下位争いの大事な試合となった福岡戦。
結果は3-0でジェフの快勝となりました。
ただ、3-0という結果は、出来すぎな気もしました。
確かに福岡の守備は甘い部分があって、簡単にフリーな選手を作れていた場面も目立っていました。
前節の岐阜もそうでしたが、やはり下位チームは守備に課題があるチームが多いのでしょうか。
しかし、福岡も攻撃面では、何度か良い形を作っていました。
それだけジェフの守備に課題があったともいえるかもしれませんし、福岡からすれば前半の決定機が決まっていれば…という思いもあったのではないでしょうか。
ただ、その攻撃を続けられないところに、福岡の悩みというか弱気な部分も感じた気がします。
ジェフの方はこれまでと大きく変わった印象はありませんでしたが、勢いやコンディションは上がってきたのかなとも思います。
しかし、それよりも感じたのは大量にリードしていると、のびのびとプレーするな…ということ。
3点リードした試合終盤は守備への戻りも攻撃面もいつも以上に積極的で、普段からもう少し頑張ってくれればとすら思ってしまいました。
■ジェフが先制するも途中からは均衡状態
前節引き分けに終わったジェフは、スタメン、サブともに変更なし。3バックの福岡相手にも、4バックを選びました。
福岡は主軸選手である鈴木惇が出場停止で、喜田がスタメンに復帰。
スタメンの喜田が19歳、石原が20歳、ウォン・ドゥジェが22歳、ベンチの北島も19歳、ジェフU-15出身の山ノ井も21歳と若い選手も入り混じるメンバーとなっています。
ベンチには、柏からレンタル加入した村田も入りました。
4分にはジェフの攻撃。
左サイドのショートコーナーから堀米がクロスを上げて、クレーベが頭で合わせます。
しかし、バーの上。
10分、ジェフが先制。
左サイドで得たFK。
これを船山が中央へ送ると、これが直接ゴールに吸い込まれ1-0。
14分には福岡のカウンター。
前方で堀米がボールを失ったところから、喜田が右サイド前方へ展開。
松田が持ち上がったところから、中央で木戸が受けてシュートを放ちますが、GK鈴木の正面。
20分、ジェフの決定機。
左サイドからのCKを堀米を蹴ると、鳥海がゴール前で合わせます。
しかし、ポストに直撃しGKセランテスがキャッチ。
その直後には福岡の決定機。
田邉からの縦パスを森本が落として、喜田が受けると浮き球のパスを前方に送ると木戸が裏を取ってシュート。
これがポストに当たり、木戸と松田が狙いますがこれもポスト直撃で事なきを得ます。
立ち上がりからジェフが仕掛け、福岡が守ってカウンターを狙う展開が続いていましたが、20分過ぎからは停滞状態。
リードしたジェフが無理をしなくなり、福岡がボールを繋ぐ時間が増えていきます。
しかし、福岡も遅攻の質はもう1つで、動きが少なくなっていきました。
42分、菊地が負傷交代し、ヤン・ドンヒョンを入れ4-4-2に変更。
4バックにして前への勢いが増した印象もありましたが、そのまま前半を終了します。
■2点を追加して3-0の快勝
51分、ジェフのカウンター。為田が持ち上がって下平がクロス。
クレーベが頭で合わせますが、GKセランテスがセーブ。
53分、ジェフが追加点。
左サイドからのFK、ファーで増嶋が合わせてフリーでクレーベが狙いますが、ここはGKセランテスがセーブ。
しかし、こぼれ球を船山が拾うと下平がクロスを上げ、増嶋が中央で競り勝って2-0。
56分にもジェフの決定機。
中盤でボールを奪ったところから、カウンターで左サイドの為田、下平とつないでクロス。
クレーベがヘディングシュートを放ちますが、GKセランテスがセーブ。
58分、福岡は木戸を下げて前川を投入。
しかし、その直後、フリーになった熊谷からスルーパス。
クレーベが完全にフリーで抜け出し、シュートを決めて3-0となります。
61分、森本を下げて村田を投入し、松田が前線、村田が右SHに。
63分、堀米に代えて小島を起用。
小島がボランチ、矢田が右SHに入りました。
68分にもジェフのチャンス。
