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2019年の選手構成と新体制発表会見

 1月7日に、ジェフの新体制発表会見が行われました。
 J's GOALに会見内容が記載されておりますが、会見に参加した前田社長、高橋GMエスナイデル監督はいつもの調子といった印象です。

 良く言えば安定していると言えるのでしょうが、昨年はクラブ史上最低成績だった上に、高橋GMも監督を続投したのは「変わっていける」と感じたからだと話しているだけに、同じような論調で良いのかという疑問もなくはありません。
 変わらなければいけないのは監督だけではないでしょうし、どこか現実味がなくフワフワとした会見だったようにも思います。
 唯一前向きな話が聞けたのはスポンサーが増えたことになるのでしょうが、ジェフの長年の課題は「お金を集めること」ではなくて、その「お金を有効に使えていないこと」ですから、いくらお金を集められても効果的に使えないのであれば無価値となってしまいます。


 チームに関しては、新体制発表後にアラン、クレーベの獲得も決まりました。
 これでベースとなる今季の構成は、ほぼ確定ということになるのではないでしょうか。
 フォーメーションに当てはめて、選手構成を見ていきたいと思います。

 ただ、エスナイデル監督はフォーメーションを頻繁に変える監督ですので、今年も1つの形に専念することはまずないでしょう。
 それでもエスナイデル監督本人が好みと話しており、昨年も一昨年も終盤に実施していた4-1-2-3が多くなるのではないかと思います。
 そのため、まずは4-1-2-3で考えています。
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 青が新加入の選手で、緑が新卒です。
 今年の新卒は結局1人だけとなってしまい、少し寂しく感じますね。
 各選手のポジションに関してはいろいろと悩みましたが、エスナイデル監督は頻繁にポジションも変更するので、あまり深く考えても仕方がないでしょう。

 田坂に関しては右SBで起用する可能性も十分あるのでしょうが、町田の抜けた穴を考えると、2列目でも検討したい選手ではないかと思います。
 2列目は豊富とは言え、今季獲得したアランや堀米は攻撃的な選手であり、町田は攻守にわたって中盤を構成できるタイプでした。
 そう考えるとベテランの田坂には町田の穴埋めを期待したいところなのではないかと思うのですが、一方で田坂を中盤で考えると溝渕の穴を誰が埋めるのか…という悩みが出てしまうのではないかとも思います。


 改めてみると、やはり2列目に選手が多すぎる印象があります。
 一方でCFやアンカーなどは層が薄く、寿人や船山を起用して0トップを実施する可能性もあるのかもしれませんが、昨年の0トップもクロス展開になるとターゲットが不在になる課題を抱えていたと思います。
 寿人は広島でも1トップでプレーしていたので一応FWとして記載しましたが、あの時は2シャドーが近くでフォローしていたことで成り立っていたと思いますし、ジェフの2インサイドはサイドに流れることが多いので、広島時代をそのまま参考にするのは無理があるようにも思います。


 続いて4-4-2、あるいは4-2-3-1について。
 こちらの方がダブルボランチになる分、2列目の渋滞は薄まる印象もあります。
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 ただ、昨年の4-2-3-1はトップ下の船山がフリーマンになって、結局ボランチ付近まで下がって中盤を構成していました。
 その結果、トップ下が後ろ向きでプレーすることが増えて、実質トリプルボランチのようになっていたので、勿体ないイメージもありました。
 結局、中盤を4枚にすると、中盤を構成できないという問題があるのではないでしょうか。

 昨年実施した4-4-2の場合は、ラリベイと指宿のツインタワーでした。
 この時は基本的に前線に放り込むことが多く、中盤を省略するサッカーとなっていた印象です。
 今年もどこかでクレーベとアランのツインタワーを実施する可能性はあるかもしれませんが、昨年のツインタワーも一時的なものでしたし安定して実施できるのかという疑問があります。


 最後に今年の加入選手と退団選手を、まとめておきます。
 あくまでも昨年末からの戦力の変化を見るということで、レンタル継続の選手などは除いています。
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 主力候補だけで考えると、GKではロドリゲスが抜けて、SBでは溝渕が抜けています。
 CBは近藤が抜けて、ベラスケスと新井が加入。
 2列目では町田や清武が抜けて田坂、堀米、アランなどが入り、CFではラリベイ、指宿が抜けてクレーベが加入したことになります。

 CBに関して選手層が増したと評価していた雑誌もありましたが、昨年もジェフは選手層で悩んでいたわけではありません。
 むしろ飛び抜けたCBがおらず固定化できなかったことが大きな問題だったわけで、一度に出場できる人数も限られているわけですから、CBにおいて問題なのは数ではなく各々の能力でしょう。
 そのため、ベラスケスと新井のいずれかが近藤を上回らなければ、戦力増とは成り難いと思います。


 全体的に見るとベラスケスとクレーベの実力次第ではありますが、戦力的には昨年と同程度かバランスが悪くなった分マイナスになる可能性もあるのかなと思います。
 監督も続投となりましたし、戦力も大きく変わったようには思えず、チームとしては"正常進化"と言うことになるのでしょうか。
 "正常進化"とはモータースポーツや自動車業界で良く使われる言葉で、マシンの基本コンセプトは変えずに新車を製作することを言います。

 その場合、重要なのが"素性"と呼ばれる部分で、モータースポーツでは徐々にパーツやセッティングなどを開発していきタイムを上げていくわけですが、その時の伸び代やポテンシャルがどこまであるのか。
 ようするにマシンのベースとなる部分が、どれだけ優れているのかが非常に重要だとされています。
 そこが良くなければ、いくらマシンを開発して良いパーツなどを付け替えたとしても、タイムが伸びきらないという問題が出てきます。


 さらにジェフの場合、前回のオフでもあまり多くの主力選手が入れ替わらなかった印象です。
 監督も変えず選手も大幅に変えず…ということが続けば、どうしても伸び代において不安が出てくるのではないでしょうか。
 それでも現状が良い状況なのであれば問題はないですが、ジェフの場合は昨年大きく苦しんだわけで、そこをベースに"正常進化"を選ぶとなれば当然苦しむ可能性が出てくるでしょう。

 昨年14位だったことを考えれば、今年はやはりJ2残留が目標ということになるのでしょうか。
 単純に目先の結果ばかりを望んでも仕方ないと思いますし、我慢する時期も必要だとは思います。
 しかし、一方で残留争いをするのであれば、今は我慢するとしても、その先に希望を感じる計画がクラブにあるのかが重要ではないでしょうか。


 また、現実的に考えると、状況によってはシーズン中の監督交代という可能性も考えておかなければいけないのかもしれません。
 その準備もしっかりとしておいてほしいところではないでしょうか。
 もちろん開幕前からネガティブなことばかり言いたくもないですが、昨年クラブ史上最低順位だったことに関する危機感は新体制発表会見でも感じませんでしたし、今は謙虚にジェフの置かれた状況を把握することがまずは大事なのではないかと私は思います。

 前田社長は『主役になるチーム』を目指すと話していますが、昨年の順位と状況を考えると果たしてそれが現実を見据えた上で言える話なのかどうか。
 ボールを持つことだけならば可能でしょうが、実際の試合ではむしろボールを持たされて結果的に相手が主導権を握っていたことも多かったと思いますし、むしろ昨年の結果を期に『チャレンジャーとしての気持ち』を持って戦うべきなのではないかとも思わなくもありません。
 いずれにしても昨年と同じ失敗をするのはゆるされないわけですから、昨年の失敗を糧にしてどういった変化を見せられるのかが重要なのではないでしょうか。