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町田との開幕戦とジェフの今シーズンの捉え方

 いよいよ、今週末にJリーグが開幕します。
 今年から放映権がDAZNに移ったことによって視聴環境だけでなく、分配金なども大きく変わることになります。
 また一歩Jリーグが大きく動こうとしているのではないかと思いますし、それによる具体的な変化に注視しなければいけないのかもしれません。
 上位クラブに多額の分配金が入る制度になりますし、ジェフとしてはお金に頼らない賢いチーム作りといったものが、より一層求められてくるのではないでしょうか。



 ジェフは26日のアウェイ町田戦が、今年の開幕戦となります。
 昨年2度目のJ2挑戦となった町田ですが、昇格1年目を7位という好成績で終えています。
 町田も資金力は決して豊富とは言えない中、一体感のあるチームを作りで成功を納めた印象です。


 しかし、昨年8月には鈴木崇文と三鬼が、突然の契約解除。
 その後、レンタルで補強した仲川も、今季は横浜FMに復帰。
 畠中も東京Vに復帰しヨン・ア・ピンも横浜FCに移籍したため、昨年の主力CB2人が抜けたことにもなります。


 補強面では讃岐からCB藤井を獲得、清水からはGK碓井を補強し、戸島、谷澤に加えてジェフ関連の選手が増えています。
 しかし、昨年12ゴールを上げている鈴木孝司が、1月に再びアキレス腱を断裂し全治6か月の診断を受けているなど、戦力的には厳しい状況ではないかと思います。
 なお、現状では戸島がFWのポジションを争っているそうで、ジェフサポとしても起用法が気になるところです。



 相馬監督が継続したということで、サッカーのベースは大きく変わらないでしょう。
 コンパクトな4-4-2でうまくスペースを管理ながら、ボールを奪うとカウンターで素早く攻め込んでいく。
 特に右サイドの裏をSHやFWの一角が流れて縦に切り込んでいき、そこからクロスを上げてFWや左SH谷澤が飛び込んでいくスピーディな攻撃が印象的でした。


 スタイルとしては、昨年トレンドと言われていたレスターやアトレティコ・マドリードに近いものを感じます。
 他の多くのJ2チームもこのスタイルにトライしていましたが、一番うまくものに出来ていたのが町田だったのではないでしょうか。
 基本的にはシンプルなカウンターサッカーですが、攻守に局面で戦えるチームだったと思います。



 ジェフとしては4-4-2が相手となるだけに、3-1-4-2のままで戦うのであれば、サイドの奥をどう守るのかが引き続き見どころとなるのではないでしょうか。
 相模原戦では相手もラインを上げてきて、ビルドアップの起点がGKとなっていためサイドの問題は発生しませんでしたが、町田戦ではまた違った展開になるかもしれません。
 サイドでの攻防戦が注目ポイントの1つですね。


 攻撃面では細かなビルドアップに課題があり、サイドチェンジした後にどう攻め込んでいくのかも見どころだと思います。
 相模原には早くもジェフ対策を取られてしまった印象がありますし、町田も当然研究してくるでしょう。
 特にアランダなどロングパスの出所を抑えられた時にどうするかが、当初の課題となるのかもしれません。



 エスナイデル監督は現状だとあまり緻密な攻撃を作るタイプには思えないので、プレスを如何に嵌め込むかが非常に重要になってくるのではないかと思います。
 プレスが嵌まらなければハイラインも維持も難しくなるし、攻撃面でもプレスからのハーフカウンターというのが、一番現実的な得点パターンになるのではないかと予想します。
 プレスで嵌め込むには、どんな状況でも対応できる準備をしておかなければいけないはずです。


 相手が中央でボールを持ったらどう守るのか、サイドに入ったらどう追うのかといった約束事を1つ1つ明確に作っていかなければいけないでしょう。
 極端なハイプレスとハイラインを常に実行していくのであれば対策を取りやすいという側面も出てくるかもしれませんから、考えうる全てのシチュエーションを想定して、それに応じたプレスが出来るようになっていかなければいけないのではないでしょうか。
 それだけがっちりとチューニングして戦わなければいけない戦術なのではないかと思いますし、それが出来る監督なのかどうかが今シーズン序盤の大きなテーマとなっていくのではないかと思います。



 最後に改めて、ジェフの今シーズンをどう捉えるべきなのかを開幕前に考えておくべきなのではないかと思います。
 長い目で見るべきシーズンなのか、それとも早期に成果を求めるべきか。
 もちろんサポーター1人1人で考え方は違うでしょうし、本来はクラブが打ち出すべきところだと思うのですが、サポフェスでもその大事な部分に関しての話はなかったようです。


