当ブログはプロモーションを含みます

7月21日以来のスタメンとなった増嶋

 7月21日讃岐戦以来となる16試合ぶりのスタメン出場を果たした増嶋が、徳島戦での勝利に貢献しました。
 攻撃面では1ゴール1アシストと結果を残し、守備でもDFリーダーとして無失点で完封と、久々の出場ながら存在感を見せていたと思います。
 なお、増嶋本人は「ケガをして出られなくなって、サブに回る時間が長かった」と話しており、出場が遠のいたのは怪我の影響もあった模様です。


 増嶋は昔からセットプレー時の駆け引きが得意なイメージがあり、ゴールもアシストも簡単なプレーではなかったと思います。
 ゴールシーンではニアでゴールに離れながら相手のマークを外して頭で合わせ、アシストシーンでもニアで先に触ってうまくファーへフリックしています。
 この日のジェフは攻め込みながらもセットプレー絡みのこの2点のみに終わっていますし、増嶋のプレーはどちらも貴重なものだったと思います。



 一方で守備面においては、試合序盤にイエローカード受けています。
 危険なプレーが多いのも、以前からの増嶋の特徴といった印象です。
 その流れもあってか鳥海、ゲリアと立て続けにイエローカードを受けており、特に鳥海のタックルは一発退場でもおかしくないプレーだったのではないでしょうか。


 警告を受けた増嶋のタックルは褒められるものではないと思いますが、その後の守備陣は少しずつ落ち着きを取り戻していきました。
 バラル、ウタカ、佐藤と強力なFW陣を擁する徳島ですが、増嶋を中心に冷静に戦えていたのではないかと思います。
 ジェフの無失点試合は9月9日の岡山戦以来ということで、約2ヵ月ぶりということになります。



 今年の開幕頃から感じてはいて、徳島戦を見て改めて思ったのが、増嶋が最終ラインにいる方が若干ラインが深くなりがちなのかなということ。
 ラインの高さと言っても、状況によって異なるはずです。
 「後方でのボール保持時」や「攻め込んだ時」、「ボールを奪われた直後」や「攻め込まれた時」などで、ラインの高さも変わってくるでしょう。


 昨年終盤までのジェフは「後方でのボール保持時」以外において、なるべくラインを高くして戦ってきました。
 今年に入ってからは、「攻め込まれた時」に無理にラインを維持することをやめている印象ですが、それでも若干浅い印象です。
 そのため、今でも裏を狙われることが多いですね。



 増嶋がいる時に最も強く違いを感じるのは、「ボールを奪われた直後」にラインを下げる判断に関してで、ここが近藤がコントロールしている時よりも早く下がるのかなと感じます。
 特に昨年終盤までや今年の山形戦・大分戦でハイプレス・ハイラインをもう一度やろうとした時には、ボールを奪われた直後でもハイラインを維持して、狭い局面を作り上げてハイプレスで奪い返そうという発想だったように思います。
 しかし、昨年終盤にはそれが無理だと感じてハイプレス・ハイラインを諦め、今年も涼しくなってきて山形戦から再びチャレンジしたものの、大分戦で敗れて諦めたのかなと感じます。


 その引いて守る形なのであれば、多少深く守りがちな増嶋の方が近藤より適しているということもあって、久々のスタメンだったのでしょうか。
 今シーズン前半には深く守る方向に方針転換するため、5月末に近藤をキャプテンから降ろして、今後は増嶋中心で行くつもりなのかな…とも感じました。
 しかし、実際には近藤が主力として戦い続けて、増嶋は怪我があったにせよ長らく外されていたわけで、あのキャプテン交代の意図は結局謎のままですね…。



 結果的に徳島戦では若干深く守る増嶋の効果も出て、ゴール前を厚くして守れた部分もあったのかなと思います。
 ただ、その分どうしても押し込まれる時間帯も増えがちになるわけで、一概にそれが良いのかどうかというのはわからないところがあります。
 押し込まれた状況でもバランスよく守れるのであれば良いのかもしれませんが、現状だとそれが出来ているとは言いにくいところがあると思います。


 現在の増嶋は柏からのレンタルという形でジェフでプレーしているため、来年どうなるのかわからないところがありますね。
 増嶋も来年には34歳になりますし、ここに来て1つ成果は残せたとはいえ、長らくスタメン出場もない状況でした。
 来年で36歳になる近藤とベテランCBを二人も残すのか…という問題も出てくるでしょうし、近藤との関係性も関わってくるのかもしれません。



 その他にも来年で37歳になる大ベテランの勇人や35歳になる工藤やラリベイの動向も、気になる時期になってきましたね。
 元日本代表GK川口やジェフでもプレーした兵働の現役引退も発表になりましたし、ジェフの選手に関してもいろいろと覚悟はしなければいけないのだろうと思います。
 もちろん引退の可能性だけでなく、契約満了者も出てくるでしょう。


 増嶋に関しては徳島戦で良いアピールをしたということで、来年どうなるにしてもこれが良い方向に繋がると良いですね。
 もちろんジェフに残る可能性もあるのでしょうが、ジェフの場合はその前にチームの体制がどうなるのかという大きな問題もあります。
 まだ残り2試合がありますので、増嶋が継続して試合に出場できるのか、そこでどういったプレーをするのかも大事になってくるのではないでしょうか。