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米倉恒貴が5年半ぶりにジェフに復帰

米倉恒貴選手の加入について(ジェフ公式サイト)

 突然のニュースがありましたので、本日は珍しく2つエントリーを投稿します。
 もっとも、実はもう1つのエントリーは、連戦ということもあって本来は月曜日に投稿しようと考えていたのですが…(笑)
 予約投稿の日にちを間違えてしまいました。


 さて、上記の通り、米倉がジェフに復帰するとのこと。
 米倉に関しては、ここ数年ジェフが獲得を目指しているという報道もちらほらと出ていました。
 それだけに驚きもありましたが、全く予想できない移籍でもなかったと思います。

 さらに今夏のG大阪は、選手の退団が相次いでおり、実に8人もの選手が移籍しているとのこと。
 米倉は今季ここまで出場8試合でスタメンは3試合にとどまっていますので、次は米倉ではないかという予想も一部でされていました。
 選手を放出することで、宇佐美やパトリック獲得のための資金を捻出しているのでしょうか。


 ここ数戦のジェフは左サイドで選手が密集して、右サイドへ大きく展開するサッカーを狙っているようですが、それも米倉獲得が前提としてあったのでしょうか。 
 ブログでも何度か話している通り、左サイドでタメを作って逆サイドに展開する流れは、米倉を右SBに起用した2013年の戦い方を思い出すところもあります。
 現在のようにあそこまで極端に右SHが左に流れることはなかったとしても考え方は近いところがあったと思いますし、当時のサッカーをコピーしようということなのでしょうか。

 確かに右SBがゲリアではいくら右サイドに展開しても打開できずボールを失うことが多く、それでは相手が右サイドを放棄して左サイドを警戒してくる可能性もあり、左サイドの密集攻撃も成立しないのではないかという疑問もありました。
 しかし、一方でゲリアにはスピードがあって、前後にスプリントすることで、右サイド裏をカバーすることが出来る。
 米倉もフィジカル面では優れていますが、守備意識は低く積極的な攻撃に持ち味がある選手であるがゆえに、後方に穴が出来る不安もあります。


 もちろん攻撃面では鋭いクロスや飛び出しなども期待できますが、守備も考えると諸刃の剣になりかねないのではないかと思います。
 長所と短所がはっきりしているからこそ、G大阪でも安定した出場機会を得られなかったのでしょう。
 2015年には日本代表に選出されるなどG大阪で活躍している印象もありますが、リーグ戦で30試合以上に出場できたのはその年だけと、決してイメージほど順風満帆ではなかったと思います。

 さらに現在のジェフは、先週も話した通り中盤に守備的な選手が少ない。
 2013年の鈴木監督は勇人や健太郎田中佑昌などハードワークをして守備でも貢献できる選手を多く中盤に起用していたことで、米倉のSBが成り立っていたところもあるのではないかと思います。
 加えて右CBにはスピードのあるキム・ヒョヌンを置いて米倉のカバーをするという発想でしたが、現状だとただでさえ守備的な選手が少なく穴が生じやすい状況ですから、その状況で誰が守るのかという不安もあると思います。

 そう考えていくと、確かに攻撃面では期待したい部分もあるし、今のやりたいサッカーにはぴったりとフィットするのかもしれません。
 しかし、一方でチーム作りにおいては攻守両面を考えることが大事ですし、米倉を配置することによって逆にガタっと崩れるリスクもなくはないのかなと思います。
 かといって、米倉に守備を期待してバランスも取ってもらうということになれば、米倉でなくても良いという話になるでしょうし、補強したからには攻撃面で活躍できる状況を作ってほしいところではないでしょうか。 


 Twitterでは何度か話していますが、どうせならいっそ阿部勇樹を獲るべきではないかとすら思います。
 今現在足りていない守備が出来てバランスを取れる中盤の選手ですし、リーダーシップも期待できるはずです。
 さらにジェフの歴史を考えれば巻と並んで本当のレジェンドの1人だとも思いますし、今年から浦和でも出場機会を失っているため獲得するチャンスはあるのではないかと。

 ただし、もちろん大ベテランですし、確執もあった選手。
 オファーを出すということになれば、それなりの覚悟を持って実施しなければいけないと思います。
 しかし、今のジェフにそういった覚悟を決められるのか、様々な調整や気遣いが期待できるのかなどを考えると現実的ではないのかもしれません…。


 米倉獲得ということで、もう1つどうしても気になるのは、またジェフOBを獲得したことになること。
 元ジェフ選手を狙って補強するのもいいですが、その方針でJ2に降格してからここまでやってきたけれど、一向に成績は改善されずむしろ後退しています。
 他の復帰した選手たちもそうですが、米倉も26歳から31歳と働き盛りの時期は他チームでプレーして、育成期とベテラン期はジェフでプレーすることになるわけですから、それが続けばジェフが強くならないのも当然ではないかと思ってしまいます。

 特に現在のジェフは復帰組に限らず、主力の年齢層が高くなってしまっている傾向もあります。
 これではOBチームというか、年金チームのような状況になってしまい、チームの伸び代やコンディションはもちろん、モチベーションにも不安が残るのではないでしょうか。
 野心を持った伸び代のある若い選手たちこそが、今のジェフには不足しているのではないかと思うのですが、これでは溝渕などの復帰も遠のいてしまうのかもしれません。


 もちろん復帰組という点においては阿部も同じで、むしろ年齢は米倉よりも上なわけですが、あくまでも"どうしても"OBを獲るのであればということです。
 ただ、ベテランを補強するのであればチームに足りないところを補う形がベストであり、それが現在のジェフにおいては守備が出来てバランスを取れる選手なのではないかと思います。
 さらに阿部に関しては話せば長くなりますが、喧嘩別れをしたような状況ですし、今というタイミングがジェフアカデミーどころかジェフ出身選手で最も成功した選手と和解する最後のチャンスなのでは…という個人的な思いもあります。

 話が逸れてしまいましたが、米倉が加入したことによって、さらにチーム全体における攻守のバランス管理がより難しくなる可能性もあるのではないかと思います。
 攻撃特化の当たって砕けろなサッカーでは、エスナイデル監督時代から根本は変わらないことになってしまうかもしれませんし、いかにうまくピッチ全体を考えて戦えるチームを作れるのか。
 米倉加入でさらにピーキーな選手構成になったとも言えるのではないかと思いますし、うまく江尻監督がマネジメントできるかどうかが注目となりますね。