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乾が12試合ぶりのスタメン出場

 乾が岐阜戦で久々の出場を果たしました。
 乾が公式戦に出場したのは、8月18日の水戸戦以来。
 スタメンとなると8月4日の松本戦以来ということで、実に12試合ぶりということになります。


 8月25日の東京V戦以来、控えメンバーにすら入れていませんでしたので、岐阜戦は突然のスタメン抜擢といった印象でした。
 乾のコメントは以下の通り

乾貴哉「全然自分のプレーができませんでした。そして、アグレッシブさも欠けていた点だと感じています。試合勘やコンディションはまったく問題ありませんでした。周りとどう声を掛け合えるかとかそういった部分で、少しズレが出てしまったと思います」

 チーム全体として苦戦したこともあって、あまり乾の出来も良くなかったように思います。
 本人の感覚からすると、試合勘やコンディションには問題がなかったとのこと。
 ただし、久々の出場で周りとの連携があわなかったという印象のようです。



 今回に限らず、エスナイデル監督は選手を突然スタメンに抜擢することが多いですね。
 しかし、いきなりスタメンで出場させるから、どうしても細かな連携が合わなかったり、試合勘などに問題を感じることが多い印象です。
 そこから数試合スタメンで強引に使うことによって慣れてくるケースもありますが、その間は苦労することも多いのでその分損しているようにも感じます。


 途中出場で慣らしてからスタメンで起用した方が、そういったリスクも減るのではないかと思います。
 このあたりはスタメンを頻繁に変えることも含めて、レアル・マドリードのようなビッククラブでプレーした監督らしいやり方ということになるのでしょうか。
 ただ、ジェフはそこまでの選手層ではないし、いきなりスタメンで起用されて順応できるレベルの選手も少ないのではないかと思います。



 乾に関しては、以前から感じてはいましたが、やはり細かなプレーは得意ではない選手ですね。
 守備においても相手のプレーを予測する動きが遅く、後手に回ることが多かった印象です。
 体格の面では乾の方が優れていますが、細かなポジショニングなどはやはりベテランの下平の方が優れていると思います。


 また、攻撃面においても、飛び出すタイミングなどは下平の方がうまい印象を受けました。
 連携面の問題もあるようには思いますが、乾は自らが動いて左サイドの攻撃を活性化するということが出来ていなかった印象です。
 攻守において細かなミスも目立っていた印象で、他の選手をうまくサポートできていなかったですね。



 ただ、これはどちらが優れているかというよりも、タイプの問題があるのではないかとも思います。
 下平はパス出しの部分や飛び出す動きなどを見ても、自分が黒子になって前方の選手を引き立てる動きが出来る選手だと思います。
 逆に自らが目立って、試合を決めるというようなプレーは少ないようにも感じます。


 一方の乾は本来自分から仕掛けていったり、ダイナミックなクロスなどを上げてチャンスを演出するなど、一発のある選手ではないかと思います。
 どちらかといえば、周りに活かされる側の選手ではないかと思います。
 これは経験値の違いなども大きいのかもしれませんが、思い切りの良いプレーこそが乾の持ち味ではないでしょうか。



 それだけに前方に為田のような選手を起用するのであれば下平の方が良いのではないかと思うし、乾としては町田が入ってからの方がやりやすかったのかなと思います。
 また、守備面で考えても、町田の方がSBをサポートできて、乾との相性が良いのかもしれません。
 乾の良さを引き出すのであればチームとしてSBが仕掛けられるような展開を作りたいところではないかと思いますが、現状のチームだとSHが仕掛けるサッカーになっている印象なだけに難しいところがあるように思います。


 それでも岐阜戦での乾はCKから高さを見せたヘディングシュートや中盤からのミドルシュート、船山を走らせる裏へのパスなど、いくつか良いプレーを見せていたと思います。
 特にCFをスタメンで起用していなかっただけに、セットプレーにおける高さをプラスするという点で重要な存在だったのかも知れません。
 若いため選手としての完成度は低いもののポテンシャルは非常に高い選手だと思いますから、周りがサポートして引き出してあげることが大事なのではないでしょうか。



 なお乾は1失点目の話に関して、このように話しています。

「自分が外のコースを切っていれば、GKが真正面で防げていたか、自分が止められていたと思います。あそこは改善できる部分だと思っています。」

 しかし、昨日も話しましたが、田中の落としを受けた宮本が前を向いて持ち上がった時点で、乾は1対1の状態だったと思います。
 さらに左サイドでフリーになったライアンまで数えれば、1対2の数的不利にいたと言えるでしょう。
 それだけにあそこで乾が外のコースを切るというのは、至難の業だったと思います。


 問題なのは乾の対応ではなく、それまでの守備と全体のバランスのとり方だったのではないでしょうか。
 チームとしてまだ若く久々に出場した乾を、こういった難しい局面に置かせてしまうことがすごく残念ですね。
 やはりチーム全体の状況が厳しいと、若手を育てる環境を作るのも難しいように思います。