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アランと船山を活かすフラットな4-4-2

 ちばぎんカップで柏相手にある程度戦えたことは、ジェフにとってプラスだと思います。
 ただ、柏の選手たちのコメントを聞くと、チーム作りはまだまだこれからなのかなと思いますし、今回は公式戦ではなくあくまでもプレシーズンマッチ
 細部も気になるところではありますが、それに関しては今後の実戦で見えてくる部分も多いはずだと思いますので、まずはチームの大枠に関して見ていきたいところだと思います。

 ちばぎんカップでのジェフは、4-4-2でプレー。
 しかも、中盤がフラットになることの多い、3ラインの4-4-2に見えました。
 昨年もツインタワーの4-4-2は実施していますが、中盤をトリプルボランチにする試合も多かったですし、この形はほぼ初めてではないでしょうか。


 このシステムになった要因はいろいろと推測できると思うのですが、まずは前線の組合せというのが考えられるのではないかと思います。
 補強時にも話した通り、アランは前を向かせた方が活きるタイプだと思います。
 そのため、1トップでは良さが出しにくいのではないかと思っていました。

 さらにエスナイデル監督はウイングにチャンスメーカーを置きたがる傾向があるので、東京Vの時のようにアランをウイングにおいて飛び込む形は想像しにくい。
 かといって、昨年の4-4-2は放り込む展開だったので、安定して戦うにはデメリットも大きい。
 そこで新たに、フラットな4-4-2を試したのかなと思います。


 さらに船山も、意外と使いどころを迷うところがあったのではないでしょうか。
 昨年は調子を上げて課題だった決定力の面でも結果を残した船山は、出来れば中央で使ってゴール前で決定的なプレーを任せたい。
 そうなるとウイングではなく、前線がトップ下か、インサイドとなるはずです。

 しかし、インサイドは後方に下がったりサイドでパスを繋いだりといった、中盤的なタスクが多いので船山の良さを出しにくい。
 そう考えると残るは前線かトップ下なのですが、船山を前線に置いた0トップでは高さの面で物足りなくなるし、トップ下だとアランを1トップに配置しなければいけない。
 それならばいっそ、アランと船山の2トップにしてしまおうということなのかもしれません。


 もっとも、船山は2トップの位置に入りながらも、かなり中盤でボールを触るプレーも多かったと思います。
 昨年のツインタワーを置いた4-4-2だと中盤を省略することも多かった印象で、中盤4枚だけではパスを繋ぐのも難しかったのではないかと思います。
 しかし、ちばぎんカップでは前線に入った船山が中盤のタスクもしてくれることによって、成立した部分があるのではないでしょうか。

 当然、このシステムになった前提として、ちばぎんカップで見る限りコンディションもよさそうで、動きも切れていたアランと船山を使うことを優先した…ということになるのではないかと思います。
 クレーベの方が状態が良ければ、このシステムではなかったかもしれないし、他の選手でも同様のことが言えるでしょう。
 あるいはダブルボランチなどすることを重視して4-4-2になった可能性も否定はできませんが、エスナイデル監督のこれまでの趣向を考えるとそれは考えにくいのかなと思います。


 この4-4-2にしたメリットとして、まずアランと船山は守備をするので、前からのチェイシングが期待できること。
 さらに2人の前への勢いが活かしやすいので、攻撃面でも前線に流動性が生み出しやすいように思います。
 ただし、そこを使い切れているのかに関してはまだ微妙なところで、船山などが下がってサイドに展開するプレーも多く、2人をしっかりと使いこなせた攻撃はあまり多くなかったと思います。

 また、攻撃時もフラットな4-4-2で戦うことによって、SHがサイドを縦に仕掛けやすいとも言えるでしょう。
 堀米や茶島の個人での打開力を、活かしやすいとも考えられるかもしれません。
 もっとも本来は両SHにもっと中央に入ってきてもらって、中盤に厚みを作って欲しかったのかもしれませんし、だから逆足でスタートした可能性もあるのかもしれません。


 一般論で言えばフラットな3ラインの4-4-2における大きなメリットは、コンパクトに戦えることではないかと思います。
 4-2-3-1や4-1-4-1は中盤が2列になるため、前線と最終ラインの距離が離れがちになってしまう。
 しかし、フラットな4-4-2なら中盤が1列になる分、間延びせずに戦いやすい。

 それによって、ハイプレス・ハイラインを実行しやすくなるかもしれません。
 また、コンパクトな状態を維持できれば中盤や高い位置などでボールを奪った時にも、周りのサポートが受けやすくハーフカウンターに移りやすい。
 本来であれば、守備時にも同様のことが言えるはずです。

 ただ、当然メリットもあればデメリットもある。
 特に試合後も話したように、守備においてはいきなり不安材料も見えたと思います。
 それに関しては、また明日取り上げたいと思います。