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川崎MF田坂の獲得と下平の完全移籍

 ブログお休み中に、大事なニュースがいくつかリリースされました、
 一気に取り上げても乱雑になってしまいますので、少しずつ取り上げていきたいと思います。
 しかし、今週も大きなニュースが出てくる可能性がありますので、ブログ終了も当初の予定より遅くなるかもしれません。



 まず初めのニュースとして、ジェフが川崎の田坂祐介獲得しました
 何でもできて運動量豊富なタイプの2列目の選手といった印象で、最近では右SBでもプレー。
 若い頃にはボランチなどで出場していた記憶があり、2016年には3バックのCBも経験しています。


 田坂は青山学院大特別指定選手として川崎に加入し、2008年そのままプロ入り。
 その当時の川崎は、まだ関塚監督でしたね。
 その頃から期待されていた選手で、加入当初はより勢いのあるアタッカーといった印象もありました。


 
 その後は中盤の便利屋として川崎でプレーすると、2012年夏からドイツ2部のボーフムでプレー。
 ボーフムでも試合に出場していましたが、2015年夏には川崎に復帰しています。
 その後もコンスタントに出場しているもののリーグ戦20試合以上の出場はなく、今年は3試合の出場のみで契約満了の発表がされていました。


 近年の出場機会は決して多くはないですが、J1でも優勝し選手層も厚い川崎ですから、出場機会を得るのも簡単ではない状況だったのだろうと思います。
 プレースタイルや年齢などを考えれば、ジェフでも確実にタスクはこなしてくれるのではないでしょうか。
 どちらかと言えば、使い勝手の良いタイプの選手なのではないかと思います。



 しかし、以前から話しているように、高橋GMになってから2列目の選手層は過剰ではないかと思うほど豊富な状況。
 その分、さらに2列目の選手を補強を獲得しても、どうしてもプラスになる面は少なくなると思います。
 SBやボランチなどもこなせるとは言え、ポジションでの計算というよりも、"戦力の幅"という意味でどうなのかなといった印象もあります。


 ただ、町田は松本に移籍しましたし、レンタル中の茶島も来季の去就はわからない状況。
 清武や真希の動向も決まっていませんし、もし町田も茶島も抜けるとなれば、さすがに2列目の補強も欲しい状況となってくるのかもしれません。
 町田や茶島の穴埋めという意味では、田坂はタイプ的にも適していると言えるのではないでしょうか。



 しかし、町田は29歳になったばかりで茶島は27歳ですが、田坂は33歳のベテラン。
 町田も中堅世代とは言いづらくなってきたものの、年齢という意味では後退してしまうことにもなります。
 ジェフとしては監督継続もあって、補強でプラス面を打ち出したいわけですが、田坂の獲得は"何とか穴を埋めた"という補強になるのかもしれません。


 J2だから贅沢は言えない…と言いたいものの、積極的な補強ではないにしても、若手をうまく育てているJ2クラブも少なくないわけで。
 予算でいえばJ2でも上位に立っており、J1の小さなクラブなどはジェフより少ない予算でも頑張っているわけですから、あまり言い訳にするのは恥ずかしいと思います。
 いかにそのお金を賢く工夫して使うかが勝負どころなのだと思いますし、ベテランで穴埋めという補強ばかりでは、先細りになる不安も大きいように思います。



 続いて、レンタルで加入していた下平を、完全移籍で獲得することも発表になっています
  ジェフ加入前の下平は元ジェフ山中の台頭などもあって、横浜FMでは2017年に5試合の出場に留まり、2018年は1試合も出場機会を得られませんでした。
 そして、8月8日、7月に高木が柏に移籍してしまったジェフへと、レンタル移籍することとなります。


 すると、8月12日の第28節町田戦で、いきなりのスタメン出場を果たします。
 エスナイデル監督は加入当初の選手でも、すぐに試合に出す傾向がありますね。
 コンディションや連携面、試合勘などは、すべて公式戦で慣らしていこうという発想なのかもしれません。



 そのまま左SBでレギュラーの座を獲得し、シーズン終盤まで主力としてプレーしました。
 ただし、第39節岐阜戦だけは乾がスタメンに復帰し、下平はベンチを温めることに。
 結果的にジェフ加入後それ以外の試合にはすべて出場し、トータルで14試合出場ということになりました。


