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幸運も手伝ってアウェー初勝利

 岡山戦、大宮戦と連勝を遂げたジェフ。
 しかし、内容に関しては、大きく異なる2試合だったと思います。
 チャンスの数で言えば圧倒的に大宮の方が多い展開で、運も味方に付けての勝利でした。
■大宮が2度ゴールを揺らすも得点できず
 前節4バックに変更したジェフですが、今節では再び3バックに変更。
 町田がメンバー外で真希と矢田の2シャドー、熊谷と小島のダブルボランチになり、右WBには茶島が継続。
 ロドリゲス、鳥海、小島、ラリベイがスタメン復帰し、優也、指宿、為田、船山がベンチに回って、控えからは高木和とエベルトが外れ、岡野が入りました。


 大宮は富山が控えに回って、シモヴィッチがスタメン復帰。
 ベンチには奥井、山越が復帰して、高山、マルセロ・トスカーノが外れています。
 シーズン序盤はレギュラーだった元ジェフの中村太亮ですが、現在はメンバーから外れています。


 
 5分、大宮のチャンス。
 右サイドのCKを嶋田が蹴ると、ファーから酒井宣福が侵入してきます。
 熊谷が前を取られますが、酒井は合わせきれず。


 17分にも大宮の決定機。
 大宮に中盤でパスを繋がれたところで、ジェフの選手たちが囲いに行くも潰し切れずにいると、フリーになった酒井に展開されます。
 酒井がセンタリングを上げると、ファーでシモヴィッチが頭で合わせますが、GKロドリゲスがセーブ。



 序盤は大宮ペース。
 ジェフは前節のように出足で相手を上回れず、セカンドボールを大宮に拾われます。
 前からのプレスもはまり切らず、シモヴィッチのポストプレーや大前や嶋田の仕掛けを捉えきれずに苦戦していきました。


 21分にはジェフの攻撃。
 左サイドからのCKを矢田を蹴ると、ファーで増嶋が競り勝ちます。
 しかし、シュートはゴールの右を逸れます。



 32分、大宮の決定機。
 左サイドで大宮がボールを奪ったところから、逆サイドに展開して酒井が繋いで嶋田がセンタリング。
 シモヴィッチが粘ってゴールに流し込みますが、その前に近藤を倒したとしてノーゴールの判定。


 34分には、ジェフがカウンターからチャンスメイク。
 大宮の中盤でのパスミスから、熊谷、小島と繋いで、ラリベイがシュート。
 しかし、GK笠原が横っ飛びでセーブ。



 39分、大宮のチャンス。
 右サイドからのCKを大前が蹴ると、河本が真希の前を取ってヘディングでゴールネットを揺らします。
 しかし、ゴール前でオフサイド地点で、シモヴィッチがGKのシュートコースを隠したという判定で2度目のノーゴール。


 その後も、大宮が優勢に進めていく展開。
 しかし、ゴールは生まれず、0-0で折り返します。
■クロスのコースが変わって小島が受けて先制
 ジェフは前半終盤、サリーナスと矢田の位置を入れ替えていましたが、後半に入ってまた元に戻しました。
 47分にはジェフの攻撃。
 中盤でボールを拾ったところから、真希が思い切ってミドルシュートを放ちますが、GK笠原がセーブ。


 56分、大宮の攻撃。
 後方からのボールを奥抜が競ったところ、大前がこぼれ球を拾います。
 そのまま持ち上がって巻いたシュートを放ちますが、バーの右を逸れます。


 その直後にも大宮のチャンス。
 左SB河面がセンタリングを上げると、こぼれ球を三門が拾って嶋田へ。
 フリーの嶋田でしたが、ボールを持ちすぎてシュートはジェフDFに当たりゴールならず。



 後半も大宮ペースが続いていましたが、59分にジェフが先制。
 左サイドを矢田が持ち込み、サリーナスが受けてセンタリング。
 しかし、これが相手DFに当たって大きく軌道が変わると、小島が残った足でうまくトラップしてゴール。


 その直後、大宮は奥抜を下げてマテウスを投入。
 72分、ジェフはラリベイに代えて指宿を投入。
 73分には大山に代えて茨田を投入。



 70分頃から大宮の勢いが落ちていましたが、それでも76分には大宮のカウンター。
 大前からのパスを受けたマテウスが、長い距離を走ってシュートを放ちますが、GKロドリゲスがセーブ。
 その直後のCKでも大前が足元で飛び込みますが、枠を捉えきれず。


 77分には足を釣った真希に代えて船山を投入し、そのまま左シャドーに入りました。
 その直後、大宮の決定機。
 茨田からのパスを受けたマテウスがシュートを放ちますが、ポスト直撃でゴールならず。



 84分にも大宮の決定機。
 マテウスのグラウンダーでのセンタリングを、シモヴィッチが落として大前へ。
 大前がシュートを放ちますが、GKロドリゲスがファインセーブ。


