東京V戦では早々に増嶋が退場となってしまったため、12分に町田に代わって大卒ルーキーの鳥海が出場。
本人は「出来ないことが多い」とも話していますが、緊急出場だったにもかかわらず、非常に落ち着いたプレーを見せてくれました。
開幕戦での大きな収穫と言えるのかもしれません。
まだこの試合しか見ていない段階ではありますが、クレバーなタイプのCBなのではないかと思います。
ポジショニングが良く、カバーリングが出来て、うまく後方のスペースを消すプレーが目立っていました。
ビルドアップにおいてもいくつかミスはありましたが、無難に繋げる選手なのではないでしょうか。
25分には右サイドで真希がクロスを上げましたが、相手DFに当たってカウンターを受けます。
この場面でもジェフは前掛かりな状況で、後方には3人しかいなかったにもかかわらず、相手のハンドを要求したため、守備への切り替えが遅れていました。
そのまま相手中盤に前方へスルーパスが出されますが、鳥海は冷静にカバーして攻撃の芽を摘みます。
また、58分にも左サイドでボールを奪おうと、熊谷と矢田が囲いにいったところを相手に突破され、4対3の数的不利となります。
そこからサイドに繋がれますが、ドウグラスのマークに付いていた鳥海は浮き球への対応をロドリゲスに任せて、グラウンダーのパスを警戒。
ドウグラスの前を取ることで、グラウンダーのパスを見事にクリアしています。
その他の細かな対応でも、次のプレーを冷静に予測することで、優位な体勢で相手を潰しにいくプレーを見せていました。
後半途中からは茶島が右SBに入り、守備に帰ってこない状況が続きましたが、1人で広いエリアをカバー。
1人少ない難しい展開にもかかわらず、うまく穴を埋めていたと思います。
ジェフアカデミーの後輩にあたる岡野の方が、サイズやフィジカル、スピードの面では優れているのかもしれませんが、岡野はちばぎんカップでもどこかバタバタしてしまう部分があったように思います。
その点、鳥海は相手より先に次のプレーを予測することによって、余裕を持った対応が出来る。
その分、プレーに落ち着きを感じられるタイプなのではないでしょうか。
ただ、東京Vはシンプルに前線に放り込むようなプレーは少なかったですし、高さ勝負やフィジカル勝負を仕掛けられた時にどこまで対応できるのかはまだわかりません。
今後も試合に出続けるのであれば鳥海も研究されてくるでしょうし、その時に真価を問われるのかもしれませんね。
しかし、少なくともデビュー戦では、十分すぎる活躍を見せてくれたと思います。
今季はCBの層があまり厚くない印象ですし、キャンプ中に負傷したエベルトやちばぎんカップで負傷退場した岡野の状態もわかりません。
また、東京V戦では近藤の出来ももう1つだったように思います。
失点時に競りきれなかったことはもちろん、相手のフェイントに釣られて体で倒してしまったり、ラインコントロールなどの面でもミスがあったように思います。
鳥海も東京V戦の終盤で足を釣ってしまい、それ以降は動きが若干落ちた印象もあります。
突然のデビュー戦ということもあってか、最後は疲れが出てしまったのかもしれません。
それが今後にどう響くのかも、気になるところではあります。
しかし、次節は増嶋も出場停止となりますし、現状では頑張ってもらわなければいけない選手ということになるのではないでしょうか。
試合には負けてしまいましたが、若い選手が可能性を見せてくれたということで、結果的に楽しみが増えたのではないかと思います。
岡野も含めて2人が今年1年でどこまで成長するのか、期待したいと思います。