ホームフクアリで行われた福岡戦は、3-3の引き分けに終わりました。
ジェフは前節までの2試合ほど、優位には戦えなかったと思います。
相手の力関係もあったとは思いますが、元気のなかった2チームに比べて福岡戦ではセカンドボールで上回れなかったことが、大きな違いだったのではないでしょうか。
後半ATに失点して引き分けという惜しい試合ではありますが、試合内容から考えれば引き分けは妥当だったように思います。
それでもやはりジェフのコンディションは良いように見えましたし、勢いも感じました。
ただ、一方で優位な展開になっても勝ち切れなかったということで、まだどこかが足りなかったとも言えるのかもしれません。
■福岡ペースも1-1で折り返し
2連勝中のジェフは、スタメンを継続。
ベンチからは勇人が外れて、増嶋が復帰しました。
ゲリアは怪我という情報もあるようです。
連戦となる福岡は松田力がメンバー外で、右にユ・インス、左にドゥドゥが入りました。
ウォン・ドゥジェ、古賀が控えに回って、枝村、駒野がスタメンに復帰。
また、出場停止の篠原に代わって、實藤がスタメンとなりました。
立ち上がり、福岡は積極的にプレスをかけてきます。
ジェフがボールを持つ展開も、うまく攻め込めない状況に。
福岡はそこからカウンターでチャンスを伺います。
12分、福岡が先制。
右サイド後方の枝村が裏へパスを出しレオミネイロが受けると、近藤に競り勝ってバックパス。
これを受けた鈴木が、フリーでミドルシュートを決めて1-0に。
鈴木のミドルシュートが素晴らしいシーンではありましたが、その前にレオミネイロを自由にさせ過ぎだったと思います。
また、レオミネイロに仕掛けられて全体のラインが下がり、鈴木のシュートコースを消し切れていなかった。
対面の小島が下がって対応したため、鈴木がポッカリと空いてやられた場面でした。
しかし、その直後にジェフが同点ゴール。
近藤からのロングパスに町田が斜めに飛び出すと、GK圍が飛び出して倒してしまいPK。
これを船山が決めて1-1に。
20分頃からは福岡のペースに。
ジェフはボランチがDFラインまで下がって受けるので後方ではボールを持てるものの、そこからは上手く持ち込めず長いボールを蹴ってロストする場面が続きます。
福岡はジェフにボールを持たせながらも要所要所でプレスを強めてボールを奪い、ドゥドゥとレオミネイロを中心に仕掛けてきます。
24分、福岡の攻撃。
枝村が近藤から矢田へのパスを読んで、高い位置でボール奪取。
レオミネイロが受けてシュートを放ちますが、熊谷がブロック。
40分にはジェフの攻撃。
ゴール前での枝村のハンドで得たFK、船山が直接狙います。
これがジェフにとって久々のシュートだったと思いますが枠を捉えきれず、1-1で前半を折り返します。
■点を取り合って3-3の引き分け
攻撃の作れなかったジェフは、矢田を下げて為田を投入。
48分、ジェフが追加点。
左サイド角度のないところで得たFKを、船山が見事に決めて2-1に。
50分、福岡のチャンス。
左サイドを抜け出したドゥドゥが、中央へ切り込んでシュート。
これをGK大野が弾き、石津が合わせますが枠の外。
その直後にも福岡の攻撃。
石津からのパスを受けたドゥドゥが、今度は早いタイミングでセンタリング。
レオミネイロがシュートを放ちますが、ポストの左。
54分、ジェフの攻撃。
中盤でボールを拾った小島が縦パス。
これが相手選手に引っかかり、指宿が拾ってシュートを放ちますが、GK圍が正面でキャッチ。
61分にも福岡の決定機。
左サイドのCKの流れから、ドゥドゥがこぼれ球を拾ってシュート。
しかし、バー直撃でゴールならず。
猛攻を仕掛ける福岡は、64分にレオミネイロに下げて木戸を投入。
65分にも福岡のチャンス。
駒野からのパスを右サイドで受けたユ・インスがセンタリングを上げ、ドゥドゥがシュートを狙いますが、GK大野が対応。
70分、ジェフは町田に代えて茶島を投入。
その直後、左サイド深い位置でのFK。
駒野が蹴ると、ポッカリとフリーになった吉本が合わせて同点に。
74分、福岡は枝村を下げて山瀬を投入。
76分、ジェフは指宿に代えてラリベイを投入。
その後も、福岡が攻め込む展開が続きます
しかし、81分にジェフが勝ち越し点。
GK圍のロングキックが弱く、近藤が拾うと右サイドへ繋ぎます。
これを茶島が受けて鋭いボールを前線に供給すると、船山が合わせてハットトリック達成。
その直後、福岡はユ・インスを下げて城後を投入。
後半AT、このままジェフが逃げ切るかと思われましたが、左サイドの奥で粘って山瀬がセンタリング。
これがジェフの選手に当たり、軌道が変わって城後が押し込み、3-3で引き分けに終わりました。
■福岡に猛攻に耐えて3-3の引き分けも…
ジェフとしては前半は攻撃が作れず、あまり良い展開とは言えなかったと思います。
PKから1点を奪うもGK圍の不用意な飛び出しのように見えましたし、無駄なボールロストも多かった。
試合前にも話しましたが、やはり攻撃の質は大きく変わっていないようにも思えます。
それでも後半開始早々に船山が見事なFKからゴールを決めると、福岡が前に出てきてくれた。
それによって良い形で、攻め込める回数が増えた試合だったのではないでしょうか。
ジェフはリードしていても試合終盤まで前への姿勢を変えないので、リードしていると裏を取ってチャンスを作れるという傾向があると思います。
一方で守備においては甘さも感じられ、特に2失点目は吉本を空けてしまいました。
1-2になってからの福岡の猛攻を、しのげなかったことになると思います。
ドゥドゥを最後まで好きにやらせ過ぎていた印象もあります。
中盤の守備の戻りを中心に、以前より守備意識が高まり粘り強く戦えたようにはなったと思います。
それでも福岡の方がチャンスを作れた試合だったと思いますし、終盤は足が止まって中盤がぽっかりと空くケースもありました。
全体的な流れで言えば、どちらかといえば福岡ペースだったのではないでしょうか。
福岡は連戦でのアウェイゲームということで、難しい部分もあったのかもしれません。
レオミネイロの足が止まったところで、森本、松田といった主力候補がベンチにもいなかったことも大きかったのではないでしょうか。
上位を伺うことを考えれば、勝ちたい試合だったということになるのでしょう。
それでも後半からの猛攻には"本気度"を感じました。
そこで1点を奪い切ったことも含めて、福岡の強さを感じる試合でした。
J2ではああいった猛攻を仕掛けられても相手が警戒した状態だと、点を取りきれないチームも多いと思います。
その福岡を相手に、猛攻を1点で凌いで点を取り返したこと。
そして、3-3で終えられたということで、ジェフとしては頑張った試合だったとも言えるのでしょう。
しかし、それを"頑張った"で終えていいのかどうかは、悩ましいところです。
相手の力を認めることも重要ではあるとは思いますが、一方でジェフも同じカテゴリーで戦っているわけで、相手をリスペクトしすぎるのも違う気がします。
特に失点数が多いという今までの問題が再び生じてしまったわけで、守備の甘さに関しては反省しなければいけない部分があるのではないでしょうか。
いずれにせよ、ジェフとしては2連勝の後の引き分けということで、この引き分けでチームの勢いを止めないことが大事なのではないかと思います。