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エスナイデル監督「練習でも試していないシステムに変えました」

 まだ開幕まで時間がありますので、ちばぎんカップについてもう少し取り上げていきたいと思います。
 ちばぎんカップでのジェフは、1点ビハインドとなった61分に矢田に代えて岡野を、為田に代えて指宿を投入。
 岡野をDFラインに並べて3バックとし、町田をインサイドにまわして、指宿とラリベイの2トップからなる3-5-2に変更しました。


 もしかしたら、オプションとして考えているのかなとも思ったこのシステム。
 しかし、エスナイデル監督のコメントによると、「練習でもほとんど試していないシステム」だったそうです。
 その他の話も特になく、なぜこのシステムを試したのかコメントからはわかりませんでした。



 理由をいくつか考えると、1つにはツインタワーを試したかったというところもあるのでしょうか。
 昨年何度も試合途中からラリベイと指宿のツインタワーを実行しており、エスナイデル監督としても期待しているところがあるのかなとは思いますが、うまくいったことはほとんどないと思います。
 そこでメインの4バックではなく、3-5-2でのツインタワーならどうか…と、試した可能性もあるのかもしれません。


 テストするのならこの時期だとも思いますし、今のうちに試してダメな場合はシーズン中に実行しないという考え方も大事なことだと思います。
 しかし、昨年から感じるのですが、ツインタワーにした時にどういったイメージで攻めようとしているのかが見えてきませんね。
 単純に2人の頭を狙うのか、ラリベイが落として指宿が前を向くのか、あるいはダブルポストで2列目が飛び出す形なのか…そのあたりがハッキリしないため、ツインタワーも成功する確率が低いのではないかと思います。



 あるいは、守備を固める狙いだった可能性もあるのかなと思います。
 交代した為田と矢田は前半から守備面で課題を感じましたし、後半から劣勢に立たされたこともあって、後方の人数を増やして守りたかったという意図もあったのかもしれません。
 ただ、守備時は実質5-3-2のような状況だったため、中盤が薄くなってますますプレスが効かなくなり、さらに後手に回った印象もありました。


 もう1つ考えられるのが、ビルドアップの改善。
 前半は熊谷がCB付近に下がってロングボールを展開していましたが、後半に入ってアンカーが勇人に代わって大きな展開がなくなってしまった。
 アンカーが下がってビルドアップする時は3バックに近い布陣となるので、それをより明確にして増嶋や近藤から繋ごうという狙いだったのかもしれません。



 ただ、これに関しても、柏はしっかりと対応してきました。
 ジェフのシステム変更直後こそ多少戸惑った印象もありましたが、柏も守り方を変えてきましたね。
 柏は当初1トップのクリスティアーノが下がってトップ下の江坂と横並びになる、4-4-2のボックスで守っていました。


 しかし、ジェフが3バックになってからは、右SHの伊東が前に出る変則的な4-3-3で対応。
 3トップになってジェフの3バックを追うことで、パスの出所を抑えていきました。
 選手も試合展開も違うので一概には言えませんが、ジェフとしてはこの追われ方のほうが嫌な状況だったのかなと思います。



 近年はJリーグのクラブも4バックと3バックを頻繁に変更できて、レベルが上がったという意見も聞きます。
 確かに10年ほど前はWBとSBをこなせる選手が少なく、システムの変更も難しかった印象があります。
 そういった意味ではレベルが上がったというか、柔軟に戦えるようになったのかもしれません。


 ただ、大事なのはシステムが変更できることよりも、システムを変更することでどんな変化を生み出せるかや、相手や状況に応じた対応が出来るようになるかではないかと思います。
 ただ単純にシステムを変えられるというだけではなく、それによって何かしらのメリットを得られなければ意味はない。
 柏のシステム変更はシンプルなものではありましたが、しっかりとジェフの変化に対応してきたと言えるのではないでしょうか。


 ジェフは残念ながら3バックにしたものの、メリットを打ち出せなかった印象です。
 ほとんど試したことがないシステムということですし、この時期だから仕方ないとも言えるのでしょうが、エスナイデル監督は基本的に交代策が得意ではない印象です。
 それだけにこの失敗も「今回だけ」で終らないかもしれませんし、シーズン中も悩まされる可能性があるのかもしれません。