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岡本「引退するか悩んでいた時にオファーをもらった」

 ジェフ一筋で長年プレーしていた岡本ですが、昨年は公式戦出場が1試合もなく、今年は愛媛にレンタル移籍。
 移籍先の愛媛では見事な活躍を見せ、チームを牽引する立場となっている印象です。
 Football LABによるデータによると、岡本はセーブポイントでJ2選手の中でトップの数値を出しているそうです。


 先日のジェフ戦でも目立ったファインセーブこそなかったですが、安定したプレーを披露。
 若い頃は気持ちの部分で弱さが出てしまう印象もありましたが、愛媛では周りを鼓舞する姿勢も目立ち、堂々たる振る舞いを見せていると思います。
 チームとしても前節福岡戦で3失点しているだけに、ジェフ戦を無失点で終えられたことは大きかったのではないでしょうか。



 ジェフ戦での岡本は、ビルドアップの面でもほぼミスはなかったと思います。
 DFに細かく繋ぐ判断も素早く正確にパスを出していましたし、ロングキックもしっかりと前線へと大きなボールを供給。
 岡本は昔から調子が悪いとキックミスが目立つ傾向もありますが、今は心身ともに充実しているのかもしれません。


 さらに、34分には前線の藤本へ、胸トラップが出来る位置にロングボールを展開。
 藤本はそこから中盤に落として、神谷が間で受けて、裏へと走り込んだ藤本が受けてチャンスを作っています。
 これが反撃の狼煙となった場面で、その起点となったのが岡本のキックだったということになります。



 J's GOALの記事によると、岡本は「千葉で引退するか悩んでいた時に愛媛からオファーをもらった」とのこと。
 岡本も今年で35歳という年齢になり、昨年公式戦で1度も試合に出ていなかったことを考えれば、引退を考えるのは当然のことでしょう。
 フロントとしてもこのまま岡本を残したところで、飼い殺し状態になりかねなかったと思います。


 しかし、移籍先の愛媛では、J2のGKの中でもトップクラスの活躍をしていることになります。
 ただ、これも意外な活躍とは言えないようにも思います。
 なぜなら、岡本は2016年終盤に少ない出場機会ではありましたが、長谷部監督就任以降に主力としてプレーし、安定感のある見事なプレーを見せていたからです。



 それを考えると、むしろなぜ昨シーズン、1試合も出場できなかったのか。
 延いては2016年終盤にある程度の形を作った長谷部監督がいたにもかかわらず、なぜあえてエスナイデル監督を選んだのか。
 改めて、そのあたりの判断能力に、大きな疑問を感じる部分があります。


 岡本に限らずジェフから他チームに移籍して成功を遂げている選手たちが多数存在する状況となっており、ベンチにも豪華なメンバーを揃えている印象ですが、それを活かせていないというのが現状ではないでしょうか。
 もちろん熊谷や鳥海、現在では大野など、エルナイデル監督の下で出場機会を得られた選手も多いとは思いますが、一方でその犠牲になった選手も数多くいることを忘れてはいけないように思います。
 やはり良いサッカーチームを作るためには優秀な監督を招聘することが何よりも重要なのではないかと思いますし、そこに失敗すれば安定した選手の活用や育成も期待しづらいように思います。



 岡本は試合後に「千葉に対して無失点勝利した気持ちは?」と聞かれて、「意味があるものであってほしい」と答えています。
 前後の流れからして、愛媛にとって今後に繋がるものであってほしいということなのかもしれませんが、深い言葉だなと思いました。
 勝っても負けても「意味があるもの」であることが重要だと思うのですが、近年のジェフは結果ばかりを見ている印象で、その点においての意識が希薄な印象も受けます。


 1試合戦ったらそれで終りで、次への繋がりが感じられない。
 簡単に一喜一憂して、何も学ばずに次へと進んでしまう。
 これは試合に限らずシーズン単位でも言える印象で、ジェフにとって2018年シーズンとは、どういった「意味があるもの」として捉えられていくのでしょうか…。