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ベネズエラ人DFベラスケスと名古屋DF新井をレンタルで獲得

 ジェフがベネズエラ人DFウィリアムス・ベラスケスを、レンタルで獲得したと発表しました
 ベラスケスはプレミアリーグワトフォードから、レンタルでの移籍という形になります。
 また、U-20ベネズエラ代表としてU-20W杯メンバーにも選ばれ、今年はフル代表にも招聘されたそうです。


 ただし、プレミアリーグでの出場経験はなく、U-20W杯ではプレーしていますが、今年11月に日本代表と対戦したベネズエラ代表メンバーにも選ばれていません
 2017年8月にワトフォードに加入したベラスケスですが、すぐにレアル・バリャドリードBにレンタル移籍し、スペイン3部で21試合に出場。
 さらに2018年8月には指宿もプレーしたスペイン3部のCEサバデルに再レンタルとなりますが、Wikipediaなどによるとここでは1試合も出場できずに終わったようです。



 また、ワトフォード加入前には、2016年にベネズエラの地元チームである、カラカスのトップチームに昇格してプレー。
 そこでも13試合しか出場しておらず、プロ入り後は合計34試合しか出場していないことになります。
 なお、カラカスはその年に2部降格を経験しているようです。


 Youtubeなどで動画を見る限りではありますが、スペシャルな選手といった印象はないように思います。
 182cmという登録よりも高さはあるのかもしれませんが(なぜかサイトによっては188cmと大きく異なる情報が掲載されている場合もあります)、機動力はあまり感じず足技も特別に秀でているわけではないように思います。
 足が長い印象で足が伸びてくるように感じるタイプのDFなのかもしれませんが、その分日本人選手の小技に適応できるのかという問題もあるのではないでしょうか。



 昨年行われたU-20W杯では準優勝メンバーとして活躍し、日本代表とも対戦して久保建英を止めたことが記事にもなっています
 この場面でもカバーリングで対応したとのことですが、Youtubeに上がっている動画もカバーリングの場面が多い印象です。
 若くて足速いマンマーカータイプのCBなのかと思いきや、スペース管理などが得意なタイプなのでしょうか。
 

 しかし、そうなると増嶋や鳥海とは被ってしまいますし、相性はどうなのか…という疑問も出てくる気もします。
 また、来年もハイラインにチャレンジするのであれば、それにあう選手なのかも大事なところとなってきますね。
 本来CBは固定化したいところだと思いますが、今年もそうはいきませんでしたから、ベラスケスがどこまでの選手なのかは極めて重要な問題となってくるのではないでしょうか。



 まだ若いこともあってクラブでの実績は乏しい選手ですし、U-20W杯でのプレーを見て補強といった可能性もあるのかもしれません。
 ただ、経験が重要となるCBですし、まだ若く実績が少ないという面では正直不安が残ります。
 攻撃的な選手なら勢いで戦える部分もあるでしょうし、テストもしやすいでしょうが、後方の選手はそうもいかないでしょう。


 昨日も話した通り、代理店HEROEとの関係が切れたので、自前で外国籍選手を探さなければいけなくなって、有力な選手を補強できなくなったという可能性もあるのでしょうか。
 アランダやラリベイの扱いもあまり良くはなかったように思いますし、それを見て手を引いた可能性もあるのかなとも思ってしまいます。
 自前で選手を探した結果が、U-20W杯で見た選手の獲得ということになったのでしょうか。



 21歳とまだ若く将来性は期待できるのかもしれませんが、外国籍選手な上にプレミアからのレンタルですから、例えうまく育ったとしても戻される可能性があります。
 特にプレミアは青田買いをして外に出して育てるケースが多い印象ですので、今回のレンタル移籍もその一環ということなのかもしれません。
 スペイン3部のCEサバデルで出場機会を得られなかったこともあって、別の武者修行先を探していたということなのでしょうか。


 一方でジェフでは同ポジションのエベルトが、まだ何の発表もないのも気になるところです。
 他の外国籍選手は全員、契約更新か満了かの発表が出ていますし、移籍先を探している可能性もあるのでしょうか。
 今年のエベルトは主力とは言えなかったもののある程度は戦力として貢献してくれました。



 それだけにエベルトを放出してベラスケスを選ぶのであれば、ベラスケスには最低でも今年のエベルト並の活躍をしてもらわなければいけないということになるでしょう。
 そうでなければ、エベルトを残しておいた方がよかった…ということになってしまう可能性もあります。
 エベルトが未だに契約の発表がないのは、ラリベイやサリーナスとは代理にが異なるということで、契約などが違う可能性もあるのかもしれませんね。


 CBは近藤もまだ去就が不透明ですから、近藤やエベルトなど多くの選手が入れ替わるのであれば、ベラスケスが大きなカギを握る可能性もあるのではないでしょうか。
 今年は失点の非常に多かったチームですから、CBの人選次第では改善する部分もあるかもしれませんが、大きく崩れてしまう恐れもありえるのかもしれません。
 ジェフとしては、ベラスケスが活躍してレンタルでの加入であることを悩むような状況になってほしいところですね。



 続いて名古屋からDF新井一耀を、レンタルで獲得したことが発表になりました
 市川市出身ということで、一時は諦めていたようにも感じていましたが、また地元選手を積極的に取ろうという考えがあるのでしょうか。
 新井は2016年に順大から横浜FMに加入するもまとまった出場機会を得られず、2017年夏から当時J2の名古屋へ移籍していました。


