後半巻き返すも前半凌ぐ守備を構築できず敗戦

 ジェフは前節町田戦と同様に、前半の内容が酷く2点ビハインドで折り返しました。
 後半は1点を返しジェフペースで戦えたとはいえ、同点に追いつくことはできず、1-2で敗れてしまったことになります。
 夏の気候や後半の失点が多い状況も考えて、ここ2試合は前半に我慢をして後半に勝負を仕掛けるという狙いで戦っているのでしょうか。

 しかし、この戦い方をするのであれば、前半セーブした時の守備をもっと整備しなければいけない。
 簡単にゴールに迫られてあっさりと失点してはいけないはずで、それが出来なければいくら後半に猛攻を仕掛けられたとしてもまったく意味はない状況になってしまう。
 これでジェフは6試合勝ちなしということで、さらに厳しい状況になってきました。

■中盤を取られて2失点

 勝ち星から遠ざかっているジェフは、増嶋と茶島がベンチに回り、新井と堀米がスタメンに復帰しました。
 控えからはアラン、安田が外れて、寿人、ゲリアが復帰。

 カウエが出場停止となった新潟は、出場停止明けの高木善朗が復帰してボランチで出場。
 川崎に移籍したものの出場機会がなく、8月に復帰という形になった舞行龍ジェームズがCBに。
 白血病から復帰した早川が、ベンチに入っています。


 4分、早くもジェフが失点します。
 舞行龍の縦パスから、シルビーニョが落として戸嶋が縦へ。
 1トップのレオナルドと入れ替わって、堀米が抜け出しシュートを放つも鈴木がブロックしますが、レオナルドが拾って先制ゴール。

 その直後、ジェフの攻撃。
 中盤で得たFKを堀米が蹴って、ファーで米倉が合わせます。
 しかし、ボールは枠の外。


 失点してからジェフがボールを持つ時間が目立ちましたが、17分に新潟が追加点。
 左サイドでパスを繋いで、堀米からバイタルエリアで受けたレオナルドにパス。
 レオナルドがミドルシュートを放ってゴール。

 20分にも新潟の攻撃。
 中盤でのFKを素早くつないで、右サイドに流れた渡邉が中央へ。
 フランシスがバイタルエリアミドルシュートを放ちますが、GK鈴木がキャッチ。


 29分にも新潟のカウンター。
 戸嶋からのパスを受けた、渡邉が左サイドを持ち込んで中央へ。
 シルビーニョが受けてミドルシュートを放ちますが、GK鈴木の正面。

 32分、ジェフは小島が負傷交代し熊谷が入りました。
 40分にも新潟のチャンス。
 戸嶋が縦パスを出し勇人をかわすと、レオナルドがつないで、シルビーニョバイタルエリアミドルシュートを放ちますが、大きく外してしまいます。

 その後もジェフはボールを持ってもシュートまで持ち込めず。
 新潟はしっかりと守ってカウンターという展開で、そのまま0-2で折り返します。

■後半はジェフが押し込むも1点しか奪えず敗戦

 後半開始から、両チームともに積極的に攻めていきます。
 52分にはジェフのチャンス。
 左サイドに流れた堀米が相手の間で受けて縦に持ち込みクロスを上げると、クレーベが頭で合わせますが、GK大谷がセーブ。

 56分、ジェフは堀米を下げて見木を投入。
 その直後、ジェフが1点を返します。
 左サイドで船山、下平とつないで、為田がクロスを上げると、ファーの米倉が頭で飛び込んでゴール。


 ジェフは後半から運動量が上がり、左サイドから積極的に攻め込んでいきます。 
 60分、新潟はフランシスを下げて矢野を投入。
 そのまま右SHでプレー。

 62分にもジェフのカウンター。
 クレーベ、為田とつなぎ、逆サイドの米倉がシュートを放ちます。
 しかし、相手DFがブロック。


 得点から憩いを増していたジェフですが、徐々に新潟が守り慣れていき、シュートチャンスから遠ざかっていった印象です。
 新潟は75分、シルビーニョを下げて田中達也を投入。
 その直後には、ジェフが船山を下げて寿人を投入。 

 87分、新潟は渡邉を下げて本間至恩を投入。
 ジェフは試合終盤も攻め込みますが、同点ゴールは奪えず。
 1-2で敗戦となりました。

■前半は凌ぐ守備に、後半は攻撃のバリエーションに課題

 
 冒頭でも話した通り、ジェフは前半凌いで後半勝負なのであれば、凌ぐ状況での守備を整備しなければ厳しいと思います。
 いくら前半はセーブするにしても、相手に自由を与えてしまっては、失点するのも当然のこと。
 そうなれば、巻き返した後半の価値もなくなってしまいます。

