シーズン後半の初戦、ジェフは最下位岐阜を相手に2-2の引き分けで終わりました。
これでジェフは5勝9分8敗となり、順位を1つ上げて17位としています。
今季の勝ち星を振り返ると、エスナイデル監督は1勝もできませんでしたので、5勝全てが江尻監督体制になってからとなります。
勝てた相手は、福岡、琉球、甲府、岐阜、鹿児島。
明日対戦する福岡は、今季初勝利をあげた相手ということにもなります。
この5チームの現在の順位を確認すると、前節順位を上げた福岡が19位、琉球が14位、甲府が6位、岐阜が22位、鹿児島が20位。
甲府こそPO圏内にいますし、琉球なども対戦時は上位ではありましたが、基本的には下位チームが多いということになります。
それだけ力押しでいけるチームには勝てて、そうではないチームには勝ち星を挙げられていないといえるのではないでしょうか。
それだけに岐阜戦はアウェイだったとはいえ、勝ちたい相手だったと思います。
ジェフはそれがわかった上で、ここ最近よりも攻撃的な戦い方をした部分もあったのかもしれません。
しかし、その分その裏を取られて、引き分けに終わった試合だったという見方もできるのではないでしょうか。
今季の福岡はイタリア人のペッキア監督が就任したものの、開幕から4戦勝ちなしという厳しい状況でスタートし、結局最後まで安定せずに6月上旬に退任となっています。
攻撃サッカーを志向していたそうですが、後方やサイドでは細かくパスを繋ぐものの打開できず、最終的には長いボールでの展開に頼っていた印象です。
ゴール数も少なく、あまり攻撃面がうまくいっていたようには見えませんでした。
守備においても、攻撃から守備に移り変わった直後はプレスをかけるものの、そのプレスは単発といった印象でした。
それでもセットした状況での守備が確立できれば問題ないと思いますし、それこそイタリア人監督の腕の見せどころかと思ったのですが、ただ引いてスペースを埋めるだけの守備に終始していたように思います。
ジェフと対戦した際も福岡は4-1-4-1で、ジェフのシャドーを掴み切れず、その前のボランチも空けてしまう…というありがちな課題が埋められず、敗れたといった展開でした。
ペッキア監督の後任には、福岡で選手として引退した久藤監督が就任。
現在45歳で引退後は、熊本や福岡でコーチを務めていました。
久藤監督は途中から3バックに変更し、まずは守備からの改善を目指している印象です。
しっかりとチーム全体でプレスをかけ、穴のない守備を目指しているのではないでしょうか。
ただ、失点癖は変わらず、ボールを見過ぎて対応が遅れてしまったり、中盤などでスペースが出来てしまう問題が埋まらず苦戦しているように思います。
また、攻撃においてもより細かくつないでいこうという意欲は感じますが、そこからの崩しの質には課題を感じていました。
それでも前節は、町田を相手に久藤監督が就任して初勝利。
タッチ数の少ない縦へ素早いパスワークとポストプレーからの展開で攻撃を作り、攻撃の狙うが見えた試合だったようにも思います。
守備においても無失点で抑え、2-0で勝利しています。
前々節岐阜戦では主力としてプレーしていた石津が負傷交代し、全治8か月の大怪我をしてしまいました。
また、鈴木監督時代の新潟や神戸で活躍したペドロ・ジュニオール獲得も発表や柏からレンタルで村田を獲得しましたが、村田のみ登録が間に合たようです。
石津の穴が気になるところですが、町田戦では森本と松田力の元ジェフコンビが活躍し勝利に貢献しています。
森本はペッキア監督時代は途中出場のみで出場機会も少なく、町田戦が今季2試合目のスタメン。
松田力は開幕からレギュラーとして出場していましたが、ここ最近は出番が少なくなり、石津の負傷もあってチャンスが巡ってきた形でした。
2人ともコンディションがよさそうで、ジェフ戦でも要注意となるかもしれません。
福岡としては町田相手にカウンターを中心にチャンスを作っていましたが、これがジェフ戦でも実施できるのかが今後のカギとなるのかもしれません。
カウンター展開が効いていたからこそ、森本や松田力の縦への勢いが通用した部分もあったように思います。
しかし、それも町田が前に出てくるチームだからこそ、という考え方もできるでしょう。
一方のジェフも柏に敗れてからまた戦い方が変更になって、町田戦や徳島戦では守備的な方向にシフトしましたが、岐阜戦ではビハインドが続く展開もあってより積極的に前に出ていった印象でした。
しかし、その分その裏を取られただけに、どちらのチームがボールを握り、積極的に前に出ていく展開となるのか。
そして、ジェフとしては前に出ていったとして、その裏のリスクケアをうまくできるのかがポイントとなるのでしょう。
また、久々に3バックとの対戦が予想されますが、ここ最近はミスマッチを嫌って4バックに変更した印象もあるだけに、どのように対応するのか。
3バックにまた戻すという可能性もあるかもしれませんが、相手に合わせて選手も含めてシステムを変更していては、臨機応変な対応は難しくなる。
この辺りも戦い方が問われるところではないかと思います。
岐阜戦の勝点1で順位が1つ上がったとはいえ、21位栃木との勝点差は4。
22位岐阜との勝点差も8と、差は決して大きくない状況です。
福岡も現在19位でジェフを勝点差4で追っている状況となりますから、残留争いのライバルと言えるでしょう。
ジェフも福岡も予算規模や戦力を考えれば、はまだまだ上を目指せる状況だと思います。
しかし、一方で水戸や金沢が上位で奮闘しているように、戦力だけがすべてではないのがサッカーというスポーツ。
どちらのチームもここからどツボにはまる可能性もあるかもしれないし、逆に浮上のきっかけが見つかる可能性も残されているかもしれませんから、大事な時期に入っているのかもしれません。