高卒ルーキーの高橋が、町田戦で開幕スタメンを果たしました。
報知の記事によるとジェフでの高卒新人選手の開幕スタメンは式田以来21年ぶりで、日刊の記事によると阿部以来17年ぶりと書かれています。
ユース上がりも含めると阿部以来で、高校の部活動出身に限ると式田以来ということになるのでしょうか。
もちろん阿部などは2種登録の頃に16歳でプロデビューし、高3の頃にはすでに主力選手として活躍していました。
その頃は山口智、酒井、西脇、阿部など積極的に2種登録の選手を起用し、ネット上では「学徒動員」とも言われていました。
それだけトップチームの戦力が乏しく、ユースでの育成がうまくいっていた時期でもあったと言えるでしょう。
しかし、その後はトップチームのレベル向上とユースの低迷もあって、2種登録選手の出場は遠のいていきます。
2種登録選手の出場は阿部から途絶えて、2011年終盤の井出、佐藤祥までなかったのではないでしょうか。
井出と佐藤祥の活躍は、そこからさらに時間がかかりましたね。
ユースではなく高校出身ルーキーということでいうと、ジェフではやはり城のインパクトが強いですね。
開幕戦でデビューしでゴールを上げると、そこから4試合連続でゴールを決めています。
しかし、4年目にはステップアップを目指し、横浜Mへ移籍してしまいました。
高校出身ということで活躍した選手と考えると、最近では水野、水本まで遡るのでしょうか。
ただ、2人が加入した頃はポジション争いも激しく、2人とも1年目はあまり出場できずに終わっています。
特に水野はもともと練習生としてアピールしてジェフ加入が決まった経緯があったはずで、獲得当初はそこまで期待されていなかったのではないかと思います。
こう振り返っていくと、高卒でいきなり出場機会を得て、そのまま長く活躍した選手は少ないようにも感じますね。
式田などは2年間ジェフでプレーするも活躍できず、3年目には当時J2の新潟に移籍し、プロ入りから4年で現役を引退しています。
もちろん高橋の開幕スタメンは明るいニュースですが、長いプロ生活において大事なのはこれからだと思います。
肝心の町田戦での高橋に関してですが、要所要所で持ち味を見せてくれたと思います。
特に56分、ワンタッチで左サイドのサリーナスに展開したシーンには、高いセンスを感じました。
インサイドという難しいポジションだっただけに、90分間目立った活躍をできたわけではないですが、可能性は十分に見せてくれたと思います。
一方で、守備にはやはり課題も感じました。
特に試合終盤は疲れもあったのか、寄せが甘く目の前のボランチに縦パスを出されたり、サイドで相手に抜かれるシーンもありました。
もっともチームとして押し込まれた時の1ボランチ脇の埋め方やサイドの守り方がはっきりしていなかったため、高橋のポジションニングが曖昧になってしまったところもあったように思いますが。
スタメン起用に関しては、もう1人インサイド有力候補である山本がエスナイデル監督のサッカーにあっていないという問題も大きいのではないでしょうか。
山本の良さが最も出るのは中盤で細かくパスを繋いでいく展開だと思うのですが、現在のサッカーは基本的に後方で細かく繋いで大きく展開するスタイル。
インサイドの仕事も後方のビルドアップに後ろ向きで関与しつつ、裏へ飛び出す仕事がメインとなっている印象です。
加えて、コンパクトなサッカーを実施しているため、中盤にはフィジカルの部分も求められる。
プレスはもちろんのこと、セカンドボールの拾い合いなども重要となっている印象です。
そのあたりも、山本の得意な仕事とは言えないように思います。
逆に言えば高橋は、エスナイデル監督のサッカーに非常に良くあっていると言えるのではないでしょうか。
青森山田でもシンプルにパスをさばきながら左右へ一気に展開する仕事が得意だった印象ですが、まさにそれはエスナイデル監督の好むパターンだと思います。
また、エスナイデル監督のインサイドはゴール前に飛び出す仕事も求められている印象ですが、ゴール前での得点力も高橋の大きな武器と言えるのでしょう。
加えて、狭い局面でのプレーにもうまさがある。
また、1ボランチが後方に控えたインサイドということで、基本的には中盤後方に下がっての守備を求められることが少ない。
青森山田時代にも住永がアンカーに入って守備に専念し、高橋は高めの位置を保っていましたから現在のポジションに近いところがあると言えるのでしょう。
本人としてもまだまだこれからだと思っているようですし、公式戦に慣れていくことでよりボールに絡むプレーを増やしていきたいところなのではないでしょうか。
それとともに押し込まれた時にどう守るのかも、チーム全体を含めて考えていかなければいけないところではないかと思います。
今後のさらなる活躍に期待したいですね。