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2018シーズンを振り返る 溝渕雄志編

 本日から選手の振り返りに戻りますが、来週は暦通り25日から更新。
 そして、28日まで更新して、ブログ終了となる予定です。
 例年年末年始に選手の動きが多いですので、予定通りとはいかないかもしれませんが、最後までよろしくお願いします。



 さて、本日取り上げるのは溝渕。
 大卒からジェフに加入し2年目となった溝渕は、今年も右サイドを中心にプレー。
 右サイドの選手も安定しなかったので、ここで今年一年の右サイドを一度軽く振り返ってみましょう。


 開幕から3戦は、真希が右SBで出場。
 溝渕は第4節徳島戦で今季初スタメン初出場を果たしますが、この試合で退場に。
 第5節では真希が一度スタメンに戻って、溝渕は第6節京都戦、第7節大分戦でスタメン出場を果たすも、第8節金沢戦では左SBでプレーし、翌戦からはスタメンから遠ざかります。



 その後、右SBにはゲリアが2試合スタメンで出場しますが、固定化はされず。
 途中、真希と溝渕が1試合ずつ出場していますが、第11節甲府戦から第24節讃岐戦までは、右サイドにコンバートした茶島がコンスタントにスタメンに名を連ねます。
 これで右サイドは安定かと思いきや、第25節甲府戦から第34節横浜FCまでは溝渕が主力となっていきました。


 今度こそ落ち着いたかと思われた右サイドですが、シーズン終盤には溝渕も外されゲリアが主力となっていきます。
 結局、2018年の右サイドは茶島、溝渕、ゲリア、真希と4人で、出場機会を争う状況でした。
 4人とも確固たる主軸には、なりえなかったとも言えるのでしょう。



 Football LABのデータから右サイドのスタメン回数をまとめると、このような感じになります。


     右WB 右SB 合計
茶島    3   9   12
溝渕    2   10  12
ゲリア   0   10  10
真希    1   6   7
鳥海    1   0   1
 誰か1人を軸として他選手がいくつかの試合に出る形ならともかく、3人、4人と多くの選手でほぼ均等に出場試合数を分け合うのは珍しいと思います。
 それだけ、落ち着きのなかったシーズンだったとも言えるのではないでしょうか。



 その中でも溝渕は12試合に出場ということで、右サイドでの起用に限れば茶島と並んでトップの出場数を記録したことになります。
 しかし、溝渕の出場は9月23日の横浜FC戦までで、9月29日の愛媛戦から先はメンバー入りすら出来ていません。
 新人の鳥海と同様に、尻すぼみで終ってしまったと言えるでしょう。


 さらにプロ入り1年目だった2017年とデータを比較すると、2017年は13試合出場で出場時間は1193分。
 2018年は15試合に出場したもののそのうち途中出場が2試合で、スタメンでの出場試合数は2017年と変わらず、出場時間に至っては1142分と微減。
 数字上は伸び悩んだシーズンだったということになると思います。



 ただ、プレーに関しては、前年よりも良い内容だったのではないかと思います。
 プロ入り2年目になってJ2にも慣れたのか、特に守備面で安定感が出てきた印象でした。
 ポジショニングなどにも落ち着きを感じましたし、もともと空中戦での競り合いは意外と得意なタイプだと思いますが、局面での粘り強さも見せられた部分があったのではないでしょうか。


 しかし、第33節福岡戦では、マッチアップしたドゥドゥのスピードに大苦戦。
 ドゥドゥに対して1対1で守ろうとするチームのやり方にも大いに疑問はありますが、SBで定着しかけていた溝渕としては洗礼を浴びてしまった格好となってしまいました。
 溝渕は翌々戦からスタメンを外れて、終盤にはフィジカル面で強さのあるゲリアが主力になっていったことからも、この試合をキッカケに守備面でも個人能力に任せたいという方向になっていったのかもしれません。


 また、攻撃面での絡みは依然として課題で、技術力がないわけではないと思うのですが、うまくパスワークに参加できないところがある印象です。
 クロスなどは良いボールを供給していたシーンもありましたが、そこまでの形がうまく作れていないのかなと思います。
 個人での仕掛けというよりも、飛び出して受けるタイプなので、今のチームとは合いにくい部分もあるのではないでしょうか。



 2017年までジェフに在籍した北爪は、溝渕に押し出される形で退団しましたが、今年入団した横浜FCで大ブレイクを果たしています。
 今年の北爪は確かに自信をつけたように思うし、技術面も向上した部分はあったのかもしれませんが、基本的な能力は大きく変わっていない印象です。
 しかし、横浜FCはチームとして北爪をスプリントさせる形を作り上げることによって、チーム全体においてもスピード感と勢いを増し、北爪も活きる形が出来ていったのではないかと思います。



 SBは様々な能力を求められる時代となりましたが、すべてを1人で賄うのは現実的ではないと思います。
 そのためチームとしてある程度SBの仕事を限定してあげて、周りからのサポートも受けて戦っていくことが重要で、それに成功したのが2013年のジェフの米倉や今年の北爪だったのではないかと思います。
 現在のジェフはチーム全体としての戦い方もアバウトなところがあるため、SBのタスクも不明瞭で結果的にSBを固定化しきれない問題に陥ってしまったのではないでしょうか。


 溝渕も攻撃面などに課題はあるとはいえ、運動量や守備面などの良さもあると思います。
 それを活かせるようなチームになれば、今年以上に活躍できる能力は持っているのではないでしょうか。
 溝渕も来年で3年目ということで、勝負の年と言えるのかもしれませんね。