クレーベのキープから小島、ゲリアとつないでクロス。
矢田がニアで合わせますが、バー直撃で終わります。
70分には福岡のチャンス。
石原が矢田をかわして鋭いクロス。
ゴール前で2人が飛び出しますが、合わせきれず。
72分、ジェフは増嶋が負傷交代し、エベルトを起用。
その直後、福岡の攻撃。
右サイドをヤン・ドンヒョンが抜け出し、クロスを上げると前川が仕掛けてシュートを放ちますが、鳥海がブロック。
79分、ジェフはクレーベを下げてアランを投入。
84分、高い位置で相手がパスミス。
船山がプレゼントボールを受けてシュートを放ちますが、GKセランテスがファインセーブ。
後半途中からは、福岡がボールを持つ時間が増えていきます。
しかし、ジェフがしっかりと守り3-0で逃げ切りました。
■大量リードでのびのびとプレー
福岡は前半から5-4-1で、守ってカウンターという展開でした。しかし、ジェフの後方でボールを持たせるにしても、福岡は後方で選手を捕まえきれず、パスコースも消せきれていませんでした。
そこからジェフが攻め込むことができ、優位に立てた流れだったと思います。
しかし、ジェフも決して前半は盤石な状況といった印象はなく、森本やシャドーへボールが入りそこから攻撃を作られる場面が目立っていました。
木戸や松田が決定機を迎えたシーンも、森本への楔のパスからシャドーが飛び出す理想的な展開で、福岡の遅攻からジェフの守備が完全に崩されたシーンと言えるでしょう。
どちらのチームも、同じような守備の問題を抱えていたと言えるのかもしれません。
けれども、福岡はカウンターへ移っても参加者も少なく、攻撃に消極的な印象を受けました。
そこは勝ち点を上げられていない影響もあったのかもしれないし、遅攻に関しても勢いがもう1つだったかなと思います。
ポストからの展開やワンタッチのパスなどは、ジェフ以上に狙いも感じた一方で、それをやり切れていなかったように思います。
また、前半終盤からは、怪我人が出たこともあって4バックに変更。
これによって攻撃に出るだけでなく、ミスマッチを減らし守備の不安も解消する狙いだったのかもしれません。
変更当初は変化を感じた部分もありました。
しかし、これによってジェフもミスマッチが減って、守りやすくなった部分があったように思います。
しかも、森本とヤン・ドンヒョンの2トップということで、中盤を構成する人数が減った。
これによってワンタッチでのパスワークなどが狙いにくくなり、攻撃面では逆に難しくなったところもあったのではないでしょうか。
一方でジェフの方は相手の守備の問題もあり、その隙をついて3得点を挙げることが出来ました。
その中でも2ゴールがセットプレー絡みということで、やはりセットプレーが武器となっている印象ですね。
冒頭で話したように、勢いやコンディションも上がってきているのではないでしょうか。
また、4バックにしたことによって、より攻撃に人数をかけられ、オープンな攻撃を作れているようにも思います。
ただ、一方でカウンターを受ける可能性もあるわけで、そこが強い相手と対戦した時にどうなるのか。
攻撃においても、やはり流れからのゴールを増やしたいところですね。
あとはやはり3点リードしてから、しっかりと守備をするようになった。
それは良いことだとは思うのですが、一方でそれを常時やれないことが気になるところではないでしょうか。
攻撃においても大量リードになってのびのびとプレーするようになった印象ですが、勢いに乗れれば強いけれどそうではないと萎縮してしまうという傾向は近年のジェフの課題ですね。
そこはメンタリティの問題も大きいのではないかと思いますし、もっと安定して戦えるチームになりたいところではないでしょうか。
ともかく、1点リードしていたとはいえ前半途中から停滞してしまったのも気になりましたし、守備でも相手に良い攻撃を作られた場面もありましたから、個人的にはまだ軌道に乗ったという印象はないような気がします。
相手があるのがサッカーですし、しっかりとそこを踏まえて分析し次に進みたいですね。