 前節町田戦であまりにも相手ボランチを自由にさせてしまったせいか、新潟戦では積極的に勇人が前に出て守備をするプレーが目立っていました。
 しかし、1人が単独で前に出るだけでは意味がない。
 全体として前に圧力をかける守備をしていかなければ、逆に勇人が交わされて裏を取られてしまう危険性が生まれてしまいます。


 新潟戦での前半は、そこから相手にバイタルエリアを取られることが多かった印象です。
 前からプレスをかけられず、相手ボランチが前を向いたところで、勇人などが遅れて前に出ていくも交わされてしまう。
 そこで交わされると、新潟のレオナルドとシルビーニョバイタルエリアで受けて仕掛けることが多い選手ですから、そこから決定機を作られてしまいます。

 勇人が前に出るのであれば、最終ラインも連動して押し上げなければバイタルエリアにスペースが出来てしまう。
 しかし、全体的に前に動く姿勢は薄かったし、クレーベは守備をさぼるため、DFラインも押し上げるのが怖い。
 実際、1失点目などもクレーベのところから縦パスを出されていますし、クレーベの守備はやはり大きな問題となっている印象です。


 また、江尻監督になってからのジェフは、相手ボランチを誰が見るのかはっきりしない印象があります。
 クレーベや船山に相手ボランチをケアさせるという狙いもないように見えますし、ジェフのボランチが前に出ざるを得なくなりますが、そうなると今回のようにバイタルエリアがぽっかりと空いてしまう可能性がある。
 ボランチとしては相手ボランチと相手トップ下など2列目の選手とで、板挟みになっていることが多い印象です。

 一方の新潟もレオナルドは守備で貢献できる選手ではありませんが、ジェフのボランチにボールが入った時だけはしっかりと守備に戻っていた印象です。
 さらにシルビーニョもリトリート時には低い位置まで下がって守備をするため、簡単にはジェフのボランチから中央で縦パスを出させなかった。
 そこからブラジル人選手を中心にカウンターということで、やることははっきりしていたと思います。


 新潟もジェフ戦まで4試合勝ちなしということもあって、決して状況はそこまで良くなかったと思います。
 さらにこの日はカウエが不在でボランチのところで潰せないので、前半からセカンドボールで苦労している印象もありました。
 そういった課題もあって、ジェフが後半に巻き返せたのだと思いますが、ブラジル人選手を外して矢野や田中達也など献身的に守備をする選手たちを投入することで逃げ切ったということになると思います。

 逆にジェフは後半途中から巻き返し、押せ押せの展開を作ることが出来ました。
 特に左サイドからつないでクロスという展開で、チャンスを作っていったことになります。
 確かにクレーベも中央にいるし、あの攻撃がこの試合での武器となっていたのは事実だと思います。


 けれども、いくら左サイドからの展開でチャンスを作っていたとはいえ、その攻撃ばかりでは相手も慣れてきてしまう。
 この日は舞行龍を相手に高さでも苦戦していた印象のあったクレーベが囮になって、ファーの米倉がゴールを決めた場面は良かったと思います。
 しかし、その後は米倉も警戒されていましたし、左サイドでのクロスも簡単には出させない状況を作られていったわけで、それでも左サイドからこじ開けるというのは無理があったのではないかとも思います。

 結果的に攻撃のバリエーションの少なさから、相手が慣れてジェフの攻撃の勢いも落ちていってしまったのではないでしょうか。
 運動量で言えば新潟のほうが厳しいようにも見えましたが、後半途中からシュートチャンスが減っていったのはそのためではないかと思います。
 そう考えると、前半は守備で、後半は攻撃で課題を感じる展開になったとも言えるのではないでしょうか。


 後半押せ押せの時間帯も作れたので、全てが悪い印象ではなく終えられた試合だったのかもしれません。
 しかし、厳しいことを言えば、前半を犠牲にしてまで後半勝負を仕掛けたのであれば、後半優位に立てたのは当たり前とも言えなくもないでしょう。
 あくまでも大事なのは90分間トータルで良い試合だったと言えるかどうかだと思いますから、全体的に言えば攻守に力不足と言わざるを得ないと思います。

 何よりもジェフは残留争いに絡んでいるわけで、勝点を得られなかったことが非常に大きいことだと思います。
 勝ち星から遠ざかり、本格的に残留争いに絡んでいき、焦りだした時が心配ですね。
 その時に、あの試合で勝点1でも得られていれば…と、ならないようにしなければいけません。

 あるいは、その前に選手たちが現在の状況に不信感を抱き、求心力を失ってしまったら、チームとしてバラバラになりかねないのでしょう。
 いずれにせよ、シーズンも後半に入って「ある程度やれた」だけでは済まないと思います。
 より勝点への執念を見せていかなければいけないのではないでしょうか。