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エスナイデル監督「中央からの攻撃を増やしたいと考えていた」

 栃木戦の後半から4-1-2-3から4-2-3-1に変更したことに関して、エスナイデル監督は「中央からの攻撃を増やしたいと考えていました」と話しています
 「外は相手がうまく封じていた」とも話しており、先日話した栃木のサイド対策に苦労していたという認識があったのでしょう。
 状況によって「中央からの攻撃を増やしたい」という意図は、エスナイデル監督の中にもあるようですね。


 ただ、これが具体的にどういった形を想定していたのかは、試合を見てもわかりにくかったように思います。
 エスナイデル監督は船山の後ろに矢田を置いてうまく連動するか試したと話しているので、そこが狙いということにはなるのでしょう。
 しかし、「試した」というニュアンスからしても、あまり具体的な考えはなかったのかもしれません。



 実際の試合でもトップ下に移ってからの矢田は、左サイドに流れることが少なくなかったように思います。
 動きとしては4-1-2-3のインサイドにも近いようなイメージで、中央で何かが出来たわけではなかった印象です。
 それもあって、60分と早い段階で矢田が下げられ、指宿を投入したのでしょうか。


 また、ダブルボランチにしたことによって、ビルドアップの枚数を増やそうとしたのかなとも感じました。
 ダブルボランチになってからは小島がDFラインに下がることも多く、それによってCBを左右に広げていたように思います。
 ただ、栃木は左右に開いたCBに対してシャドーがプレスに行くことによって、大きく変わらず冷静に対応していた印象です。



 船山は「4-2-3-1にしてから流れが良くなった」と話していますが、正直あまりそういった印象は受けませんでした。
 むしろ後半序盤は栃木のプレスに苦しみ、前にボールを持ち込むことにも苦労していた印象です。
 80分以降は栃木の足が止まってジェフも押し込むことが出来ましたが、そこはシステムとの関係はなく、後半開始から80分まではチャンスらしいチャンスはなかったと思います。


 試合を振り返ると、後半に入ってチャンスを作れていたのは栃木の方だったと言えるでしょう。
 後半初めのPK、64分の大黒のループシュート、69分のCKからのパウロンのヘディングシュートと、優也のファインセーブがなければ、2,3点取られていてもおかしくない展開だったと思います。
 栃木は主力選手を数人欠いたこともあって、試合終盤は苦しくなってしまったものの、幾つかあった決定機のどれかを決めていれば理想的な展開になっていたと思います。



 個人的には4-2-3-1にしたことによってデメリットも生まれていた印象で、相手のボランチを止められなくなってしまったように感じました。
 栃木のPKに繋がる裏へのパスを出したのもボランチ古波津からで、ダブルボランチに移った小島が遅れて行ったものの間に合わず、フリーでパスを出されてしまいました。
 また、CKに繋がった栃木の攻撃もボランチ寺田の縦パスからでしたが、ここも船山が後ろから追ったものの前が空いて、フリーでパスを出されています。


 4-1-2-3ならインサイドの2人がそのままダブルボランチを見ればいいですが、4-2-3-1になると相手のダブルボランチの位置にトップ下の1枚のみとなる。
 そのため相手のダブルボランチへの対応が曖昧になり、そこから裏に出されてチャンスを作られる機会が増えた後半だったのではないかと思います。
 これも以前から感じられた課題で4-1-2-3だと1ボランチ脇をどう対処するのか、4-2-3-1だと相手のダブルボランチを誰が見るのかはっきりせず、いずれにしても中盤の守備を管理しきれていない印象を受けます。



 今季のジェフはハイプレスをかけられるのか、ハイラインをどうコントロールするのかといった問題だけでなく、中盤で誰がどのように守って、どうバランスを取るのかといった問題に悩まされ続けていた印象です。
 4-2-3-1のシステムにした場合、相手のダブルボランチを誰が見るのかといった問題は良くある話で、初歩的な問題でもあると思います。
 しかし、ジェフはシステムがころころ変わるためそこが熟成できず、初期トラブルが起き続けているのではないでしょうか。


 例えシステムを頻繁に変えたとしても、チームとしてのやることが明確であれば問題なく戦えると思います。
 しかし、そういった初期トラブルがこの時期に起こっていることから見ても、エスナイデル監督は基本的な約束事を整備できていない印象を受けます。
 だからこそ、選手のやりくりやシステム変化で対応しているところがあるのかもしれませんが、小手先の対応だけでは限界があると思います。


 エスナイデル監督で3年目を迎える可能性を考えるとして、果たしてそういった問題が突然変異か何かで改善される見込みがあるのか。
 ファンやサポーターが偶発的な何かで改善される可能性を期待したとしても、フロントに関してはサッカー運営のプロなわけですから、偶発的な可能性を信じるだけではダメなのではないかと思います。
 選手の入れ替えだけではどうしようもないところだと思うだけに、フロントの判断力が問われるところなのではないかと私は思います。