 もちろん出来るだけ長く現体制を続けるのが理想だとは思いますが、エスナイデル監督は極端なサッカーをやっているだけに、その分当たり外れがはっきりと出て、早期に結果が出やすいのではないかとも思います。
 単純に考えても、ハイプレス・ハイラインを次の監督がやる確率はあまり高くないでしょう。
 じっくりとベースを作って次の監督以降へも繋げることを期待するのであれば、オーソドックスなサッカーの方が適しているのではないでしょうか。



 近藤は「去年と同じサッカーでは順位は変わらない」と話していたそうですが、ジェフとしては毎年のように監督や選手を入れ替えてきただけに、むしろ継続することの方が新しいチャレンジだったのではないかと思います。
 もちろん昨年から加入した選手からすれば違う見方になるのでしょうし、特に近藤はベテランでありキャプテンも任されたことを考えると、今季にかける気持ちも大きいのでしょう。
 ただ、長期的にジェフを見てきた者からすれば、じっくりとチームを作る方向に進んでほしかった気持ちもあります。


 とはいえ、これは外国人監督を招聘した時点で、ある程度分かっていたこと。
 祖母井GMのようなコネがなければ次に同じ路線の外国人監督を招聘するのは難しいでしょうし、日本人監督に比べて特殊なサッカーになりがちだと思います。
 実際、近年で言えばクゼ監督、ミラー監督、ドワイト監督と外国人監督を招聘していきましたが、次に繋がった要素は少なかった印象です。



 改めて状況を振り返るとクラブとしては長期的な目線よりも、リスクを負ってでも大きな賭けに出てエスナイデル監督を招聘したとみるのが妥当ではないかと私は思います。
 エスナイデル監督が優秀な実績を持っているのであれば全てを託す意図というのも分かりますが、実際にはスペインでも苦労してきた監督ですからその分ギャンブル要素は高いはずです。
 それでも行くという判断をしたわけですから、今はサポも含めて大当たりを期待するしかないのでしょう。


 ただ、一方でクラブは長期ビジョンが重要だろうと思われるアカデミーにも、スペイン人ダイレクターを招聘しています。
 トップチームの監督はいわばクラブのシンボルだと言えるわけで、そこが失敗すればアカデミーにも影響を与えかねない。
 大きな賭けに出てトップチームが失敗するだけならいつものことで終りますが、アカデミーも含めるとそのリスクをどのように計算しているのか…。



 今季は例年にも増して、継続性を大事にしようという声が聞こえてくる印象です。
 継続性はジェフにとって足りない部分であり非常に重要な問題だとは思いますが、大事なのは"良い継続"をすることであり"悪い継続"をしてもクラブにとってはマイナスになりかねません。
 ここ数年ジェフが継続性のある運営が出来ていないのも、前提となる優秀な監督を招聘できないことが多かったことが大きな原因だと思います。


 クラブ運営やチーム環境が整ってこそ継続性が確立できるのだと思いますし、そこの順序を履き違えてはいけないと思います。
 少なくとも現段階から「長期間指揮を執ってほしい」と期待するのは時期尚早だと思いますし、我慢するのであればそのために何が必要なのか明確にすることが大事なのではないかと思います。
 無条件に我慢しては時間だけ過ぎてしまいますし、我慢するだけの価値があるのか、少しでも将来につながる兆しを見出せるのかを見守っていかなければいけないのではないかと思います。



 近年のジェフ関係者は雰囲気が悪いとも言われているようですが、結局はそれもこれだけ長く続いた迷走が一番の原因ではないでしょうか。
 特に昨年は監督続投に反対する声が多かったにも関わらず継続し、大方の予想通りに失敗した。
 そういうことが続けば、どうしてもネガティブにもなってくると思います。


 もちろん我慢しなければいけない時は、我慢も必要になってくるでしょう。
 しかし、我慢して何かを得られるだけの土台が作れなければ、昨年のような展開にもなりかねない。
 だからこそ、我慢することによって、このチームが成長できるかどうかの見極めがまずは大事なのではないかと思います。



 無論、不平不満を言いながらも、スタジアムではしっかり切り替えて熱く応援することも大事だと思います。
 そのあたりのオンオフを使い分けることが、ファンやサポーターも必要なのかもしれません。
 ただ、まずはクラブやチームが未来に向けての希望を見せられるかどうかが、今のジェフにとっては一番必要な要素なのではないでしょうか。


 これまでの新チームを見た限りだと、エスナイデル監督ががっつりと戦術を嵌め込めることが出来るかどうかがまずはポイントとなる気がします。
 それによって"次に繋がるチーム作り"ではなく、エスナイデル監督自身が成果を遂げて長期政権を続けるというのが、もっとも現実的な成功パターンなのではないかと思います。
 今はその成功パターンに期待したいところではないでしょうか。