 85分、大宮は嶋田に代えて富山を投入し、富山が前線に入って大前が右SHに回ります。
 その直後にも大宮の攻撃。
 右サイドからのクロスをマテウスが低い位置で受けシュートを放ちますが、バーの上を超えます。



 後半ATにも大宮の攻撃。
 後方からのロングボールのこぼれ球を拾い、シモヴィッチが胸トラップからシュート。
 しかし、GKロドリゲスの正面で終ります。


 その直後にも大宮の決定機。
 右サイドからのCKを大前が蹴ると、河本が頭1つ抜けた状態でヘディングシュート。
 しかし、これも決まらず、ジェフの1-0での勝利となりました。
■ハイラインを諦めるメリット
 チャンスの数で言えば、大宮は10本近くあったのではないでしょうか。
 ジェフはゴールシーンもラッキーなもので、その他のチャンスはラリベイのシュートくらいだったと思います。
 前半に2度大宮がネットを揺らしたシーンも微妙な判定だったと思いますし、どちらもゴールとなっていてもおかしくなかった印象です。


 相手を押し込む時間が長かった岡山戦との違いは、やはり運動量やセカンドボールへの反応で苦戦したからではないかと思います。
 大宮も決して凄くコンディションが良かったわけではないと思いますが、ジェフは同等のコンディションだと優位に立てない印象があります。
 システム的な変化もあったとは思いますが、やはりベースは「相手より走れるか否か」にかかっているのではないでしょうか。



 大宮は開幕直後こそ、意図がハッキリしない部分もあった印象ですが、着実にチームとしての狙いが作れている印象です。
 左には右利きの奥抜を置き、右には左利きの嶋田や酒井を置き、中央へ切り込んでいく。
 それによって中央に厚みを作りポストなども絡めて仕掛けたり、中央に相手を誘き寄せておいて外へ展開したり。


 また、守備においても、4-4-2でバランスよく守れていた印象です。
 シモヴィッチはそこまで守備をしないので、前からのプレスは薄かったですが、それでも等間隔を維持できていた。
 それによってボールを持たれていても、ジェフに押し込まれず深い位置まで持ち込ませずに守れていたのではないでしょうか。



 一方でジェフは出足で優位に立てず、ボールを持って左右に揺さぶっても相手が下がっていかないので、結果的に強引なロングボールが増えてしまった印象です。
 相手を押し込んだ状況なら前方に人数が増えるものの、大宮戦では相手を押し込めなかったため、ボールを持っても人数をかけられなかった。
 そのため、こちらから意図的にどこへどのタイミングで人数をかけて攻撃するのか…といった、攻撃の狙いが必要になった試合だったと思うのですが、それが感じられないまま終わった試合だったと思います。


 ここ3試合負けなしということになりますが、得点に関してはいずれもラッキーなものだったと思います。
 甲府戦での近藤のシュートも相手DFに当たって決まり、岡山戦でもクロス性の船山のボールがバーに当たってゴール。
 そして、この試合でもサリーナスのクロスが相手に当たって、小島がうまくトラップして決めることが出来た展開ということで、攻撃面の課題は変わっていない印象です。



 一方で守備においても大宮戦ではこれだけチャンスを数多く作られてしまったわけですから、守備に問題はなかったとは言えないでしょう。
 大宮の中に入ってくる選手に対して選手が集まるも潰せず、その外を使われることが多かったし、ロングボールへの対応も相変わらず苦手な印象です。
 さらにサリーナスなども狙われており、個々の対応にも課題があったと思います。


 それでもここ3試合で失点が少なく済んでいるのは、やはり無理にハイラインを維持しない形にシフトしたことが大きいのではないでしょうか。
 大宮戦での終盤に守備で粘れたのも、後方に人数を固めたからこそだと思います。
 それによって、無駄な失点も少なくなっているように思います。



 結局ハイラインを維持することでハイプレスをかけやすくしようという意図だったと思うのですが、昨年から組織的なハイプレスが一向に整備できなかったため、ハイラインのメリットは少ない状況だったと思います。
 そのため、ここ数戦はハイラインの維持を諦めた印象ですが、諦めたことによるデメリットは少なかったのではないでしょうか。
 それによってハイラインを諦めた分、後方の守備で人数をかけられるというメリットの方が、今は強く出ているのではないかと思います。


 ただ、それでもここ3試合、盤石な試合が出来たかというとそうではないと思います。
 特に大宮戦ではこれだけチャンスを作られたわけですから、守備のさらなる改善が必要となるのではないでしょうか。
 攻撃面でもチャンスを作りきれませんでしたし、まだまだやることはたくさんあると思います。
 しかし、性格的に勢いには乗りやすいチームだと思うので、この連勝で波に乗れればいいですね。