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やるべきことをやってチームとして戦えるか

 今季初勝利を目指すジェフは、明日フクアリで讃岐と対戦します。
 讃岐はここまで1勝3敗となっています。


 讃岐の北野監督は、現役Jリーグ監督の中で最長となる9年目。
 ちなみにJリーグで最長指導はG大阪時代の西野監督で、10年間指揮を執っていました。
 北野監督は来年指揮を取れば、西野監督に並ぶ長期政権となります。



 讃岐は監督も変わらず、今年も丁寧なサッカーをしていると思います。
 2014年にJ2に昇格した当初は、守備的なサッカーをしていた印象もありました。
 しかし、ここ数年はボールをしっかりと繋ぎ、攻撃面でも自発的に崩す展開を作ってきており、着実に進化しているチームだと思います。


 ボランチを中心にワンタッチパスなども織り交ぜて、前方の選手を走らせるパターンが最終的な狙いではないでしょうか。
 状況に応じて長短のパスを使い分け、遅攻時には複数人が絡んでテンポ良く繋いでいく。
 今年は2列目に仙台からレンタル加入した19歳の佐々木匠や、元町田の重松など仕掛けの得意な選手も加入しました。


 また、パスを繋いでいくサッカーの中で、昨年途中から元ジェフのアレックスが加入し、左SBでアクセントになっています。
 アレックスはタメが作れるし、ロングパスも出すことが出来る。
 SBは守備が甘くなりがちな位置ですから、相手に守備を固められてもそこから前への展開が作れるようになったように思います。



 守備も攻守の切り替えが早く、チームの意思疎通が出来ている。
 前にプレスに行く時は連動して守備に行き、下がる時はしっかりと全体で下がる。
 攻守にやることがハッキリしているので、ストレスなく見ることが出来るチームですね。


 戦力的な問題はあるので現段階ではまだ"強いチーム"とまでは言い難いかもしれませんが、基礎的な約束事が出来ている"しっかりとしたチーム"なのではないかと思います。
 守備に回ったら素早く戻る、危ない時は大きく蹴る、パサーが前を向いたら前線が動き出す。
 当たり前のことなのですが、そうった当たり前の動きをしっかりと作れているからこそ、J2でも長らく残留し北野監督も長期に指揮を執れているのでしょう。


 ただ、それでも前節は讃岐が攻め込む機会が多かったものの、それまで勝ち星のなかった栃木に0-1で敗れてしまいました。
 やはり栃木のペチュニク、大黒は怖さがあり、中盤のヘニキも違いを作れる選手ということで、失点シーンもヘニキのドリブルからでした。
 それに比べると讃岐の選手たちは、一発の部分では若干物足りなさがあるのかなと思います。
 
 

 ジェフも戦力では上回っているのかもしれませんが、讃岐から学ぶところは多いのではないかと思います。
 やるべきことをしっかりとこなして、チームとして攻守に戦えるか。
 もちろん讃岐のやり方が全てではないとはいえ、今足りていないのはその辺りなのかもしれません。


 例えば「プレスがハマらないから守備に戻る」としても、どうやってスペースを埋めるのか、どうフォローしあうのかといった約束事は、選手個々だけで対応できるものでもないでしょう。
 チームとしてベースとなるルールを決めることが、まずは前提となるはずです。
 ルールが定まらないと守備意識も薄れしまうかもしれないし、これは攻撃面でも同じようなことが言えるのかもしれません。



 ここまで、ジェフは3敗1分で21位。
 そのうち2試合が早々に出場停止者を出しており、それによって苦戦した部分も少なからずあるでしょう。
 しかし、それにしても厳しいスタートとなっている印象です。


 何度も話していますが、この苦戦はある程度予想できたものだと思います。
 さすがに4戦勝ちなしのスタートまではともかく試合内容も含めると、ハイプレス・ハイラインを実施していた昨年10月までの状況に戻る可能性があった。
 昨年のハイプレス・ハイラインはラスト8戦で1勝2分5敗という酷い成績だったわけで、それを思い返せばそこまで驚くことでもないと思います。
 もちろん引いて守ってカウンターを継続する可能性もあったかもしれませんが、リーグ戦最終節やPO名古屋戦などではやり方を戻したことやエスナイデル監督の性格を考えればハイプレス・ハイラインに再びチャレンジすることは想定できることだったと言えるでしょう。



 それでも徳島戦前にも話したように、さすがにこのままJ3降格争いに加わることはないだろうと思います。
 J2内での戦力差も大きいですし、まだまだシーズンも長い。
 普通にやれば、ある程度は勝点を稼げるのではないでしょうか。


 しかし、現段階で懸念すべきは、チームが崩壊してしまわないかということかもしれません。
 監督やチームへの求心力を失えば「普通」が出来なくなり、バラバラになってしまう恐れもある。
 まずはその危険性から脱することが、求められるところでしょうか。



 ここまで早くチームが崩壊する危険性に晒されることも珍しいと思いますし、現実的に考えると早期に手を打った方が挽回はしやすくなるかもしれません。
 ただ、監督最有力候補でもあった長谷部監督は、ジェフであまり評価されていなかった印象もあり、今年は水戸の監督に就任。
 まだ今季も序盤とは言えその水戸がJ2首位にいるわけですから、「逃がした魚は大きい」状態ということではないでしょうか。


 関塚監督の頃にも言いましたが、シーズン中の監督交代は責任を有耶無耶にしてしまう恐れがあるし、後任監督にとっても厳しい状況になるので、基本的には避けたいものだと思います。
 それだけにまずは1勝をあげて、浮上するキッカケを掴みたいところではないでしょうか。
 ここからの2戦が非常に大事な状況となってきますね。