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来季に向けての残り試合 3バックとの連戦に

 ホームでの2連戦となった福岡戦、横浜FC戦で、勝点1しか獲得できなかったジェフ。
 この2試合での結果をもって、実質的に今季の終戦と言えるのかもしれません。
 もっとも今年は開幕戦からPO争いに参加できていませんでしたし、戦いに加わることすら出来なかったシーズンとも言えるのかもしれません。



 前節横浜FC戦の敗戦で、ジェフは16位まで順位を下げています。 
 ちなみに昨年終盤には7連勝を遂げて、最終節に勝点1差で6位に浮上しPO進出を果たしていますが、昨年は残り7試合の段階で6位との勝点差は10でした。
 現在は6位との勝点差が15もありますので、例えここから全勝したとしてもPO進出は出来ないかもしれません。


 それ以前に現状だとJ2に降格して初めて、一桁順位に一度も入らずに終わる可能性が出ています。
 さらに現在は16位ということで、過去最低となる2016年の11位を超えられるかどうかも際どい状況です。
 もちろん成績が全てではないとはいえ、内容も含めてかなり苦しいシーズンと言えるのではないでしょうか。



 また、前節横浜FC戦ではジェフ対策をしっかりとはめられて、やられた試合でもありました。
 これまでは3バック相手だと相手が5-4-1になるため押し込みやすく、比較的戦いやすい印象もありました。
 しかし、横浜FCは3ボランチでバランスを取ることで2トップを維持し、簡単には押し込まれなかった印象です。


 さらに左WBが前に出て守備をすることによって、中盤の薄さもカバー。
 また、5バックをベースとすることでサイドを取られず、タッチライン際に追い込むという5バックのメリットも打ち出してきました。
 横浜FCも攻撃に移る部分ではもう1つだった印象で、特に前線で裏抜けを出来る選手がいなかったのは痛かったのではないかと思いますが、守備対策は見事だったと思います。


 特にジェフはここから愛媛、熊本、山形、大分と3バックをメインとしたチームが続き、その後も徳島や栃木などとの対戦が残っています。
 もちろん横浜FCのような2トップに3ボランチというシステムを敷くチームは少ないでしょうし選手なども違うわけで、そのまま真似をするのは難しいかもしれません。
 しかし、それでも参考になる部分はあるのではないでしょうか。


 
 今季の愛媛は間瀬監督2年目となりましたが、残念ながら5月15日に成績不振のため解任。
 なお、間瀬監督は7月に秋田の監督に復帰し、4連勝を遂げるなど成績を伸ばしています。
 愛媛は後任に37歳と若い川井監督をU-18から昇格させると、当初は苦戦していましたが、7月には4連勝を果たし残留争いから1歩抜け出しました。


 川井監督は守備からチームを作っていった印象で、等間隔に並んでチームで守る形を取っているように思います。
 5-4-1で組織を作り、4バック相手の場合はそこから1トップが相手CBを追って、両シャドーが前に出て相手SBにプレスをかける。
 比較的シンプルなディフェンスと言えるのではないでしょうか。



 前節愛媛と対戦した福岡は愛媛の守備を逆手に取って、SBを高めに押し上げていた印象です。
 それによって相手を押し込むという狙いがあったのではないかと思いますし、普段のジェフとも近い部分を感じました。
 しかし、簡単に押し込まれないように、愛媛も粘り強く対応していたと思います。


 一方で攻撃面では苦戦していた印象で、愛媛の総得点30は讃岐の24、京都の29に次いで、J2で3番目に少ない数字となっています。
 サイドや後方でトライアングルを作り、細かくパスを繋いで打開するという狙いなのかもしれません。
 しかし、そこから前に持ち運ぶという点で、苦労しているようにも感じます。



 それでも、前々節の栃木戦では、3点を取って3-1で勝利。
 そして、前節福岡戦も敗れはしましたが、2-3で2ゴールを上げています。
 カウンターがメインといった印象ですが、攻撃面での調子も上がっているのかもしれません。


 その中心となっているのが、ユース代表にも選出された神谷だと思います
 青森山田では高橋壱晟の1年前に10番をつけており、昨年までは湘南でプレーし今年はレンタルで愛媛に移籍。
 湘南ではボランチが中心でしたが、現在はシャドーでプレーしキレのある仕掛けを見せています。



 守備面では夏頃から失点が減っており、毎試合のようにジェフからレンタルしている岡本がファインセーブを見せています。
 また、小池も8月に入ってからWBで主力として活躍し、さらに前節福岡戦では吉田眞紀人が1トップで移籍後初スタメンを果たしました。
 ただ、残念ながらジェフ戦では出場できない契約となっています

 
 ジェフに関しては、ここ2試合勝ち星から遠ざかっていますが、コンディションは悪くなかったようにも思います。
 前節横浜FC戦でもダブルボランチを中心に守備意識は高かったと思いますし、2連勝を遂げた山口戦、岡山戦から状態は大きく変わっていないのではないでしょうか。
 過去2試合は上位との対戦で苦戦したところもありましたが、ここからは下位チームとの戦いが続きます。



 ただ、中盤の守備意識が高まったことによって、結果的に尖った部分が少なくなって平凡なチームに近づいた印象もあります。
 その結果として攻撃面における質の課題が、逆に目立つ状況にもなっているのではないでしょうか。
 もともとあった課題ではありましたが、守備面が落ち着いた分、攻撃面の物足りなさが浮き彫りになってしまったのではないかと思います。


 そういったチームの変化も影響してか、横浜FC戦では淡々と終わってしまった印象もあります。
 PO進出を考えれば全勝しても届くかどうか…という崖っぷちな状況だったはずですが、あまりそういった危機感は感じなかったようにも見えました。
 過去の例からしても、終盤に帳尻合わせをした翌年の終盤は勢いに欠けることが多い印象で、今年もそうなってしまうのでしょうか。



 やはりそれだけ一時期の勢いというものは信用できないものであり、ピッチ上で起こっていることに対して、しっかりとクラブの全員が向き合わなければいけないように思います。
 それが今のジェフに足りないところということでしょうか。
 愛媛戦では熊谷の出場停止や台風の影響なども心配されますが、ともかく残り試合でどこまで戦えるのか。


 そして、今後のジェフとどう向き合っていくべきなのか、様々な観点から見ていかなければいけないように思います。
 フロントはどういったクラブを目指すのか、選手はこのクラブで何を残したいのか、サポーターはクラブに何を望むのか。
 そこが明確になって1つの方向性にまとまらなければ、この状況からは脱せないように思いますし、それを固めるための残り試合になってくれればと思います。