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工藤が完全移籍でジェフに復帰

工藤浩平選手加入のお知らせ(ジェフ公式サイト)


 大きなニュースが発表されましたので、緊急の更新です。
 その分明日のジェフ関連の更新はお休みしますが、日本代表戦に関するエントリーを書けたら書きたいと思います。
 いろいろと忙しい時期ですね。



 松本でプレーしていた、工藤がジェフに完全移籍で復帰しました。
 夏に誰かしら補強はあるのかなとは思っていましたが、意外な選手が来ましたね。
 今さらながら工藤に関して振り返っていくと、市原市出身でスクールからジェフに加入し、トップチームまで昇格した生え抜き中の生え抜き選手でした。


 オシム監督がジェフに就任した2003年に昇格すると、オシム監督時代には林や水野と共にスーパーサブとして活躍。
 アマル監督によって世代交代が進む中で、レギュラーを獲得します。
 2009年からは背番号10を付けますが、J2降格も経験し翌年にはキャプテンも務めました。



 しかし、2012年には京都に移籍し、移籍直後には左膝前十字靭帯損傷で重傷を負いますが、翌年からの3年間はレギュラーとして活躍。
 2015年には広島に移籍を果たしますが、出場機会を得られず、半年で当時J1だった松本に移籍。
 そこからは、松本で主力選手として活躍します。


 特に昨年は松本がパスサッカーを目指していたため、工藤も重要な立ち位置にいたと思います。
 しかし、今季は先日対戦した時もそうだったように、1トップ2シャドーに個人での打開力を求め、3トップ気味な人選になっている印象です。
 ライバルも増えたこともあって工藤の出番は激減し、ここまで12試合に出場してはいますが、先発は2試合止まりとなっています。


 特に前田大然と前田直輝の2シャドーがポジションを確固たるものにしつつあるので、移籍を検討したということなのでしょうか。
 工藤は広島でも出場できずすぐに移籍を決定しましたので、意外と出場機会を求めるタイプなのかもしれません。
 ただ、ジェフでのポジションが、確立しているわけでもないでしょう。



 ジェフは現在4-4-2で、SHには個人技で仕掛けるタイプを配置しているため、SHでは工藤に合わないでしょう。
 4-1-2-3であれば、インサイドでのプレーも可能かとは思います。
 あるいは逆に町田をウイングで使ったように、ウイングにパスを繋げる選手を置いて、インサイドなどに仕掛けられる茶島などを置くパターンもあるのかなとは思います。


 ただ、エスナイデル監督が本来やりたかった4-1-2-3が成立しなかったからこそ、4-4-2になってしまっているのだと思います。
 そのため、今から4-1-2-3に戻す可能性があるのか、戻してうまくいくのかといった問題があるはずです。
 少なくとも現在は、4-4-2で考えるべきなのかなと思います。



 現状のままポジションを考えるとすれば、ボランチなのでしょう。
 ただ、前にも話したように、今欲しいのは守備的なボランチの方ではないかと思います。
 チームとしての中盤のスペースを埋めきれていないし、熊谷も対人守備は強いものの気の利いたスペース管理が出来るタイプではないと思います。


 さらに矢田や小島など攻撃的なボランチはいるけれど、守備的なボランチは勇人のみと言っていい状況だと思います。
 意外と小島の戦線復帰に、時間がかかるということなのでしょうか。
 しかし、栃木戦で久々にボランチ起用された真希も、決して悪くない仕事をしていたと思います。
 結果的に工藤の補強で、先輩である勇人の立ち位置がなくなる可能性もあるということでしょうか。



 ただ、エスナイデル監督の場合は頻繁にシステムと戦い方を変えていくだけに、ポジションに当てはめずに良いと思った選手をを補強していくしかないのかもしれません。
 しかし、個人的には先日も話したばかりではありますが、果たして補強が必要なのかどうか…という疑問も感じています。
 現状のジェフはタレントが非常に多い状況で、例えば真希のボランチ起用などを見ても起用法によっては、現戦力で戦える方法はまだまだあると思います。


