ジェフが甲府MF堀米を完全移籍で獲得

 ジェフが甲府から堀米を完全移籍で獲得しました
 一部報道によると違約金が発生するということで、契約が残っていたのでしょう。
 選手構成の大枠も見えてきて、ストーブリーグもそろそろ終盤戦に入っていくころでしょうか。


 プラチナ世代の1人でユース年代の代表でも活躍した堀米は、甲府アカデミー出身でU-18に所属していた2010年夏に昇格を果たします。
 しかし、その後は伸び悩み、2013年途中からは熊本に、2014年には愛媛にレンタルして活躍します。
 レンタル先での活躍が認められる形で、2015年は甲府に戻るものの大活躍とまではいかず、2016年には京都に完全移籍となります。



 京都でも主力として活躍しますが、2017年には再び甲府に完全移籍で復帰。
 2017年は21試合に出場し、2018年にも27試合に出場しています。
 今年もまずまずの活躍を見せてはいますが、ライバルも多く確固たるレギュラーとまでは言えなかったように思います。


 攻撃にアクセントがつけられるタイプの小柄なアタッカーというイメージで、左足でのキックの精度も高く、プレースキッカーとしても優秀な選手です。
 エスナイデル監督は攻撃陣に個人技での打開を期待するので、適したタイプとも言えるのかもしれません。
 一方でスタミナなどには課題があり、今年も23試合にスタメンしながら3試合しかフル出場を果たせていません。



 それでも堀米自身は良い選手ではないかとは思いますが、それ以上にチームとしてあまりにも2列目の選手が多いのではないかという点で疑問が残る補強ではないかと思います。
 町田や清武がいなくなったとはいえ、これまでにも田坂や寿人も獲得。
 2列目のアタッカー陣はすでに今年の段階であふれかえっていて、すべての選手を使いこなせなかった印象です。


 このままいくと、船山、茶島、矢田、為田、田坂、工藤、小島、寿人、古川、本田、堀米…と数多くのアタッカーが並ぶことになります。
 もちろんそれぞれタイプは違うし、2列目以外のポジションでプレーできる選手もいるとはいえ、ここまでアタッカーを"コレクション"するのは異様な印象すら受けます。
 これに加えて真希も2列目でプレーできる選手ですが去就が決まっておらず、山口にレンタルしている高橋壱晟もいますが、これだと復帰は厳しい状況ではないでしょうか。



 戦力がいるに越したことはないと言いたいところですが、試合に出られずに腐ってしまうような選手が増えてしまっては、そこから不協和音が生まれる恐れもある。
 さらにこれだけ2列目の選手を集めることに力を注いでいては、他のポジションの補強が疎かになる可能性もあるでしょう。
 他のポジションも同等の厚い補強ができていればいいとは思いますが、昨年もポジションごとに戦力のムラがあった印象です。


 前線に関しては外国人CFの補強もあるのではないかと思うので、それに駆けるしかないとは思いますが、やはり不安なのは後方です。
 ベラスケス、新井に期待したいところではありますが、2人ともプロ入り後の出場試合数は40試合に満たず経験は浅い。
 まだまだこれからの選手と言えるでしょうし、チームとして守備面に大きな課題があるわけですから、守備的な選手にこそ力を入れるべきなのではとも思ってしまいます。



 一方で2列目の選手で補強した田坂は海外も含めて実績があるし、堀米も1年間レギュラーで活躍したことこそ少ないものの、J1とJ2の合計で188試合に出場しています。
 さらに堀米は26歳になったばかりということで、働き盛りの年齢です。
 こういった選手が補強できるということは、「長年J2にいるから経験が浅い選手や旬の過ぎたベテランしか取れない」というような"言い訳"は出来ないということになると思います。


 選手を補強するためには様々なリソースが必要になるわけで、それをどのポジションのどんな選手に費やすのか。
 それこそが補強のセンスではないかと思うのですが、ここ数年は全体のバランスが悪く、うまくいっていない印象も受けます。
 「優秀な選手を獲る」、「戦力候補を数多く集める」といった部分は、補強のセンス以上に予算面が大きく関わってるのではないかと思うだけに、その予算をどこに振り分けで賢く補強できるかが問われる部分ではないでしょうか。



 甲府に関しては小塚も大分に移籍するなど、選手の流出が懸念されています。
 それだけに今年終盤は怪我人の復帰もあって出番を失っていた堀米も、来年甲府に残れば活躍できるチャンスもあったのではないかと思います。
 しかし、他選手の流出も含めて、来年の甲府は予算が厳しいという現実問題があるのかもしれません。


 今年の甲府はJ2降格初年度ということで「降格救済金」が支給されたことになりますが、来年はそれがなくなるためそれだけで1億円以上も予算が減少することになります。
 さらにJ2降格もあって平均観客動員も大幅に減っていますし、その他にも経営的なダメージが及んでくるのかもしれません。
 もともと経営規模で言えばジェフの方が大きいくらいですから、1年でのJ1復帰が叶わず選手を手放さざるを得ない状況になっている可能性もあるのでしょう。



 堀米は甲府アカデミー出身で甲府にとって大きな意味を持つ7番を付けるなど、大事な選手だったのだと思います。
 そういった思いも考えると、こういった補強をジェフもしっかりと受け止めて、選手を大事にしていかなければならないと思います。
 そのためには、一人一人の選手の良さを十分に使いこなせるチームになることが、一番ではないでしょうか。


 選手をしっかりと使いこなすためには、優秀な監督を招聘することももちろんですが、フロントがしっかりと適材適所でバランスの良い補強をすることが重要なことではないかと思います。
 堀米も魅力のある選手だとは思いますが、今必要なピンポイントの補強かと言われると疑問が残るのではないでしょうか。
 それでもセンスのある選手だと思いますから、多くのライバルたちに打ち勝って、周囲との違いを見せてほしいですね。