安田のシュートを寿人が触って同点ゴール

 岐阜戦では89分という残り時間の少ない状況で、安田のシュートを寿人が触って若干コースを変え、同点ゴールを決めています。
 後半からは岐阜の選手たちの運動量も増してジェフが苦戦し、試合は停滞状態となっていましたので、貴重なゴールとなりました。

 当初は安田のゴールかとも思ったのですが、ゴール前で寿人が触ったことによって、GKの股の間を抜いて決まっています。
 安田も目立つ選手だとは思うのですが、これが寿人のゴールになるところがスター性の違いということなのでしょうか…(笑)
 ただ、寿人のゴールはまだ今季2ゴール目で、4月3日の琉球戦以来となります。


 ゴールシーンまでの流れを振り返ると、左サイドからのCKを跳ね返されたところからGK鈴木が拾い、安田が受けてロングパスを展開。
 一度は跳ね課されたことで、安田は相手との1対1になってしまいますが、そこを競り勝ちマイボールにして、ゴールに導いています。
 あそこで安田が競り負ければ逆に大ピンチになっていたところでしたし、シュートも含めて安田の貢献が目立った展開だったと言えるでしょう。

 79分にゲリアと交代で出場した安田は、その他の場面でもよい仕掛けを見せていました。
 ゲリアも前半終盤に良い飛び出しを見せ、為田が完全にフリーでシュートを放つ場面も演出していますが、どうしてもプレーに粗が目立ち仕掛けなども期待しにくいところがあります。
 安田がスタメンでもいいのではないかと思わなくもないのですが、ゲリアの高さやフィジカルを買っているのか、安田に体力面などの課題があると考えられているのでしょうか。


 一方の寿人は、65分に為田との交代で出場。
 船山が右SHに回って寿人が前線に入りました。
 3-4-2-1のシャドーだとどうしても守備に回らなくてはならず、中盤的な仕事も求められて寿人には合いにくいですが、4-4-2ならクレーベなどと並べて前線におけるので起用しやすくなるのかもしれませんね。

 ここ最近の寿人は、点が欲しいときのスーパーサブ的な立ち位置になっている印象もあります。
 特に目立つのは、サイドからのクロスに飛び込むプレーですね。
 寿人は飛び出すタイミングやコースなどがうまく、相手のGKとDFの間を狙ってクロスボールを呼び込む動きはさすがだと思います。


 鋭い動きで相手DFを混乱させている部分もあるように思いますが、一方でサイズや高さはないためどうしてもピンポイントで鋭いボールに合わなければゴールは生まれにくい。
 ジェフにはそこまで高質なクロッサーがいないこともあって、決定的な場面には結びついていないように思いますし、岐阜戦でもそのほかの場面では目立っていなかったと思います。
 為田もスペースがある状況での縦への仕掛けは武器ですが、そこまで正確なボールを狙って蹴れるタイプではないでしょうし、強いて言えば岐阜戦でもクロスでアシストした堀米なのかもしれませんが、元来はクロッサーというタイプではないと思います。

 どのチームにも質の高いクロッサーがいるとは限らないわけで、やはり寿人を活かすのであれば本来はパスワークを作って崩せることが理想なのでないでしょうか。
 しかし、ジェフはパスワークで崩せるチームではないだけに、寿人を起用しても目立たないことのほうがいいように思います。
 ちなみに、Football LABによると、ジェフはPK含むセットプレーからのゴールの割合がJ2の中で一番多いようで、それだけ流れの中でゴールが生まれていないということになります。


 ちなみに、Football LABの利用規定を見ると、今時「引用禁止」などと書かれているジェフの公式サイトとは違って懐が深く、以下のように書かれているので、ゴールの割合をキャプチャーしてみます。

なお、個人の方のブログやSNSアカウントでは、引用元を明記していただければFootball LAB内のデータやキャプチャをお使いいただけます。(※商用利用やメディアでのご利用については、別途ご連絡ください)

f:id:aratasuzuki:20190717221843p:plain

 一目でわかるようにジェフはPKとセットプレーからのゴールの割合が多いく、J2で最も多い数値となっているそうです。
 それだけ、セットプレーからの得点に依存し、流れの中からの得点が生まれていないことになります。
 ゲリアなど高さのある選手を起用しているのも、セットプレーでの貢献を期待しているのでしょうか。


 船山、為田、堀米、クレーベ、茶島、アラン、矢田、見木など、タレントは多いジェフですが、とはいえ、1人で打開してゴールまで導けるほどスペシャルな選手もいないと思います。
 それだけにどうやってチームとして点を取るのか
 あるいは、どうやって多くのタレントたちを活かすのかが大事だと思います。
 
 個人的には小島、工藤、真希あたりを使って、ドリブルだけでなくもっとパスを繋ぐ展開を作ることによって、厚みのある攻撃を狙うべきではないかとも思います。
 ただ、工藤が試合から遠ざかり、小島が復帰しても出場機会が少ないことから考えると、その方向は諦めているのかもしれませんね。
 パスワークの構築は監督の力量が問われるところも大きいいともいますし、それが出来ないからすっぱりと諦めるというのであれば、ある意味で潔いという見方もできるのかもしれません。


 いずれにせよ、攻撃の形がうまく作れていないから、前のめりになりすぎて結果的にカウンターを受けている部分もあると思います。
 前に人数をかけるだけの攻撃から、要所要所で人数をかけて仕掛けられる形を作れるか。
 また、前のめりになった後の守備に戻る意識を植え付けられるか。

 守備だけでなく、攻撃の質を高めることによって、カウンターを受ける機会を減らすことにも繋がるように思います。
 攻撃と守備というものは表裏一体な部分があると思いますし、それぞれを単独で考えるのではなく、チーム全体として成長することによって、どちらも改善していくのが理想ではないでしょうか。
 今はチーム作りも軌道に乗り切れていない印象があるだけに、どちらも苦戦してはっきりとしない状況になっているようにも思います。