 現状では多くの選手が、控えから漏れていることになります。
 ここ2試合を見ても、エベルトや溝渕、鳥海や清武すらもベンチ外に。
 選手があふれてくれば当然若手の出場機会も遠のくし、チームへの不満にも繋がるかもしれないわけで、今は良くても将来的には問題が起こる恐れもあります。



 もちろんかといって、戦力的に物足りないと感じる部分もあるとは思います。
 ただし、必要なのはタレントの数を増やすことではなく、主軸としてチームのレベルを引っ張り上げることが出来るようなレベルの選手を保持することではないでしょうか。
 ここ数年のジェフは選手の頭数はいるけれども、そこが足りていない印象を受けます。


 J2に降格してからのジェフは若手育成も出来ていないため、戦力外となりつつあったベテランを補強してばかりでした。
 さらに近年は他チームで戦力になりきれなかった選手を、レンタルで補強して強化を進めています。
 しかし、他チームで戦力に慣れていない選手は、やはりどこかで物足りない部分が合ったり、課題を抱えている場合が多い印象です。



 選手育成でも後手に回り、日本人選手では大物は補強できず、かといって外国人枠は埋まってしまった。
 そのため、元ジェフで出場機会を失っていた、工藤に声をかけたということなのでしょうか。
 言い方は悪いですが、「これで夏の補強は行った」という、アリバイ的な動きというようにも見えなくはありません…。



 工藤も来月で34歳ということで、大ベテランの域に近づいています。
 ここ数年のジェフはベテラン補強をやめたのかな…とも思ったのですが、考えてみれば昨年も元ジェフの羽生などを獲得し、今年も増嶋などを補強。
 獲得に動いていたという米倉も30歳ですし、あまり変わってはいないのかもしれませんね。


 決してベテラン選手が悪いというわけではないですが、困ったら手近のベテランを補強してやりくりしようとしているのかなとも感じてしまいます。
 今回の工藤の補強に関しては少なくとも私のTLでは前向きな声が少なかったのですが、それも羽生が目立った戦力になりきれなかったからではないでしょうか。
 個人的には羽生に初めから多くを期待していませんでしたが、羽生に期待する声が多かったと思いますので、その反動というのも大きいのでしょう。



 完全移籍で半年契約ということはないと思いますので、来年もジェフに残ることになるのではないでしょうか。
 しかし、もし監督などが変わって、選手構成も大幅に変えたい…となった時に、ベテラン選手の契約が残っていれば、それだけお金の面でも契約枠の面でも選択肢が失われることにもなります。
 あるいは、工藤が加入したことによって、他の選手を手放さなければいけなくなる可能性も当然あるでしょう。


 選手を補強するということはそういうことだと思いますし、戦力が増えたからと言って単純に喜んでばかりもいられないと思います。
 もう1つ改めて思うのが、クラブとしてどういったサッカーを目指し、どういったクラブを作っていきたいのか。
 それによって、補強の方向性も違ってくるはずです。



 特にここ数年はアタッカー過多な印象もありますが、それをうまく活かせているのかと考えると疑問も残ります。
 当然クラブのビジョンによって、年齢構成なども考えなければいけないでしょう。
 夏の補強ということもありますし、短期的な視点だけではなく中長期的な考えが必要になってくると思いますし、賢い補強プランといったものが必要になってくるのではないでしょうか。


 ただ、高橋GMエスナイデル監督は今年結果が出せなければ最後になるかもしれないため、「少しでも戦力を」と絞り出した補強がこれだった可能性もあるのかもしれませんが…。
 工藤に関してはジェフ時代の終盤に重荷を背負わせ過ぎてしまった印象もあるし批判の声も少なくなかったですが、個人的には頑張ってほしい選手でもあります。
 ただ、チームが良い状況にならなければ、そこにいる選手たちも幸せにはなれないと思いますので、まずはチームがどうあるべきかを明確にすることが何よりも大事なのではないかと思います。