熊谷「なんで1点を取って緩めたのか」

熊谷アンドリュー「やっている感じだと、声は出していたが、なんで最初はみんながボールを奪おうとしていたのに1点を取って緩めたのかは分からない。あれをやるとどう考えてもやられるのは分かっている。」(Jリーグ

 熊谷が指摘しているのは、1失点目の場面でしょうね。
 矢田の福村への寄せが遅れて、サイド裏への決定的なパスが出されてしまった。
 その前後にも茶島の守備が甘くなっていましたし、全体的にプレスが緩くなっていた時間帯だったと思います。



 「あれをやるとどう考えてもやられる」と話していることからも、ハイラインを維持する限りはプレスをかけ続けなければやられるという考えは、選手たちの中にもあるのではないかと思います。
 ただ、一方で選手の動きにも問題はあったと思いますが、常にハイプレスをかけ続けるというのは現実的ではないと思います。
 例えば熊谷がインサイドに入ったとしても、それをこなすのは厳しいでしょう。


 岐阜戦でも立ち上がりから飛ばしてハイプレスをかけていった印象でしたが、30分頃から勢いが緩くなっただけでなく、後半に入ってらはよりはっきりと失速しています。
 先に点を奪ってセーフティリードを稼げれば試合途中から引いて守る形にシフトする方法も考えられるのかもしれませんが、今の攻撃面の質なども考えると毎回理想通りとはいかないでしょう。
 また、町田なども話しているように、後方の守備をサポートするためにプレスバックが必要という発想もあるわけで、2列目はハイプレスにもプレスバックにもいかなければならない難しい状況に立たされていると思います。



 悩ましい状況であるとは言え、選手からこういった課題に対する指摘が出たのは、良いことなのではないかと思います。
 特に熊谷は性格的に控えめな印象もありましたし、自ら率先してチームを改善しようという意欲が垣間見られるのは、本人の成長においても大事なことなのではないでしょうか。
 ここまでのチーム状態は決して良くないと思いますが、逆境に立たされているからこそ、選手が成長するという可能性もあるのかもしれません。


 熊谷自身は開幕戦で失点時にクロッサーへの寄せが甘かった場面などもあり、守備でサイドへ出て行っても止め切れないケースが目立ったように思います。
 水戸戦でもパスミスが数回あって、そこからピンチになりかけるなど、危ないシーンもありました。
 後方に位置するアンカーだからこそ1つ1つのプレーをもっと大事にしていかなければいけないようにも思いますが、ここまで総じて攻守に貢献しており頼れる存在になりつつあるのかなと思います。


 特に今年は守備時に次への予測が速くなった印象で、それによってボールをカットする回数が増えているのではないでしょうか。
 昨年アンカーで長い期間プレーしたことによって、自信がついてきたという面もあるのかもしれません。
 個人的には水戸戦でPA脇に飛び出したように、もっと攻撃的なプレーが見たいところではあるのですが、アンカーでは仕方のないところもあるのでしょう。



 その他、岐阜戦後の話で気になったのが、大木監督のコメント。

大木武監督「相手が[4−4−2]になってきたので、中盤は空く。宏矢はボールを持ってプレーできるのでうってつけだった。そこが狙い。」(Jリーグ

 風間の活躍は、大木監督の狙い通りということだったようです。
 ジェフは4-4-2にして中盤が空いてきたので、そこで風間が前を向いて仕掛けるという意図だったということなのでしょう。
 風間がミドルシュートを決めた展開は、まさにその形と言えると思います。


 確かにジェフは試合途中からダブルボランチになりましたが、守備が改善されたようには見えませんでした。
 大木監督の指摘している通り、むしろ枚数が減った中盤にはスペースが出来てしまい、岐阜の守備もハメやすかったように思います。
 茶島は守備に特徴のあるボランチではないですし、茶島と熊谷のコンビでは中盤を埋めきれなかった印象です。



 水戸戦などでも後方の枚数は違うものの、ボランチを2枚にしましたが、守備は改善されていなかったと思います。
 昨年終盤は船山が1.5列目に入っていたということもありますが、全体的に引いて守るようになり、ハイラインを維持するような守り方ではなかった。
 さらに、ボランチに勇人が入って広範囲をカバーするなど、守備的な選手も増やしていた。
 

 そういった複数の変化があって成立していたように思いますし、ただダブルボランチにすれば改善するというようなものではないと思います。
 昨年はハイプレス・ハイラインを諦めるといった大きな変化もあったわけで、小手先だけでは根本的な問題は変わらないのではないでしょうか。
 その上で、今後どういったチーム運営をしていくのか、考えていかないといけないように思います。