 名古屋に加入して間もなく、6試合連続でスタメン出場を果たしています。
 しかし、2017年9月に全治6〜8か月の大怪我をしてしまいます
 そこから今年5月に復帰を果たしますが、丸山、中谷などの補強もあって、今年はスタメン5試合・途中出場6試合という結果に終わっています。
 


 186cmの長身DFということになりますが、横浜FM時代には左右SBでもプレーしています。
 名古屋時代の記憶だと、高さがあって器用なタイプのCBといった印象です。
 それが風間監督のサッカーにもあって、加入直後は3バックの中央を任されていたのでしょう。


 しかし、一方で新井もまた、スピードがあって球際に強いマンマーカータイプではないように思います。
 どちらかと言えば、テクニカルなDFと言えるのではないでしょうか。
 そのため、新井も増嶋や鳥海との相性は良いのか、ハイラインに必要な"ピース"なのかは疑問の残るところかもしれません。



 ジェフは今年の終盤も引いて守る形にシフトしたため、西部謙司氏は「常識的に考えればラスト4試合の形からスタートするはず」と書かれています
 しかし、記事中にもありますが、昨年も一部ではそう言われていましたが、実際には今年に入って再びハイプレス・ハイラインに挑戦しています。
 そもそもエスナイデル監督は今年終盤の戦い方に対して「もう1つのツールが増えた」と話しているわけで、そのまま受け取るのであればあくまでも本来やりたいのはハイプレス・ハイラインと考えるべきでしょう。


 その他の場面でもハイプレス・ハイラインを諦められないように映る試合は、この2年間で何度も感じ取れたはずです。
 前年に続いて2度も騙されるということになれば、騙された方にも問題が出てきてしまうと思いますし、やはり来年も基本はハイプレス・ハイラインに挑戦するということで考えていくべきではないでしょうか。
 そうなると、スピードのあるCBが欲しいということになってくるのかもしれません。



 ただ、実際の強化部の動きは、むしろ長身CBを集める方向に進んでいるように思います。
 2018年の増嶋やエベルトだけでなく、2017年にも西野を補強。
 エスナイデル監督も、長身CBを積極的に起用しようという意図を感じるところがあります。


 「ハイラインを成立させるためにもスピードあるCBを」という意見は多いと思いますが、クラブの補強も監督の起用法もそれに反して長身CBを選んでいる印象もあります。
 今のところ定着したCBは、キムを除けば高さのあるCBが多いと思います。
 1つの理由としては欧州でプレーしてきた監督ということもあって、長身CBが好みという傾向があるのかもしれません。



 もう1つには昨年途中にもお話しした記憶がありますが、ハイラインだからこそしっかりとロングボールを跳ね返せるCBが欲しいという意図があるのかもしれません。
 裏へのロングボールに対して"壁"となるためにも、高さのあるCBの方がボールに触りやすいはずです。
 さらに、CBがしっかりと大きく跳ね返せないとこぼれ球からハイライン裏を取られる不安があり、実際にそのパターンで何度もやられていることになります。


 それらも考慮していくと、エスナイデル監督の目指すハイプレス・ハイラインを実行するためにはスピードだけでなく高さもあるCBが欲しい。
 さらにボールを後方で保持する展開が多いため、CBには足元の技術が欲しい…とかなり厳しい条件になってきます。
 だからこそ、うまくCBでタスクを分担して戦うか、組織的に戦うことで補っていきたいところではないかと思うのですが…。



 新井も長身で足元の技術もある選手ということで、エスナイデル監督の好みではないかと思います。
 ただ、それにしても増嶋、鳥海、新井と、どちらかと言えばスイーパータイプではないかと思われるCBが多すぎるのではないかというのが気がかりです。
 ベラスケスが人に強いタイプならば良いのかもしれませんが、ベラスケス1人に多くを期待し過ぎるのも不安があると思います。


 新井は25歳ということで年齢は中堅年代となるのかもしれませんが、実績を見ればまだまだこれからの選手と言えると思います。
 しかし、そうなってくると、岡野や鳥海の育成はどう考えるのか。
 特に岡野に関してはベラスケス、新井と若手から中堅選手を補強して、来年もレンタルに出すということを考えると、育成を諦めたということでしょうか。



 それでも新井がジェフで育ってくれれば良いとも思うのですが、新井もレンタル移籍という点がさらに悩ましいところですね。
 本人も名古屋のリリースでは、「成長して帰ってきたい」と話しており復帰する可能性もありそうです。
 ジェフとして最悪なパターンは若いレンタル加入選手を育てるもレンタル元に戻ってしまい、さらに武者修行に送ったはずの若い選手は帰ってこないというケースですが…。


 ともかくまずは失点を減らすことが急務となるでしょうから、新井のプレーにも期待したいところだと思います。
 昨年の名古屋でのプレーには良い印象がありますし、クラブの状況や契約形式などを考えなければ、楽しみな選手の1人となるのではないでしょうか。
 ただ、決して実績が豊富な選手ではないだけに、新井に多くを期待するのも良くないと思いますので、チームとして良い守備を作ることが何よりも重要なことだと思います。