工藤が走り回るも後半から失速してスコアレスドロー

 岡山はこの時期にしては蒸し暑かったようで、その影響もあったのか、どちらのチームも低調な内容だったかなと思います。
 J2のこの時期にはありがちな、何もなく淡々と終わった試合ということになるでしょうか。
 岡山はまだPO進出の可能性があり、ホームでもあったはずですが、動きも少なく仕掛けのキレももう1つだった印象です。

 ジェフも前半はまずまずだったとは思うのですが、一方で守備のリスク管理には不安があり、一本のパスが通ればピンチに陥りそうな状況は変わらず。
 岡山は積極的に縦へ蹴るので、結果的にボールが通る確率は低いですが、そこさえ通ってしまえばチャンスという状況だったと思います。
 ジェフの守備はそういった状況が多いだけに、攻め込んでいたとしても、優位とは言い切れない試合が多いですね。

 一方で後半に関してはジェフの運動量が落ちて、プレスもはまらなくなり、いつも通り中盤でパスを繋がれて苦しむ展開になってしまいました。
 何度か攻撃の形も作っていたとはいえ、後半は岡山ペースだったと言えるのではないでしょうか。
 そのため勝点1を拾えたともいえるのでしょうが、岡山の内容もあまり良くなかったことを考えれば、消化不良感の残った試合だったようにも思います。

■緩い展開でスコアは動かず

 前節徳島と引き分けたジェフは、スタメンを継続。
 ゲリアが出場停止で前節プロデビューした本村もメンバーから外れ、サブにはエベルト、本田が入りました。

 岡山もスタメン変わらず。
 8月に松本から加入した山本大貴はスタメン5試合で2ゴールを上げていましたが、前々節岐阜戦で負傷し離脱。
 市船で杉山と同期で、天皇杯ジェフ戦で得点をあげた福元がベンチに入っています。


 5分、岡山の攻撃。
 熊谷のクリアミスから、相手がボールを拾い最後は関戸がシュート。
 しかし、GK優也が対応。

 試合は静かな立ち上がり。
 岡山は前線への早い展開を第一に、遅攻では横に繋ぎながらチャンスを伺います。
 ジェフは岡山のプレスに苦しみながらも、サイドから攻撃を狙う展開。 


 14分には岡山の攻撃。
 クレーベの守備が緩くなったところで、対面の濱田が中野に縦パス。
 完全に裏を取ったかと思われましたが、際どい判定でオフサイド

 17分にはジェフのチャンス。
 中盤で為田が反転して、前を向いたところから下平にパス。
 下平がピンポイントクロスを上げると、クレーベが競り勝ちますが、GK一森がセーブ。


 21分にもジェフの攻撃。
 右サイドで、矢田が1人を抜いて右足のクロス。
 為田がダイレクトでシュートを放ちますが、大きく外れてしまいます。

 23分には岡山の攻撃。
 中盤でのこぼれ球からカウンターで、仲間が勇人をかわして右前方へパス。
 中野が持ち上がってシュートを放ちますが、枠を捉えきれず。


 その後は、どちらもパスをうまくつなげず、ボールが行きかう展開に。
 ミスも多く、停滞状態になっていきました。
 全体的な動きも重く、緩い印象を受けました。

 40分にはジェフの攻撃。
 中盤左サイドで得たFKを、工藤が蹴ります。
 鋭いボールでしたが、ファーの下平には合わず。

 42分には岡山の決定機。
 イ・ヨンジェが、左サイドを持ちあがってクロス。
 ニアで中野が触りますが、ゴールの右隅を逸れ、そのまま0-0で折り返します。 

■間延びして岡山が攻め込むも0-0

 49分、岡山の攻撃。
 上田、イ・ヨンジェ、増谷とつないでクロス。
 これはジェフの選手に当たりますが、中央でこぼれて仲間がオーバヘッドで狙いますが、GK優也がセーブ。

 後半に入っても、動きは少ない状況。
 しかし、前半とは違って、岡山が攻め込む時間帯が続きます。
 岡山がセカンドボールを拾う展開が目立ち、ジェフは中盤でパスを通される状況に。


 61分には岡山の攻撃。
 上田の浮き球のパスから、イ・ヨンジェが競り合います。
 こぼれたところを上田が拾ってミドルシュートを放ちますが、GK優也がセーブ。

 64分にはジェフの攻撃。
 矢田からのパスを受けた為田が、4人に囲まれながらも強引に反転してシュート。
 しかし、GK一森がセーブ。


 67分、ジェフは勇人を下げて鳥海を投入すると、そのままボランチに。
 69分、岡山は中野を下げて赤嶺を投入。
 その直後、喜山の縦パスから仲間が赤嶺と1-2でパス交換をしてシュートを放ちますが、大きく枠を逸れます。

