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GK鈴木の加入と杉山の富山へのレンタル移籍

 遅くなりましたが、GKに動きがあり契約満了発表時にも取り上げた海人が、熊本へ加入することとなりました。
 J3降格となってしまった熊本は、佐藤昭大の退団が決まっています。
 海人にも正GKになるチャンスはあると思うので、頑張ってほしいですね。

 一方でジェフにはG大阪から、GK鈴木椋大が加入することに決まりました。
 鈴木は横浜FMユース出身で2012年にトップ昇格を果たしますが、4年間リーグ戦の出場はなし。
 2016年に東京Vにレンタルしてまとまった出場機会を得て、翌年にはG大阪に完全移籍しています。


 しかし、G大阪でも目立った出番はなく、昨年はG大阪U-23でのプレーがメインでした。
 そこでも各年代代表の正GKを務めてきた18歳の谷と、ポジションを分け合う形となっています。
 また、東京V時代のイメージでは191cmの長身を生かしてどっしりと構えるタイプのGKで、足元の技術はあまりうまくなくエスナイデル監督の好みとは合わない気もします。

 それでも一時は主力としてプレーしていた経験もあるわけですし、24歳とGKとしてはまだ若い選手なので今後に期待することはできるのかもしれません。
 ただ、今回もまたレンタル移籍となっているだけに、長期的な判断で行われた補強なのかどうかはわかりませんね。
 毎年のように若手GKをレンタルで獲得しており、入れ替えがしやすいというメリットはあるのかもしれませんが、クラブに残るものは少ない状態になっているようにも思います。

 これで今季のGK補強は、終わりということになるのでしょうか。
 過去2年は外国人GKも獲得しましたが、今年はDFに多くの外国人枠を費やしていることもあって、外国人GKはなしとなったのでしょうか。
 しかし、これによって実績のあるGKは優也だけとなるだけに、若干層は薄くなった印象もありますので、大野や鈴木の奮闘に期待したいですね。



 続いて、杉山が富山にレンタル移籍することが決まりました。
 J3に所属する富山は昨年5月から安達亮監督が指揮を執っており、今年も続投が決まっています。
 安達亮監督と言えば杉山と同じ市立船橋出身であり、長らく神戸で強化部長、コーチ、監督などを務められてきた方で、高橋GMとも所属時期が被ることにもなります。

 また、富山はジェフで監督代行を務め2戦2勝の成績を収めている澤入氏が、以前GMや監督を務めていました。
 澤入氏は2016年末に退団となってしまいましたが、2015年末からはジェフでもプレーした黒部が強化部長に就任しています。
 苔口の残留も決まっているようですし、少しずつではありますが、ジェフとの関係性もあるクラブと言えるのではないでしょうか。


 昨年市船から入団した杉山は、シーズン序盤の3試合に出場した以降、ベンチ入りすらできない状況が続いていました。
 しかし、YoutubeJリーグ公式チャンネルにもアップされていますが、枠を捉えた精度の高いシュートなどには可能性を感じました。
 少なくともシーズン序盤の段階ではまだ体は作りきれていない印象もありましたが、SBとしては肩幅もあって体格も悪くないように見えました。

 ちなみに今回のリリースなどでは175cmと書かれていますが、市船時代のデータでは178cmとなっています。
 昔はこういったデータが適当で、特にジェフの選手は身長が伸び縮みすることも多かったものですが、最近では珍しい気もします。
 プロ入り前に測り直した時に、175cmだったということでしょうか。


 下平、乾といる現状を考えれば仕方ない気もしますが、最近のジェフは若手がレンタル移籍するとそのまま帰ってこない状況が続いているだけに心配な部分もあります。
 佐藤祥、戸島、浦田、仲村などがそのまま退団となり、今年は岡野、高橋もレンタル移籍が継続されたことになります。
 特に近年は2年目、3年目と早い段階で若手をレンタルに出すケースが目立ち、自チームでの育成を諦めているようにすら感じます。

 確かに短い選手人生ですし早めに手を打つことも重要ではあると思いますが、一方でこれだけ若手のレンタルが増えれば、外から見るとトップでの育成がうまく行っていないチームと捉えられかねないのではないでしょうか。
 さらに言えばレンタルから復帰するケースが少ないということで、うまくレンタル移籍制度を使って武者修行で成長させることすらも出来ていないことになります。
 そういったケースが続けば、今後の若手選手獲得にも悪影響が及びかねないのではないかとも思います。
 

 ジェフのフロントはトップチームのアカデミー出身率を高めるという話を何度かしていますが、アカデミー出身率を高めるだけであれば、強引にユースから選手を昇格させればいいだけの話だと思います。
 大事なのは昇格させた選手がしっかりと育って一本立ちすることであって、本気で育成面の強化を考えるのであればアカデミーだけでなく、トップチームで選手を育てられる環境づくりが重要となってくるのではないでしょうか。
 むしろここ10年のジェフを振り返ると、そこにこそ大きな問題があるようにすら感じます。

 そのためにはトップチームがどういった状況にあるべきなのか、監督招聘などをどう考えるのかといった方向性の部分がやはり重要となってくるでしょう。
 齋藤TDはチームの将来性も考えて「ベテランは獲らない」と明言したのではないかと思うのですが、今はまた状況が変わってしまっているように思います。
 さらに、若手を育成するためにも、チームの安定というのが極めて重要だと思います。

 実際、チーム状況が良ければ、ベテランの下平は補強せず、乾と杉山を中心に左サイドを回すことも可能だったかもしれません。
 しかし、昨年は降格争いに加わろうかといった状況にまで大きく低迷した状況を鑑み、さらにそのチーム体制を続投するとなったことを考えれば、残留第一で考えるしかない。
 そうなると将来性は高くともリスクの大きい若手重視よりも、安全第一でベテランを選ばざるを得ず、乾や杉山の育成なども二の次となってしまったのではないかと思います。


 杉山の移籍する富山は昨年も11位ということで、苦労しているクラブといった印象を受けます。
 さらに一時はJ2で戦っていたということで焦りもあるのか、GMや監督などのチーム体制が頻繁に変わる問題が生じているようです。
 しかし、今年は安達亮監督が続投となりましたし、ようやく腰を据えた強化が出来るのか…という状況に来ているのかもしれません。

 杉山としては上手くその波に乗って、良い経験を積みたいところではないでしょうか。
 ジェフのチーム状況も考えれば、杉山にとって決して悪くない判断だったのかもしれません。
 まずは富山でしっかりと試合に出られるように、頑張ってほしいですね。