 左足での精度が高いことはG大阪時代から言われていましたが、視野も広い印象でジェフデビュー戦では相手がコンパクトに戦う町田だったこともあって、後方から一発で裏を取るボールも出していました。
 しかし、それ以降の試合では、大きな展開でチャンスを作るような場面は少なく。
 チームとして下平からの展開力を、活かし切れなかったとも言えるのかもしれません。



 しかし、状況を見ながらバランスを取りつつ、タイミングの良い縦への飛び出しで、左サイドの攻撃を活性化していきました。
 さすがに経験豊富なSBということで、後方から周りの選手をサポートしたり、自分が犠牲になったりといった動きがうまく、前方のSHの良さを引き出せる選手なのではないかと思います。
 チーム状況が良い試合では、左サイドからの攻撃がストロングポイントになっていましたね。


 また、守備においてもポジショニングが良く、相手との間合いをうまく詰めて守ることができていたと思います。
 さらに下平が加入して4試合目、5試合目に当たる山口戦、岡山戦からチームとして無理に前に出て行く守備を止めた印象があり、中盤も守備的な選手構成に変わっていきました。
 それが左サイドの守備面においても、大いに追い風となった部分があったように思います。



 ただ、シーズン前半に活躍した高木ほど、フィジカル面やサイズ面で優れたタイプではないと思います。
 また、乾やエベルトなども長身なだけに、来たボールを跳ね返すという意味では物足りなさもあったのではないでしょうか。
 さらにスピードもそこまである選手ではないので、大外を走られて苦戦する場面も見受けられました。


 下平加入前に左SBでプレーしていた乾は攻撃面に特徴があるものの守備面では課題も大きいので、下平が加入したことによって改善された部分もあったと思います。
 乾がプレーしていた時は左サイドの守備を狙われる試合が目立っていただけに、そこを埋めるための補強でもあったのではないでしょうか。
 とはいえ、すべての問題が解消されたわけではなく、下平が出場した試合でも左サイドの裏を狙われる試合は少なくなかったですし、乾だけの問題でもなかったと思います。



 それでもベテラン選手ということもあって、しっかりとSBとしてのタスクを冷静にこなしていった印象です。
 ただ、結果的に若い乾は、出場機会から遠のいてしまいました。
 乾は粗削りではあるものの、攻撃面ではポテンシャルもある選手だと感じるだけに、クラブの将来を考えるとどうなのかな…とも思っていました。


 もちろん、J1昇格の可能性があり今すぐに結果を期待したいというのであれば、確実に計算できるベテラン選手を補強する方が良い場合もあると思います。
 しかし、個人的には下平が加入した8月の段階で、2018年の昇格は厳しいだろうと思っていました。
 そうなると何を優先すべきなのか、悩ましいところでもあったと思います。



 一方で来シーズンのことを考えると、また別の難しい状況にも立たされていくのかもしれません。
 エスナイデル監督続投という決断をしただけに、残留争いに加わる可能性も加味しなければいけないのではないかと思います。
 さらに左SBには乾がいるもののまだ課題も多いのは事実で、左サイドは層の薄いポジションでもあるというのが、寿人や田坂との大きな違いになるのではないでしょうか。


 本来であれば若手育成も考えなければいけないと思うし、乾や杉山にも出場機会を与えたいところだと思います。
 ベテランに頼って穴を埋めるような選択ばかりでは、チーム全体としての成長も難しくなってくるでしょう。
 しかし、特に守備に関してはチームとして不安要素の大きい部分もあるだけに、左SBに関しては計算しやすいベテラン選手を確保した方が良い…という考えも必要になってくるのかもしれません。



 こうやって残留争いの危険性が出てくると、ベテランで帳尻合わせをし、若手育成が遅れて成長が途絶え、翌年も残留への危険性が生まれ…と、負のスパイラルに陥るケースもあるのでしょう。
 ただ、現実的に考えると降格に関しては、どうしても避けなければいけないところだとも思います。
 近年では大分などもJ3降格を経験し、今年は京都なども危ないわけですから、決して他人事では済ませられないと思います。


 現実的な判断すると、下平か下平に代わる実績ある左SBが必要になるのではないかと思っていました。
 それでも、一方でポジション別の評価だけではなく、チーム全体のバランスといったものも重要になってくると思います。
 このポジションはどうしてもベテランが欲しいというのであれば、他のポジションではベテランを取らないといった全体のマネジメントが必要になってくると思いますし、そのあたりが最終的な強化部のセンスにも繋がっていくのではないでしょうか。