 76分には岡山の決定機。
 廣木が矢田をかわしてクロスを上げると、ファーの関戸がフリーでシュート。
 しかし、バー直撃でゴールならず。


 79分、ジェフは矢田を下げて船山を投入すると、右SHに入りました。
 投入直後、中盤で得たFKを船山が直接狙います。
 しかし、GK一森がキャッチ。

 81分、岡山は関戸を下げて福元を投入。
 86分、ジェフは為田を下げてエベルトを投入。
 3バックに変更しました。


 88分にはジェフの決定機。
 中盤でのセカンドボールを熊谷が競り勝って、繋いだところを船山が縦へ。
 工藤が抜け出す形となりシュートを放ちますが、GK一森がファインセーブ。

 後半ATには岡山の攻撃。
 カウンターで仲間が長い距離を持ちあがり、そのままシュートを放ちますがGK優也の正面。
 そのままスコアレスで終了となりました。

■岡山のスタメンは平均28.64歳、ジェフは平均30.36歳

 前々節水戸戦から工藤を前線で起用してからというもの、工藤が我武者羅に長い距離を走ってファーストディフェンスになるプレスを展開しています。
 前線の工藤が1人で相手を追いまわし、局面で寄せにいくことによって、相手の攻撃を遅らせ、限定することが出来ている。
 それによって、中盤以降も守備を整える時間と余裕を保てている印象です。

 わかりやすいのがクレーベで、相変わらず局面での対応は甘いし、守備範囲も非常に狭い。
 岡山戦でのDAZN解説にも何度かクレーベの守備の遅れは指摘されていましたし、そこから縦パスを通される場面も目立っていました。
 ただ、それでも工藤がプレスをかけてはまっている時は、クレーベもついていくことだけなら出来ることもあるし、工藤が守備をする分、守備範囲も狭くて済む状況になっていると思います。


 しかし、工藤はキックオフから明らかにオーバーペースで走っている印象があり、試合の早い段階で失速してしまう。
 すると、単純に前へ追えなくなるだけでなく、局面での寄せも甘くなってしまうため、待ち構えた守備でも対応が緩くなってしまう。
 そこから中盤へとパスを通され、苦労するところがある印象です。

 若い頃から羽生などと同様に、前半から飛ばすと長い時間は持たない選手でした。
 それでも走り回るのが売りなタイプではあるのでしょうが、それにしても無理な飛ばし方をしている印象を受けます。
 その役割を35歳になった工藤がやらなければいけないというチーム状況も含めて、大きな問題ではないかと思います。


 90分間持たないのは工藤だけでなく、全体的に失速してしまう傾向がある印象です。
 江尻監督は前回監督にも前半から飛ばすと、90分間持たないところがあった。
 しかし、それでもそれしか安定した状況を作り出せないこともあって、2010年もちょうど今と同じように気温が下がってきた時期から、ハイプレスで飛ばしていくサッカーをしていた印象があります。

 攻撃に関しても似たところがあり、あの時もいろんな攻撃を試すものの、1つもしっかりとした形にならず。
 結局はシンプルなサイドからのクロス攻撃が、メインとなっていた印象です。
 岡山戦でもサイドで縦に仕掛けてクロスという攻撃が主で、厚みのある攻撃は出来ていなかったように思います。


 岡山も詰めが甘い印象で、守備に関しても整ってはいたし、大きな崩れなどはなかったものの、中盤以降の寄せが甘かったと思います。
 また、攻撃においてもミスが多く、ラストプレーの精度にも課題を感じました。
 バー直撃のシュートなど惜しいシーンもありましたが、全体的に言えばそこまでの怖さはなかったかなと思います。

 それだけにジェフとすればチャンスもあったはずですが、ジェフも勝ちきる程の何かは感じなかったと思います。
 最低限のサッカーはしたとはいえ、何か強みがあったのかというと疑問は残るサッカーだったのではないでしょうか。
 本当に淡々と終わった試合だったと思います。


 ジェフは昇格も残留もほぼ目標がない中で、まずまずの試合をして勝点1を拾ったとも言えるでしょう。
 しかし、少し引いた目で見ると、それが何につながるのか…という疑問も残った試合だったのではないでしょうか。
 サッカーに関しても目指すべき明確な指針はないように思いますし、将来に向けての大きな希望も感じられない。

 DAZNの実況がキックオフ直前に岡山のスタメンは平均年齢が28.64歳、ジェフは30.36歳という話をしていました。
 それだけジェフは年齢層が高いことになるわけで、その選手構成でまずまずの試合をしたところで、何に繋がるのかという疑問もあるように思います。
 もちろん若い選手だけがすべてではないとはいえ、無難に戦って無難な結果を残すだけでは、将来に希望を抱きづらい。

 改めて、何を残り試合に求めるのか。
 もっと言えば、フロントは現チームに何を期待して、江尻監督に託したのか。
 消化試合となりつつあるシーズン終盤だからこそ、そこが問われてくるのかもしれません。