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パスサッカー3連戦の最後は徳島

 11月に入り、今年も残すところあとわずか。
 ジェフは今週末、ホームで徳島と対戦します。
 大分、岐阜に続いて、パスサッカーを展開するチームと戦うことになりますね。


 ただ、パスサッカーと言っても、それぞれに意図は違うように感じます。
 大分は相手を引きつけておいて、揺さぶり、縦に展開する。
 そうやってピッチ全体を使い、相手の薄いところを作って、そこを鋭く突くパスサッカー。


 岐阜は選手が密集する傾向があり、その中でポストプレーなどを効果的に使って、周りの選手に前を向かせるサッカー。
 大木監督はウイングにポストプレーを求めることもあり、古くは甲府で190cmのバレーをウイングに置いてサイドで起点になりながら、ゴール前にも飛び出す攻撃をしていました。
 ジェフ戦での田中のプレーには、当時の甲府も思い出しました。



 徳島は2列目の選手を中心に相手の間で受けたり、裏へ飛び出したり、ポストプレーをしたりといったパスサッカー。
 後方からのパスを引き出して、動きながらボールを受けて、相手を錯乱させるというのが特徴ではないでしょうか。
 かなり流動的なサッカーをしている印象です。


 ただ、今シーズン前半の徳島は、得点力面で苦労し勝点を伸ばせず。
 そこでシーズン途中にウタカ、バラルといった強力なFWを獲得し、夏場には大きく成績を伸ばしました。
 しかし、現在はその勢いも止まり、6戦勝ちなしの5連敗となっています。



 やはりFW渡の移籍は大きかったということでしょうか。
 流動的なサッカーをしているだけに、FWが裏に飛び出してゴールを狙うだけでなく、縦に抜けることによってスペースを作るという効果が大事だったのかもしれません。
 バラルは得点力が高い選手ですが運動量豊富なタイプではないでしょうし、ウタカもボールも持ちたがる傾向があり攻撃のリズムが悪くなるのかなと思います。


 また、昨年から感じてはいましたが、ロドリゲス監督は選手やシステムを動かし過ぎる傾向がある気がします。
 例えば今季加入したシシーニョなどは一時1ボランチで定着していましたが、9月に入ってシャドーに戻されると前々節東京V戦ではSBでプレーし、前節横浜FC戦ではスタメンを外されています。
 単純に力不足という判断なのかもしれませんが、頻繁に選手を変えるために攻撃の柱が固まっていないのではないかという印象を受けます。


 現在の徳島は10位まで順位を落としており、このままいくと昨年の7位より成績を下げることになります。
 さらに終盤の大きな失速も加味すると、もしかしたら来年は体制を変える可能性もあるのでしょうか。
 ただ、そうなると、さらに低迷しているジェフはどうなのか…という話にもなってくるように思いますが…。



 ジェフは大分に続いて岐阜にも完敗といった印象で、選手も元気がなかったように思います。
 ただ、むしろよくここまで気持ちを切らさずに戦ってきたな…という気持ちもあります。
 もちろんプロとしては最後まで全力で戦うというのが基本ではあるのでしょうが、プロだからこそ納得のいかない部分もどこかにあるのかもしれませんし。


 また、元気がなかったとはいえ、最低限のプレーはしていたと思います。
 これが海外のチームになるともっと明白にやる気のない時は戦わないことが多いと思いますし、日本代表の親善試合に呼ばれたチームなどははっきりと気持ちが切らしてしまうことが多いですね。
 日本人の教育方針として「ダメでも最後まで頑張る」というものがあるから大きく気持ちが切れることは少ないのでしょうし、逆にその分「ここぞという時に頑張る」といったずる賢いやり方は得意ではないのかもしれません。



 それよりも個人的には大分、岐阜とパスサッカーのチームと戦ったことで、攻撃の質に差を感じたことの方がショックでした。
 ジェフの攻撃は、サイドに人数をかけて縦に仕掛けることとプレスをかけることによって相手を押し込む。
 そして、相手を押し込むことによってセカンドボールを拾いやすくして、ボランチが高い位置を取って縦へ…という展開が狙いと言えるでしょうか。


 ただ、そこから先の攻撃に関しては靄がかかったように不明瞭な印象で、ボール支配率は高いものの"パスサッカー"という印象は全くないですね。
 だから、山形戦のように相手にスペースがある状況で、シンプルに縦に仕掛けてチャンスメイクという段階でゴールが決まれば、ジェフが優位に戦える。
 しかし、そこでゴールが生まれず、相手がスペースを消すような展開になると苦戦してしまいますね。



 基本的には人数をかける捨て身のサッカーがベースとなっているような状況なだけに、得点は生まれやすい傾向はあるのかもしれません。
 ただ、その分、失点も多いので「攻撃がうまく作れている」という印象を、あまり受けないように思います。
 それがこの2試合で、より明確に出てしまったのかなといった印象です。


 徳島戦もパスサッカーを展開してくるチームではありますが、5連敗ということで決して状況は良くないのではないかと思います。
 さらにジェフのホームということで、追い風もあるのではないでしょうか。
 いいところのないシーズンとなっていますが、最後は意地を見せてほしいところだと思います。