったのかな…とも思います。


 そのあたりを踏まえて、讃岐戦でどう戦うのか。
 元のメンバーに戻したからといってまた元のサッカーが出来るかというと、そう単純なものでもないかもしれません。
 一度歯車が来るってしまえば簡単には元に戻せないでしょうし、選手にも迷いや不信感が生じるかもしれない。


 讃岐もここ3試合勝ち星がなく調子は下がっているように見えますが、まずは自分たちが地に足を付けたサッカーをしなければ。
 ホームですし、迷いのないサッカーが出来るように。
 崖っぷちに追い込まれた感もなくはありませんが、ここからの挽回に期待したいところだと思います。
 ここからの2連戦が、チームを左右する大きな別れ道となる可能性もあるのかもしれませんね。