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ジェフが横浜FMから下平をレンタルで獲得

下平 匠選手加入のお知らせ(ジェフ公式)


 ジェフが横浜FMからレンタルで下平を獲得しました。
 これでこの夏のジェフは左SB高木が柏に移籍し、左SB下平を横浜FMから補強したことになります。
 高木の穴埋めということでしょうか。



 下平はG大阪ユース出身で2007年、倉田などと共にトップに昇格。
 当時はJリーグ全体で見ても左利きのSBの層が薄く、期待された選手の1人でした。
 しかし、G大阪では現新潟の安田が左SBにコンバートされ、2009年こそ27試合に出場したものの、代表にも選出された安田の前に苦戦を強いられます。


 その安田がフィテッセに移籍した後の2011年には、再び出場機会を伸ばします。
 しかし、その年に大卒の藤春が加入しシーズン後半に活躍すると、怪我もあった下平は大宮に移籍。
 大宮では元ジェフの鈴木監督、ベルデニック監督、小倉監督と指揮官が変わる中、2年間主力としてプレーし、2014年には横浜FMに移籍します。



 横浜FMでも当初はレギュラーとしてプレー。
 しかし、最近は徐々に出場機会を減らしていき、昨年ジェフでもプレーした山中がブレイク。
 今年はリーグ戦で出場機会がなく、ジェフに移籍ということになりました。



 個人的にはテクニカルな左SBというイメージで、あえて言うのであれば中村太亮に近いタイプではないかと思います。
 高木も技術のある選手でしたが、高さもあり守備も出来るオールマイティなSBといった印象でした。
 それだけに高木の後釜として補強したのではないかと思いますが、タイプは異なるのではないかと思います。


 気になるのは守備面で、あまりフィジカルに優れた印象はなく、スピードがあるタイプでもないと思います。
 今年で30歳とベテランと言って良い選手ですので、乾などよりは上手く立ち回れるという判断なのかもしれません。
 しかし、今の左SBは1人で複数人と対峙し、守備のバランスも取らなければいけない難しい状況ですから、どこまでうまく対応できるのか。



 それでも高木が退団して左サイドの守備がどうしようもない事態になっている印象ですので、左SBの補強はわからなくもない状況と言えるのかもしれません。
 しかし、昨日も話したばかりですが、左サイドの守備や乾のプレー内容の問題は、乾だけに責任があるものではないと思います。
 左SHが守備をしない状況下において、もともと攻撃的な選手で長期離脱明けのまだ若い乾に、左サイドの守備をすべて任せていることに大きな問題があるのだと思います。


 ようするに選手個人の問題ではなく、チームとしての問題によるところが大きい。
 それをクラブとして選手を補強することによって、左サイドの守備を"改善"する…というか"補修"したところで、根本的な解決には至らないと思います。
 ベテラン選手を左SBに置いてバランスを保ってもらえれば、チームとしての"体"は保てるという判断なのかもしれませんが、果たしてそれがクラブの将来のためになるのか。



 これでこの夏のジェフは高木、岡野と若手から中堅が退団し、工藤、下平と出場機会を失ったベテラン選手を補強したことになります。
 ベテラン選手ならチーム状況が悪かろうとも、ある程度の仕事は"こなしてくれる"でしょう。
 しかし、ジェフの現状を考えればチームのスケールアップになるようにはあまり感じず、あくまでも課題の多いチームを何とか延命しようという目先の補強のように見えてしまいます。


 結果的に乾や杉山などは出場機会から遠のく可能性が高いのでしょうし、クラブの未来という点で考えるとデメリットになる部分もあり得なくはないと思います。
 もしここから本気でお金もかけて昇格も目指すというのであれば、一発にかけて監督交代を急ぐべきでしょう。
 しかし、そうでないのであれば現段階で補強をしても焼け石に水になりかねませんし、今はあえて我慢を強いるという発想も必要ではないでしょうか。


 もちろんクラブの将来という観点においても早々に監督交代をすべきという発想もあるでしょうが、現状ですぐに良い監督が見つかるとも限らない。
 それならばこの半年は我慢して、オフに綺麗な状況で次にバトンを渡した方が良いのではないかと私は思います。
 いずれにせよ選手を補強するということはプラス面ばかりになるとは限らず、大事なクラブの将来にも繋がることだと思いますし、総合的に判断してクラブの行動というものを見ていかなければいけないのではないかと思います。