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昨年の月別平均勝点と今年の平均勝点

 4月に入ってすでに1試合を経過しましたが、これで7戦を終えてシーズン序盤戦も終了といったところでしょうか。
 ジェフはここまで、2勝1分4敗で勝点7。
 1試合平均の勝点は、ちょうど1ということになります。



 これを昨年の月別の1試合平均勝点と、比較してみたいと思います。
 2月は1試合しかなかったため、3月とあわせて計算しています。

 ご覧の通り昨年は黄色で示した10月11月の成績が非常に良く、勝点もここだけで大きく稼いでいることになります。
 一方、緑色で示したそれまでの成績は大きく低迷しており、順位上でも二桁の成績が定位置と例年以上に苦戦していました。
 そして、赤線で示した今年の成績は、その緑色の時期に近い成績となっています。


 昨年はちょうど10月初戦の岡山戦からハイプレス・ハイラインを諦め、ダブルボランチにして引いて守る形に変更しています。
 そこから7連勝を遂げたわけですが、それまでのハイプレス・ハイラインでは苦戦。
 そして、再びハイプレス・ハイラインを試している今年は、同じように苦戦していることになります。



 このグラフを見ても分かる通り、今年の苦戦は冷静に考えれば予想できたことだと思います。
 厳密には昨年のハイプレス・ハイライン時の方が今年より若干成績が良く、実際9月末の時点では35試合で勝点45、平均勝点にして1.28でした。
 ただし、9月は4戦して1勝しかできておらず、平均勝点は0.75と成績は下降傾向にありました。


 9月の低迷は他チームによるハイプレス・ハイライン対策が固まりつつあったところが大きかったと思いますので、そこからスタートした今年がさらに苦戦するのも自然な流れだと思います。
 低迷していたからこそ10月に入って、"仕方なく"ハイプレス・ハイラインを諦め、割り切ったサッカーで挽回できたのだと思います。
 決してハイプレス・ハイライン対策に打ち勝って、成績を伸ばしたわけではないはずです。



 そして、"仕方なく"ハイプレス・ハイラインを諦めたという経緯があるからこそ、今年もう1度ハイプレス・ハイラインにチャレンジすることも予想できたことだと思います。
 エスナイデル監督の性格を考えれば引いて守るような形は本来やりたくないサッカーなのでしょうし、昨年もPO名古屋戦などでは再びハイプレス・ハイラインを実施していた。
 昨年終盤の連勝中も試合途中に1ボランチを試すなど"色気"を見せていましたし、本当にやりたいサッカーはハイプレス・ハイラインなのだろうと感じていました。


 ハイプレス・ハイラインを諦めて成績を伸ばしたにもかかわらず、マスコミは「ハイプレス・ハイラインの成功・進化である」と持ち上げたり、「チームのベースが出来た」と評したりしていました。
 まるでサッカーを見ていないかのような取り上げ方で、調子の良い話ばかりしていた印象です。
 マスコミもお金がかかっていることですから、ポジティブに書いた方が儲かると判断して書いているのかもしれませんが、もしそうだとしたらサポーターが足元を見られていることこそが問題なのかもしれません。



 その結果もあってどこかチーム全体に浮かれたところがあった印象で、ハイプレス・ハイラインの課題も見過ごされたまま今シーズンに入り再び苦戦している印象です。
 監督や選手、関係者の中にも、慢心や油断があったのではないでしょうか。
 この現状を考えると、改めてもっと冷静にサッカーを見るべきではないかと感じます。


 これだけ数字としてハッキリと苦戦している状況が出ているわけですから、今一度それをしっかりと受け止めるところから始めるべきではないかと思います。
 ハイプレス・ハイラインのサッカーはハマれば大勝できてしまうこともあるから勘違いしてしまうのかもしれませんが、安定して戦えなければ強いチームとは言えないはずです。
 2年目以降も夢を見ているような状況が続くのであれば、当面このクラブは深いトンネルから抜け出せないのかもしれませんね…。



 現状だとともかく猪突猛進に自分たちのサッカーをして、当たればOK、ダメでも仕方がないというような印象を受けます。
 課題はたくさんあるはずなのに、そこに対してどういった具体策を講じていくのか見えてこないことこそが、一番の問題ではないでしょうか。
 課題に対して何らかのチャレンジをしているのであれば、例えそれが失敗したとしても仕方のないことだと思います。


 しかし、課題に対しての明確な対策もなく、ダメになったらシステムなど大枠を変更して目先を変える…という方法だけでは、堂々巡りが続くだけではないかと思います。
 昨年終盤の引いて守るスタイルにしても、長くやっていれば同じような状況になるかもしれない。
 やはり大事なのは1つ1つ課題を克服して、チームとして一歩一歩成長できるかどうかなのではないかと思います。
 現状では厳しい状況に間違いないと思いますが、課題と向き合って少しずつでも着実に本当の進化を遂げられるのか、見ていきたいところではないでしょうか。