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新井に代わって鳥海が右CBでスタメン

 栃木戦では新井に代わって、鳥海が右CBとして出場しました。
 新井はエスナイデル監督最後の試合となった水戸戦で、4バックのCBとしてジェフ加入後初出場初スタメン。
 その後、江尻監督が就任してからは、3バックの右CBとして長崎戦まで全試合に出場していました。

 ここまで主力としてプレーしていた新井は、186cmの身長も活かして高さの面でのプレーが際立っているように思います。
 特にセットプレーにおいて、ニアでも競り勝って折り返せるというのは、チームとしても1つの強みになっていた印象です。
 それだけ垂直飛びでも相手に勝てる跳躍力があって、前に飛び込む動作がなくてもハイボールを触れる選手なのではないかと思います。


 守備においても、大きく崩れることなく安定したプレーを見せているのではないでしょうか。
 ジェフ加入前までの新井は、怪我もあってリーグ戦での過去最多出場は、前年の名古屋での11試合のみ。
 経験が豊富とまでは言えないと思いますが、25歳と中堅に入っている年齢もあってか、もともとの性格もあるのか、落ち着いているように思います。

 DFにとってミスが少なく、冷静にプレーできることは非常に重要な能力だと思います。
 ちなみに、今年の新井はすでに13試合でているわけで、プロ入り後のリーグ戦で最多出場となっています。
 ただし、プロ入り1年目の2016年は横浜FMでリーグ戦5試合、カップ戦7試合に出場し、公式戦合計では14試合出場と現在を上回っていることになります。 


 全体的には悪く無いプレーを見せていたと思う新井ですが、足元の繋ぎに関してはここまで期待よりも効果的なプレーはできていない印象もあります。
 技術力がないわけではなく着実に繋いでいる印象ではありますが、新井を起点として攻撃を展開するというところまではいっていないと思います。
 ボールを失う場面もあり、もう少し改善したいところもあるのではないでしょうか。

 ただ、他のCBも同じように、効果的なつなぎはあまりできていないと思います。
 新井がうまくいっていないというよりも、チームとして攻撃面の組み立てに苦戦しているため、CBがビルドアップに貢献できていないというところが大きいのではないでしょうか。
 名古屋時代の新井はビルドアップで貢献できる選手といった印象でしたし、チームとして遅攻が改善できれば新井の足元の技術ももっと活かせるのではないかとも思います。 


 栃木戦でスタメン出場となった鳥海も、足元の技術はある選手だと思います。
 ただ、欲を言えば、もっと2人にも積極的に自ら展開することによって、ボールを動かしてほしいという気持ちもなくはありません。
 チームのビルドアップがうまくいっている状況であれば、約束事に沿ってプレーするだけでよいとは思うのですが、現状ではそこがうまくいっていないだけに、積極的な個々の展開力が打開策になる可能性もあるのではないでしょうか。

 鳥海に関しては、カバーリングも得意でクレバーな印象があります。
 前々節長崎戦でハイラインを敷き、右サイド裏を取られたこともあって、鳥海のカバーリングに期待して右CBで起用したのかなとも思います。
 ただ、栃木戦でも一度裏を取られかけましたし、そもそもハイラインではなかっただけに、2人を比較するのは難しい状況と言えると思います。


 個人的には栃木戦でも増嶋は序盤に少しミスをしていましたし、鳥海がセンターで良いのではないかとも思うのですが、ベテラン増嶋のリーダーシップに期待しているということでしょうか。
 一方で鳥海は他のCBに比べると、若干線が細いのかなとも感じなくもありません。
 特に186cmの新井、191cmのエベルト、187cmの乾と長身CBが並んでいるので、鳥海が小さく見える部分もあるのかもしれません。

 そういった選手たちを積極的に起用しているところを見ると、江尻監督はCBに高さやサイズの面を求めているのかなとも感じます。
 しかし、現在のCB候補を考えていくと、新井、エベルト、乾、増嶋、鳥海、ベラスケスくらいしかいない状況。
 ベラスケスは戦力になっていませんし、単純にCBの候補が少なのいため偶然高さのあるCBが起用されてきたという可能性もあるのでしょう。


 鳥海は阿部勇樹があこがれの存在ということで、体格も近いものがあります。
 ただ、阿部は意外と球際に強く、足も速い選手でした。
 鳥海はそこまでのパワーやスピードはないようにも思いますし、より賢く相手との駆け引きや読みあいの部分を磨いて、勝負していく必要があるのかもしれませんね。

 新井は25歳、鳥海が24歳、乾が23歳。
 25歳だと若手とは言いづらい年齢なのかもしれませんが、若手から中堅世代のDFが出場機会を増やし成長することで、クラブの将来へ希望を繋いでほしいところです。
 それに24歳の溝渕、21歳の岡野も復帰すれば、DFに関しては明るい未来が待っているのかもしれません。


 ただ、新井はレンタル移籍で名古屋から加入中。
 溝渕、岡野もレンタル中で、レンタル先であまり出場機会が得られていないとはいえ、将来が不透明なところがあります。
 下手をすれば、3人とも失ってしまう恐れもあるのではないでしょうか。

 選手それぞれの努力と成長も大事ではありますが、クラブとしても将来を見据えつつ、賢い運営をしていく必要があるでしょう。
 DFには若い選手が出つつあるとはいえ、他のポジションでは若手有望株は少なく、戦力となっている選手の平均年齢は高い印象もあります。
 短期的な結果を求めるのか、長期的なプランを重視するのかでも大きく違ってくるでしょうが、若い選手の台頭に期待したいですね。