数日後にはもうちばぎんカップが行われるということで、ここからは駆け足で2018年の振り返りを終えていきたいと思います。
移籍した選手はその都度取り上げてきたので、今日と明日で全選手の振り返りを終える予定です。
本日は勇人と工藤というジェフ復帰組のベテラン2人について。
2018年の勇人は、リーグ戦8試合の出場にとどまりました。
勇人はプロ入り3年目の2002年から二桁出場を維持していましたので、その記録が16年で止まったことになります。
それだけ苦労の多いシーズンということになるでしょう。
2017年終盤には、ジェフがハイプレス・ハイラインを諦め引いて守る形にシフト。
それにあわせてダブルボランチにしたこともあって、勇人が出場機会を得ていきました。
守備的なボランチとして、勇人は重要な役割をこなしていた印象です。
しかし、エスナイデル監督はそれを継続しなかったこともあり、2018年は再びベンチを温める状況になっていました。
何度も言いますが、やはりあの戦い方はエスナイデル監督に取って妥協の産物だったのだと思いますし、あれを素直に発展させるという発想はなかったのでしょう。
結局、2018年も1ボランチでのスタートとなり、勇人のポジションもなくなっていました。
基本的にエスナイデル監督になってからは1ボランチが多いため、勇人が苦戦しているところもあると思います。
勇人は以前から運動量豊富に動き回ることでピッチ全体のバランスを取り、攻守に貢献できるタイプだと思います。
しかし、一方でボールを引き出して、展開するというようなプレーは得意ではない。
エスナイデル監督の1ボランチはアンカーに展開力を求めるところが大きいですから、単純に勇人のプレースタイルでは合わないように思います。
また、勇人は来年で37歳になる大ベテランで、今からプレースタイルを大きく変えるというのも難しい。
さらに小島の加入などもあって、苦戦しているところがあると思います。
本人も引退を考えたという主旨の話をしていますが、クラブ史上最低成績で終った年に引退するというのは、勇人の状況を考えると悩ましいところなのかもしれません。
あるいは寿人の移籍もあって、1年引退を伸ばしたのか。
文脈からするとクラブから継続の話もあったということですが、人気選手であるがために更新となったのかもしれませんし、寿人も含めて大ベテランが増えるとさらに扱いが難しくなる可能性もあると思います。
また、今年も勇人がキャプテンを継続したことも、発表になりました。
無難な選択とも言えるでしょうが、昨年は出場機会が非常に少なく引退も考えたベテランであることを考えれば、そろそろ次の世代にバトンを渡さなければいけないのではないでしょうか。
チームとして変わらなければいけない年となるはずですが、実際にやっていることは現状維持に努めていることが多いような気がします。
守備的なボランチは非常に少ないため、結果的に勇人が必要な状況となる可能性はあるのかもしれません。
ただ、スタメンで出場しても90分持たないことが多くなっていますし、状況としては苦しいところだと思います。
ピッチの外からやれることもあるのでしょうが、本来は試合に出てこそ…といったタイプだと思いますし、今年も難しい年になるのかもしれませんね。
続いて、工藤は昨年の7月1日に、松本から完全移籍。
特に7月25日の甲府戦ではインサイドでスタメン出場して、見事な活躍を見せました。
しかし、そこから4試合はスタメン出場を果たしますが、その後は途中出場のみとなり、シーズン終盤は目立った活躍も出来ずに終わっています。
甲府戦ではコンディションも非常に良く、運動量豊富に動き回って、ボールを動かしチャンスメイクに貢献していました。
しかし、8月12日の町田戦では相手がコンパクトに戦ってきたため、中盤が圧縮されて工藤がボールを持つポイントを作れなかった。
それによって全く活躍できず前半のみで交代となってしまい、それ以降はスタメンのチャンスすら得られずに終わっています。
工藤もパサータイプではありますが、どちらかというと高い位置でボールを受けて、短・中距離のパスを散らして周りを活かす動きが多い。
そこから自らも前へ走り出す動きをするのが、本来の持ち味ではあるのでしょう。
ボランチとして多方面に影響を与えるというよりは、2列目でポイントになりつつ、動き回るプレーの方が合っているのかもしれません。
ただ、エスナイデル監督は最終的には2列目の選手に、自らボールを持って仕掛ける動きを期待する傾向が強い印象です。
そのため、タイプとしてはあまり合っていないのではないでしょうか。
さらに34歳ということでスタミナ面にも不安があるし、2列目は選手が豊富なだけに埋没してしまったところがあると思います。
加入当初こそ、コンディションが周りよりも明らかに良かったため、特出していた部分があったと思います。
エスナイデル監督になってからのジェフはサブ組のコンディショニングに問題を抱えている印象もあるだけに、結果的に途中加入の工藤が目立ったところもあったのではないでしょうか。
しかし、徐々に工藤もジェフの調整に慣れていってしまい、その他大勢に陥ってしまったのではないかと思います。
ベテランで夏に完全移籍で加入したということで、もともと今年の契約も残っていたのでしょう。
ただ、昨年終盤の状況を見ると、今年も苦戦するかもしれません。
年齢などを考えると1年1年が勝負の年となる状況だと思いますし、今年しっかりアピールをして来年以降も生き残れるか…というシーズンになるのではないでしょうか。