右SHでスタメンとなったアランの周りを活かすプレー

 先日の山形戦では為田が出場停止となったため、2列目の構成が注目されましたが、意外なところでアランが右SHとして出場しました。
 アランのスタメン出場は、4月28日の大宮戦以来となります。
 しかし、その時は1トップで出場し、その後の途中出場でも前線でのプレーが主となっていました。

 先月、右SHのスタメンが毎週のように変わっているとブログで書きましたが、この右SHメンバーに新たな選手が加わったことになります。
 その時に作った表を、更新してみました。

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 以前取り上げた時は水戸戦後だったのですが、その後の徳島戦、岡山戦では矢田がスタメン出場しました。
 今度こそ矢田で定着するかと思いきや、為田の出場停止があって矢田が左SHに回ったこともあり、今度はアランが右SHで出場するという状況になりました。


 右SHで出場したアランは、まずまずのプレー内容だったのではないでしょうか。
 右サイド前方でポストプレーをして周りを活かす場面などもありましたし、クレーベが負傷交代したこともあって、高さの面でも貴重な存在になっていたと思います。
 大きく目立ったプレーはなかったものの、ジェフで右SHとしてスタメン出場するのは初めてだったことも考えれば、そこまで悪くはなかったと思います。

 何より得点シーンでは、ジェフ後方からのロングボールがこぼれたところを、中盤中央でアランが拾ってキープしたところから攻撃が始まっています。
 アランが右サイドの米倉へ展開すると、再びアランがボールを受けてポストプレーをし、米倉に繋いでクロスが上がっています。
 その際、中央にいたアランは米倉の後方に回ってから追い越す、いわゆるウェーブの動きをして相手選手を引き付けることで、米倉をフリーにしたことになります。


 ジェフのSH候補は自分で縦に仕掛けたりテクニックでチャンスを作ったりといった選手が多いだけに、ポストプレーや囮になる動きなど、周りを活かすプレーができるのは大事なポイントだと思います。
 意外と米倉を使いこなすという意味で、アランは適している部分もあるのかもしれません。
 また、2列目に小柄な選手が多いという意味においても、高さのあるアランは可能性を感じられるところがあると思います。

 確かにここまでアランはいまだにノーゴールで、外国人選手としては正直物足りない印象も受けます。
 ただ、どちらかと言えばハードワークタイプで一発で仕留められる選手ではないのでしょうし、そうなると途中出場では活躍しにくいのかもしれません。 
 途中出場で活躍できていない点では寿人も大きくは変わらないですし、選手交代自体がうまくいっていない問題も大きいように思います。


 アランは東京Vで一昨年は17ゴール、昨年も6ゴールをあげ、2年連続でのPO進出に貢献しています。
 東京Vでも大きな活躍を遂げたのは一昨年のみではあり、飛びぬけて存在感のある選手ではなかったとは思いますが、それなりに実績のある選手と言えるでしょう。
 アラン加入時にも話したと思いますが、使い方次第の選手と言えると思います。

 今のチームのスタイルに合っていないから出場機会も少ないというのであれば、仕方のない部分もあると思います。
 ただ、一方で右SHがこれだけ定着せず、チームの戦い方もはっきりしていないことを考えると、アランに限らず選手を使いこなしきれていないのではないかという印象もどこかに残っています。
 なお、アランは東京Vでは主に左SHとして活躍していた印象ですが、前線や右SHでもプレー経験があるため、右SHでの起用に関してはそこまで違和感はなかったのではないかと思います。


 山形戦では為田が不在だったとはいえ、代わりに左SHに入った矢田はゴールを決めていますし、守備でも貢献していましたから可能性は感じられたと思います。
 その他に右SHでプレーしてきた選手を見ても、それなりに持ち味は出していたと思うし、アピールは出来ていたと思います。
 しかし、ここにきてアランが右SHで初スタメンを果たしたことから考えても、未だに大枠での序列すらもはっきりしていないことになります。

 もちろん序列だけで選手起用が決まってしまうのも問題だとは思いますが、現在のジェフは何が選手に求められているのかもはっきりしないため、右SHが固定化されない部分もあるのではないでしょうか。
 一方で、それだけ確固たる存在がいないという選手側の問題ももちろんあるとは思いますし、選手構成の面で言えば小粒な選手を複数集めるよりも、飛びぬけた存在を1人獲得することのほうが補強に繋がるのではないかとも思います。
 ただ、実際問題として現在の右SHに何を求めて、どんなプレーが期待されているのか曖昧な印象で、選手起用も併せて右サイドが安定していない要因になっているように思います。


 さまざまな可能性や選手を試すことは、大きな問題ではないと思います。
 しかし、右SHが3試合連続で継続してスタメン出場していないというのは、あまりにもチームとしてバタバタし過ぎているのではないかと思います。
 テストをするにしても1つのこだわりを持ってやり切ってから次に行くべきではないかと個人的には思ってしまうのですが、現状だとテストの狙いや趣旨もはっきりしないところがあるのではないでしょうか。

 これに途中出場の選手も踏まえると、アランや安田、小島や米倉などもいるわけですから、本当にすごい数の選手が右SHでプレーしていることになると思います。
 しかも、それらは江尻監督が4バックに変更した7月7日の徳島戦以降の話ですから、短い期間での現象ということになります。
 もちろん他のポジションはそこまで流動的ではないわけですが、左サイドは固まりつつあるのに右SHは頻繁に変わっていることから見ても、やはりチームの一部分は見えていても、チーム全体の方針がはっきりしていないことが問題なのではないかと感じてしまいます。