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長谷部監督への期待と不安と

 改めて、新監督に長谷部氏が就任しました。
 長谷部氏は2001年に神戸からジェフに移籍。
 移籍初年度はボランチとして活躍しましたが、2年目にベングロシュが就任すると阿部、勇人などの台頭もあり、出場試合数が減少。
 そして、3年目にオシム監督が就任すると、リーグ戦出場はなくなり現役を引退。


 クレバーなタイプのボランチでしたが、どこか飄々としていたところがあった印象です。 
 引退後はゴルファーを目指すという話もあったはずですが、2006年から古巣神戸の下部組織コーチに就任。
 トップチームのコーチなども経験し、今年ジェフのコーチとなりました。



 しかし、ジェフでは関塚監督、小倉コーチ、里内コーチの関係性が強かったためか、長谷部コーチは浮いた存在になっているという話がたびたび出ていました。
 一時関塚監督がインカムを付けて連絡を取っていたのも、長谷部コーチでしょうか。
 神戸時代の木山コーチもそうでしたが、インカムの相手はスタッフ陣になじめないコーチが担当することが多いような気もします。
 本当に信頼できる相手は、横に置いておきたいでしょうしね。
 ただ、長谷部コーチは関塚監督解任となった時のバックアップとして掲載していたところがあったのでしょうから、それでよかったのかもしれませんが。


 小倉コーチなどの昇格ではなく、長谷部コーチが監督に就任したということですから、"継続"よりも"変化"を求めるということになるのでしょう。
 その分のリスクは多少あるかもしれません。
 しかし、現状のチームにベースを感じられないことを考えると、そのリスクも大きいものではないでしょうし、妥当な判断ではないかと思います。



 ただ、後任が監督経験のない長谷部氏ということで、正直そこには不安もあります。
 シーズンオフで候補は少ないとはいえ、川勝氏や松田氏、柳下氏などいるはずで、経験のある監督を招聘できなかったのか。
 まずは半年の契約で様子を見て、来期以降を見据えた決断ということであれば、仕方ないのかもしれませんが。


 長谷部コーチはシーズン中の交代も見越しての招聘だったのでしょうが、岐阜がラモス監督の後任として吉田氏を昇格させたことを見ると、あちらの方がうまくやったようにも見えます。
 吉田氏は元ジェフの選手でもあり、鳥栖でユン監督の後を受けた時も良いサッカーをしていた印象です。
 長谷部氏も元ジェフですがコーチ経験しかなく、神戸での高橋GMとのコネで招聘されたのでしょう。
 しかし、新米監督は指揮を執るまでどうなるかはわからないところがあり、短期間でも1度の経験があるかないかで大きく違うように思います。


 もちろん井原監督や名波監督のような成功例もありますが、小倉監督のような失敗例もある。
 ジェフも江尻監督に1年半指揮をさせて失敗した経験があるわけですから、ここはしっかりとこの半年で長谷部氏の手腕を冷静に分析して、来年以降の判断を決めてほしいところだと思います。
 そこが今は何よりも大事ではないでしょうか。



 また、新米監督ということで、しっかりとバックアップするためコーチ陣も重要になってくるはずです。
 単純に小倉コーチ、里内コーチも退任したということで、人数的にも足りない状況となっている。
 個人的には責任を全うするためにもお二人には残ってほしかった思いがありますが、セットでの契約となっていたのでしょうか。


 特に若い監督の場合はコネも少なく、大物指導者をコーチに置きづらいため、組閣が難しくなります。
 江尻監督の時は齋藤コーチ、米田コーチなどが在籍していましたが、お二人は江尻監督の意向が強かったのではないかと思います。
 齋藤コーチが経験が豊富で、米田コーチは当時のサッカー批評でのインタビューなどからして、戦術面でもかなり重要な存在だったのではないでしょうか。
 しかし、シーズン中ですからコーチの招聘も難しく、下部組織からの昇格も控えてほしいところではありますから、悩ましいところですね。



 長谷部監督に求められるのは、まず守備の立て直しということになるでしょう。
 攻撃に関しては今季は船山や長澤、井出や好調の町田など、個人で打開できる選手が多い。
 それだけに守備のベースさえ構築出来れば、大崩れしないのではないかとも思います。


 具体的に言えば、クゼ監督の後を継いた沢入代行監督のケースが思い出されます。
 あの時もクゼ監督時代には戦術のベースが確立されていない状況が続きましたが、沢入代行監督が指揮を執ってすぐ基本的な守備ベースが構築でき状況が一気に改善された。
 今回もまずは、シンプルでも確実なベースを作ることが重要なのではないでしょうか。



 成績面に関しては現在ジェフはPOと勝点8差で残り試合が17ということを考えれば、首尾良くPOに進出できれば御の字といったところではないでしょうか。
 最終順位に関しては他チーム次第というところも大きく、来期終盤のようにPO争いのライバルが揃って停滞する状況になれば、チャンスも出てくるかもしれません。
 いずれにせよ高望みをできるような状況ではないですが、逆にいえば厳しいノルマも課せられない状況だと思いますから、結果的にノビノビとやれる可能性はあるかもしれません。
 そういった意味では、いきなり残留争いに放り込まれた江尻監督とは大きく状況が異なると言えるでしょう。
 来年以降の契約がどうなっているのかが、注目ではないかと思います。


 個人的にはプレーオフ進出以上に、まずは選手にとっても監督にとっても良い形で来季以降に繋がる残り試合としてほしいと思います。
 シーズンも3分の1が残っていますし、来季に向けてのアピールという意味ではまだまだチャンスが残されているはずです。
 長谷部監督も来季以降コーチとして残るとしても、拍は付けておきたいところではないかと思いますし。
 ともかく、この監督交代によってチームが良い方向に活性化することを期待したいと思います。