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クレーベが2試合で3ゴールを上げ二桁得点に

 琉球戦で2ゴール、鹿児島でも1ゴールを決め、クレーベが2試合で3ゴールの活躍を見せたことになります。
 これで船山に並ぶ10ゴールとなり、チームトップタイ。
 J2全体では8位タイですが、1位のイ・ヨンジェは16ゴール上げているので、得点王には遠い状況ですね。

 シーズン序盤のクレーベは、動きも重くJ2に苦戦していた印象でした。
 逆足でファーを狙うシュートこそうまさを感じたものの、それ以外に怖さを打ち出せず。
 ポストプレーもボールを収めることはできても、ずるずるとゴールから遠ざかって、効果的な落としができていなかった印象です。


 しかし、徐々にコンディションも上がってきたことによって、強さをうまく活かせるようになってきたように思います。
 ヘディングでのシュートも狙えるようになり、足元だけではない怖さを見せられるようになりました。
 巻やケンペスのように前を取れる動きができるわけではないですが、単純に高さがあるため相手より先に触ってゴールを狙うことが出来る。

 以下の通り、本人も高さに自信があるようで、周りもそれを理解したボールを供給できるようになってきたことも大きいのでしょう。

クレーベ「僕は高いボールに強いので、決めることができた。高いボールに自信があるし、過去にもあのようなゴールはあるので、本当に決められて良かった。」(Jリーグ公式サイト

 特に鹿児島戦で決めたCKからのヘディングは、ニアから相手の上で合わせて決めたゴールで、迫力のあるシュートでした。
 しかも、ただ先に触るだけでなく、うまく力を乗せてヘディングシュートを放てる印象で、ヘディングにうまさも感じますね。

 また、ポストプレーに関しても、徐々に高い位置でボールをキープできるようになってきた印象です。
 加えてワンタッチでボールをさばくプレーが増えたことによって、ずるずるとボールを持って下がってしまう動きも減りましたね。
 日本人選手は寄せが速くそれに苦しむ外国人CFは少なくないですが、何とか対応できつつあるように思います。


 クレーベに関しては、相手チームもかなり警戒していたようです。

金鍾成監督「今日はクレーベを止められるかどうかということが、勝敗を左右すると思った」
堤俊輔「クレーベのところをどう守るかということが、今日のテーマだった」
Jリーグ公式サイト

 これらのコメントを読んだ印象だと、ジェフの左サイドでの密集以上に、クレーベ単体のほうが嫌だったのかもしれませんね。

 確かに鹿児島戦序盤も単調なアーリークロスが目立ち、それでもクレーベは競り勝ってシュートまで持ち込むシーンがありました。
 しかし、シュートまで行けたとはいえゴールの確率は低いものでしたし、ジェフとしては攻め込んでも相手を崩しきれないからこそ、クレーベに頼っていたようにも見えました。
 クレーベの良さを活かすことは重要ではありますが、一方でそこに頼るようではチームの進歩は難しいと思います。


 一方で堤への質問にもありましたが、前半のクレーベはシュートを6本も打っていましたが、後半は0本に抑えられていました。
 チーム全体が苦戦したことも大きいとは思いますが、クレーベは後半に入って失速することが多い印象があります。
 スタミナという点で課題があるようにも感じますし、自分で打開できるタイプではないため、チームが劣勢だと試合から消えてしまうところがあるようにも思います。

 また、それ以上に問題なのが、やはり守備だと思います。
 1失点目も様々なミスが重なってやられたものですが、スタートとしてはクレーベの守備の甘さが出たところからでした。

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 図の通り右FWのクレーベが、対面である左CBである堤を止められず。
 完全に前を取られてドリブルで持ち込まれ、中盤付近でスルーパスを出されたところからやられています。


 クレーベもコンディションが上がってきたことによって、以前よりは周りに合わせてチェイスすることが増えてきました。
 しかし、自分から率先してプレスをかけには行けない上に、今回のように左サイドで一度目は追えても、そこから2度追い、3度追いができない。
 特にサイドチェンジをされると、一呼吸おいてから走り出すので、そこから相手に攻撃を作られてしまうことが多い印象です。

 クレーベの守備に課題があるため、琉球戦でも鹿児島戦でも左SB付近から、相手の攻撃を開始されることが多かった。
 相手としては後方で左右に回してから、スライドが遅れるクレーベ付近で縦に繋ぐというのが1つ狙いとなりつつあるのかもしれません。
 福岡戦で菊地の縦パスを森本が落として木戸や松田が飛び出したシーンでも、後方で左右に揺さぶってからクレーベのところで縦に供給されています


 もう少し左右へのスライドに対応してほしいところではありますが、これだけ攻撃面で貢献しているだけに、守備面はある程度仕方がないのかもしれません。
 しかし、ジェフの場合は中盤にも攻撃な選手が多く、守備で貢献できる選手が少ない。
 そのため全体としてのプレスも安定していない印象ですが、それでもDFラインは浅めに守るため、どうしても裏を取られる回数が増えていますね。

 琉球戦、鹿児島戦と続いて勇人が早い段階で投入されたのも、堀米の体力問題もあったのでしょうが、それ以上に中盤の守備の課題が大きかったのではないでしょうか。
 しかし、勇人1人だけで修正するのは厳しいですし、後手に回ってから立て直すのは簡単ではないと思います。
 クレーベが守備をさぼることを前提として考えるとするのであれば、いかにそれをチームとしてフォローするのか明確にしていかなければいけないのではないでしょうか。