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元ジェフ選手が活躍する6戦負けなしの東京V

 前節岐阜戦を終えて、江尻監督で10試合を経過したことになります。
 その間の成績は4勝3分3敗。
 内容的には苦戦しているように感じなくもありませんが、成績でいえば勝ち越していることになります。

 平均勝点でいえば1.5。
 これを14試合で計算すると勝点21。
 現在14節終了して8位の長崎がちょうど勝点21ですから、単純計算でいえば8位相当とまずまずの成績を上げていることになります。


 ちなみに、2017年は42試合で68勝点だったので、平均勝点は1.6で6位
 2018年は42試合で55勝点だったので、平均勝点は1.3で14位。
 今年のエスナイデル監督は4戦で2勝点だったので、平均勝点0.5となります。

 これらをわかりやすく、グラフにまとめてみます。
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 こう見ると、さすがに今季のエスナイデル監督の成績は低く感じますね。

 また、エスナイデル監督体制では右肩下がりだったことも改めてわかります。
 1年目から2年目ですでに下降していたわけですから、そこから3年目も継続してさらに成績が下がったというのも、データ上からいえば当然の結果と言えるでしょう。
 それだけに続投という意思選択をしたフロントの責任は、逃れられないのではないでしょうか。


 なお、2017年のPO進出ボーダーである6位はジェフの平均勝点1.6で、2018年の6位は東京Vの1.7でした。
 2018年ペースだったら、2017年のジェフはPOにも進出できていなかったことになりますね。
 さらに優勝は2017年が湘南の2.0で、2018年が松本の1.8ということになります。

 現在のジェフは14試合を経過して勝点17、平均勝点は1.2。
 エスナイデル監督の成績を除いても平均勝点は1.5ですから、江尻監督の成績だけを見ても優勝はおろか、PO進出も難しいペースとなります。
 昨年から二桁順位が当たり前になっているので、現在8位相当の平均勝点でも悪くないように思ってしまいますが、昇格は難しい成績と言えるでしょう。


 ここで問題になるのが、今季の目標と江尻監督に課されたミッションですね。
 この成績だと優勝や自動昇格は難しいでしょうが、PO進出ならば今から大きく挽回できれば可能かもしれない。
 あるいは、昨年から二桁順位が続いているわけで、まずは一桁順位が目標と言うならばより現実的と言えるでしょう。

 それとも成績はひとまず置いておいて、若手育成や将来への土台を作ってほしいのか。
 もしそうだとしたら現状だとベテラン起用が多く、合格点は与えられない状況ではないかとも思います。
 そういった目標によって江尻監督の評価も変わってくると思うわけですが、江尻監督就任時の高橋GMのコメントを読んでみると、江尻監督に「スタイルの継続」を期待するとは話していますが、肝心な江尻監督に何を求めるのかといった話に関しては出てきていません。


 目標が決まっていなければ評価も定まらず、評価が定まらなければ反省・修正もできないわけで、そういった場当たり的な状況が続けばクラブが改善されていかないのも当然ではないかと思います。
 エスナイデル監督に関して「今年は結果で見ようと決めていた」と話していますが、これもかなり唐突な印象で後付けで話しているのではないかとも思ってしまいます。
 PDCAなどともいわれますが、しっかりと目標を定め中長期的な視野に立った運営ができていないことこそが、現在の低迷における一番の問題ともいえるのかもしれません。

 個人的には就任当初にも何度か話しましたが、まずは着実にまともななチームを作って土台を築き上げてほしいと思っています。
 シーズン開幕当初から指揮をとれなかったことを考えれば成績を望むのは酷でしょうから、まずは内容を改善することが期待されるのではないかと。
 それが就任当初にはできかけていたようにも思えたのですが、それ以降はフラフラしているのではないかというのが個人的な感想です。


 さて、かなりジェフの話をしてしまいましたが、今週末のジェフはアウェイ・味スタで東京Vと対戦します。
 昨年ロティーナ監督でPO進出を果たした東京Vは、今年からイングランド出身のホワイト監督が指揮を執っています。
 現在の東京Vは10位と中段にいることになります。

 しかし、ここ6試合負けなしで、現在3連勝中と調子あげてきています。
 開幕直後はバタバタしていた印象もありますが、現在のシステムが確立されたことによって内容も結果も出ているのではないでしょうか。
 ジェフとしては嫌な相手となるかもしれません。


 現在の東京Vは4ー1ー4ー1でアンカーに井上を置き、攻撃的なサッカーを展開している印象です。
 アンカーの脇にボランチが入る、あるいはSBが中央より前方に位置して、アンカーと3人で繋ぎながら7縦パスを狙う。
 そして、2列目では相手の間を1人が狙って、ワイドにももう1人が位置することによって、相手の的を絞らせないパスワークを展開しているように思います。

 アンカー脇に1人、相手の間に1人、ワイドに1人…この大きなトライアングルを作って、SB、インサイド、SHが流動的にポジションを入れ替える。
 これが現在の特徴なのではないでしょうか。
 チャンスメイクができる藤本や運動量豊富で前にも強い渡辺皓太、そして司令塔の井上と若い3人の活躍が目立っています。
 特に井上はロティーナ監督時代にくすぶっていた時期もあった印象があるだけに、井上が活きるサッカーができるようになったというのはチームとしても大きいのではないでしょうか。


 しかし、U-20W杯に参加するため、藤本が現在は不在。
 前節山口戦では梶川の起用も予想されましたが、鳥栖からレンタルで復帰とした河野がスタメン。
 また、林、端戸といった1トップ候補も負傷中で、ここ数試合はコイッチにスタメンが回ってきています。

 元ジェフ選手の活躍も目立っており、近藤、小池、若狭がレギュラーとしてプレー。
 近藤はキャプテンとしてプレーし、若狭も攻守両面が期待される難しいSBで活躍しています。
 そして、小池は現在4ゴールと林と並んでチームトップタイの得点をあげており、前節山口戦でもアシストに、PK獲得にと際立った動きを見せています。


 ジェフは過去2試合の戦い方から考えると、まずパスの出所を抑えられるプレスができるかどうかが大事なのでしょう。
 CB2枚とアンカーに加えてSBかインサイドがビルドアップに関わってくる形だと思いますので、前節、前々節のように相手3バックを数的同数で追いかけられるような形にはならないかもしれません。
 相手に合わせたプレスを実行できるかが、まずは見所ではないでしょうか。

 また、岐阜戦の前半は相手の守備にも問題があって、中央で縦パスを通すことができ攻撃の形が作れていた印象です。
 しかし、相手がシステムを変えて修正してきてからは、縦パスも通らなくなり流れも悪くなった印象でした。
 それだけに、東京V相手にも中央での縦パスが通せるかが、攻撃のポイントではないでしょうか。


 また、今週末の東京は、気温が高くなる予報もあります。
 ジェフは過去2試合、前半から飛ばして後半に大きく失速しただけに、90分を通しての戦い方も気になるところです。
 東京Vも後半失速することが多い印象ですから、お互いにゲームの運び方が大事な試合になる可能性もあるのかもしれません。

 岐阜戦では5-1で大勝出来たとはいえ、相手は最下位でしたし内容も良くなかったと思います。
 他の相手でもあのようなサッカーができるのかが非常に大事なところですし、東京V戦はその試金石として重要な試合となるのかもしれません。
 江尻監督としては10試合が終了となりましたが、J2全体でいえば14試合終わりちょうど3分の1が過ぎたところですから、シーズンも中盤に入る時期。
 さすがに「監督交代直後だから」という言い訳ももうできないでしょうし、江尻監督として勝負の時期に入っていくのかもしれません。